
2018年のフランソワーズ・ジャニアールのシャルドネが滅茶美味しいので、
「余りに昨年と違う・・これってヴィンテージの恩恵なのか、それともドメーヌが成長しているのか?」
と、判断に苦しんでいるところです。
何せ今回の入荷は、白2アイテムが2018年、赤2アイテムが2017年と2016年・・と言う、フィネスさんお得意の変則パターンなんですね。なので、
「昨年は・・あ~だったから・・」
と言うような頭の構造になってしまっているnoisy も、それに対応しなくてはならない・・しかし、長年に渡る毎日のアクションの記憶へのアプローチを、簡単に変更できるほど脳みそ年齢は若く無い・・ってことなのかもしれませんで、思考が混線しています。
ですが、この2017年もののペルナン=ヴェルジュレス、2018年もののシャルドネ同様に・・2016年以前と異なっています。
「ミネラル感が半端ない!」
んですよね。
まるでシャンボールのようなテクスチュアから・・入っていけます。そして、やはりペルナンですから、コルトンの丘の反対側なんですね。
カチッとした硬さは同時試飲の2016年のアロース=コルトンが上です。でも本来硬さを伝えるはずの透明~やや白いミネラリティのコーティングが・・このワインは「半端無い!」訳です。
2015年のこのワインの写真も掲載してありますが、写真からはさほど変化が無いように見えるかもしれません。しかし、コルトンらしいピュアな赤果実(ル・コルトンとかです・・ルナルドとかでは無く)がしっかり有った上で、ミネラリティをしっかりコートしていますので、
「美味しさは今までの数倍!」
と言いたくなるような出来なんですね。
他のコラムでも書きましたが、「今飲んで美味しいリーズナブルなピノ・ノワール」として、このペルナン=ヴェルジュレス・ルージュV.V.を推したいと思います。
「知らない造り手だからな・・」
と思わず、
「リーズナブルで美味しそう!」
と思ってくださいね・・(^^;;
ドライでピュア、ナチュラルさもSo2の少なさから感じていただけるでしょう。こりゃぁ2018年も楽しみだと・・思っていただけるはずです!ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【初のご紹介ですがリーズナブルなプライスながら高質さ、ピュアさの光る味わい!かなり良いです!】
「フランソワーズ・ジャニアール?・・似たようなお名前のドメーヌは沢山有るけど・・知らないなぁ・・」
と言うのがnoisy の最初の印象でした。かなりのドメーヌやメゾンのワインを飲んでいる noisy の記憶にも出て来ないですが、「ジャニアール」と付くお名前はアチコチに有ります(有りました)から、以前に飲んでいたとしてもドメーヌ継承などで名前が変わっていて「一致しない」だけなのかもしれません。
余り時間が無いので・・何しろこれからリアルワインガイドのテイスティングに出かけなければならない時間が迫っています。2月は本当に・・憂鬱な月です。自分の行動に、まずは優先順位を付け、しかも状況に寄り順次変更を迫られるんですね。
noisy としましては、自身のレベルにおいてでは有りますが生半可な判断でお客様にご紹介するのは苦手で、ある程度までだとはしても、ほぼ確実に「判断し説明できる」ところまで掴まないとご紹介出来ないんですね。
なので初めての造り手さんの場合は、出来る限りアイテムをテイスティングするようにし、
「なるほどね」
と言えるようになるまで、何とか結論を出しておくようにしています。
なので取り敢えずこのフランソワーズ・ジャニアールさんのワインは・・
「とってもフィネスさん的。バイヤーさんの感性が出ている選択」
ですし、
「非常にピュアで繊細。エキス系でしかも・・昨今ウケの良い、余分な酸化を余りさせないタイプ」
です。
なので、抜栓して飲み始めからどんどん美しいアロマが出て来て変化が楽しめ、しかもその抜栓後の酸化により適度な締まりや解放が有るので若い内から楽しめるスタイルです。
これが、エルヴァージュ中にかなりの酸素を供給してしまいますと(新樽などの使用率を高めたり色々・・)、若い時分にはアロマは良いんですが、テクスチュアが硬く、中々解放に向かわない・・味わいが締まったワインになってしまうんですね。昨今はこの系統は少なくなる傾向にあると思います。

ペルナン=ヴェルジュレスは、コルトンが近いですが、味わい的にはむしろジュヴレ=シャンベルタンですね。非常にピュアで、密度も濃度もしっかり有ります。
全く甘く無く、とてもドライですが集中しているので薄辛くなりません。どこか・・新樽要素を減らしたメオ=カミュゼっぽい感じがしますが・・関係有るんですかね。まぁ、フィネスさんの扱いですから、例えば葡萄やワインをフィス・エ・ペールに供給している・・なんてことも有るかもしれないと想像させるような、昨今のメオにも似た素晴らしいニュアンスでした。
ほんのりと妖艶さがただよってくるようなタイミングで、今飲んでも美味しいです。
左の写真はアロース=コルトンです。こちらもコルトンを算出しますんで、そっち系かな?・・と思いきや、むしろポマール的な大らかさ、ゆったりさを持つ、これまた非常にピュアで密度の高い味わいでした。プライス的にも村のクラス的にもペルナン=ヴェルジュレスより高いですが、ややソリッドで球体からアチコチに触手が出ているような感じのペルナンに比較し、丸さや柔らかさ、豊満さに果実のゆとりが感じられる美味しいピノ・ノワールでした。ペルナンが男性的だとするならこちらは女性的・・暖かな感じがします。かなり美味しいです。

最後は白、ペルナン=ヴェルジュレスですね。こちらも非常にピュアです。
イメージ的に誰が近いかと考えてみると、
「イヴ・ボワイエ=マルトノ」
でしょうかね。
最もイヴ・ボワイエ=マルトノはムルソーの造り手ですから、非常にタイトに締まったマンモスな量の大理石的なミネラリティが豊富ですが、こちらはさに在らず。
むしろイヴ・ボワイエ=マルトノがムルソーを離れて痩せた畑で造ったようなイメージで、適度に膨らみが有り、柑橘系の果実が繊細さを持って迎えてくれる・・そんな感じです。
昨今流行りの余分な酸化を抑えた造りがピュアさと抜栓後の様々な変化を楽しませてくれます。今でも充分美味しいですが、最低15年は持つしっかりした造りです。5千円なら非常にリーズナブルだと言えます。
今回初めてテイスティングしたと思われるフランソワーズ・ジャニアール女史のワインでした。今、ブルゴーニュワイン・・・高いですからね。かなりの好印象、これからも先を見て行きたい造り手です。是非飲んでみてください。お勧めします!