
何でしょうか・・2018年ものも美味しかったんですが、今回届いた分のフランソワーズ・ジャニアールのワインは滅茶美味しいんですよ。
確かに以前のイメージも在るには・・在るとしても、
「質感がまるっきり・・と言うか、激増して良くなっている・・」
と感じられてしまいます。
こうなって来ますとまだ扱いは短いですから、何が本当の姿なのか・・それとも単に年が良いとか・・?・・誰かが魔術でも使ったんじゃないか・・とフィネス・マジックを疑ってしまいます。
最初の輸入の頃は、もっとチープな細いボトルでしたが、今は重量瓶で太いです。そんなところからして変わっていますので、何かしらフィネスさんはやっているんじゃないかと思っているんですね。
黄色に薄緑が入り、白っぽく見えるミネラリティが溶け込んだような色合いをしています。味わい的にはコルトン=シャルルマーニュ系だと感じますが、それほどは「カッチリと硬く」は無いので、味わいの開き、膨らみも早いように感じられます。
ここは、アロース=コルトンの「グラン・クリュ・アン・シャルルマーニュ」の北西・・地形的にはコルトンの丘とは異なる丘なんですが、本当にアン・シャルルマーニュには手が届きそうな畑が2つ・・そこからの葡萄なんですね。アン・シャルルマーニュに向けて長方形の短辺が向いていまして、しかも盗難に開けた畑で、
「・・白ワインには持ってこいでしょう!」
と言っているようにも思えます。

時にピュリニーは豪奢だがシツコイ・・と感じることが在るかもしれません。反対にコルトン=シャルルマーニュは、どうしてそんなに「頑ななの?」と、その硬さを恨めしく思うことも有ります。
しかしながらこのペルナン=ヴェルジュレスの「レ・パン」と「エ・レレ・エ・ヴィーニュ=ブランシュ」によるシャルドネは、
「そのちょうど中間的な・・両方の良い部分を持ち、少しスレンダーにした感じ」
なんですよね。
なので、開けたらもう・・アロマもすぐ立って来て美味しいです。ドライですがエキスがちゃんと出ていて、柑橘も有って、重く無く軽く無い・・ちょうど良い重量感です。だから・・きっと気に入っていただけると思います!是非ご検討くださいませ。旨いです!
以下は以前のレヴューです。
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【2018年のペルナン・ヴェルジュレス・ブランも滅茶苦茶美味しい!・・軽めのコルトン・シャルルマーニュ系を思わせる見事な味わいです!】
2018年のフランソワーズ・ジャニアールのA.C.ブルがすこぶる旨いのに気を良くして、
「こりゃぁ・・2018年は相当良さそうだし、このところ高くなり過ぎた感の強いブルゴーニュ・シャルドネを飲んでもらえる良い機会になれば!」
とばかりに、再度2018年のペルナン・ヴェルジュレスを開けることにしました。「こうなりゃ全品開けたれ!」ってなノリです。
やはり・・どうしちゃったんだろ・・フランソワーズ・ジャニアール・・。これ、高名なドメーヌのシャルドネだって出しても・・絶対バレませんよ。・・絶対ビックリしちゃうはずです。
そもそも・・皆さん、ペルナン・ヴェルジュレスを良くは知らないでしょう?
「・・んなことない。あのコルトン=シャルルマーニュだって、半分はペルナン・ヴェルジュレス村でしょう?」
そうなんです。あの、今、飛ぶ鳥さえ振り返ると言われるジョルジュ・ルーミエのコルトン=シャルルマーニュの畑はペルナン=ヴェルジュレス村にある「アン・シャルルマーニュ」と言うリューディなんですよ。noisy は80年代後半の完熟したルーミエさんのコルトン=シャルルマーニュに大感激したことが有りますから・・はい。そして、その頃に開けた89年のレザムルーズの余りの硬さに辟易したことも有ります・・。まぁ、コンディションだったと思いますけどね。
で、このフランソワーズ・ジャニアールのペルナン=ヴェルジュレスですが、
「少し軽めのコルトン=シャルルマーニュ!」
と言ってしまうのは簡単ですが(・・言ってるじゃん)、
「少し軽めの」
を言いたくないほど・・いや、
「僅かに軽めの・・」
と言い換えるか、
「僅かに印象は異なるが・・」
と言うべきか・・非常に悩むレベルの出来です。
すなわち、コルシャルほどは若いうちの「とっつきにくさ」が無いだけ・・が一番近いかもしれず、そこにコルシャルが持つポテンシャルを幾分減らしただけ・・が付くかもしれませんが、これは若いうちはまず・・判らないはずです。
それに、フレデリック・コサールのように・・いや、少し前のフレデリック・コサールのように、ワインを弄り過ぎないのが非常に心地良く、素直で好印象なんですね。ストレートなんですよ・・表情が。だから伝わりやすい。そしてSo2も確実に少ないですから、
「いつもはボトル半分なのに2/3も飲んじゃった・・」
としても、身体に対する影響は非常に軽く感じられます。
だから、「相当に素晴らしいシャルドネである!」と・・感じています。村名で4千円台、税金入れても5千円ですので、相当にお買い得んだと思います。
余りに美味しいので、フランソワーズ・ジャニアール2018、売り込んでいきたいと考えています。是非飲んでみて下さい!一推しです!
以下は以前のレヴューです。
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【初のご紹介ですがリーズナブルなプライスながら高質さ、ピュアさの光る味わい!かなり良いです!】

「フランソワーズ・ジャニアール?・・似たようなお名前のドメーヌは沢山有るけど・・知らないなぁ・・」
と言うのがnoisy の最初の印象でした。かなりのドメーヌやメゾンのワインを飲んでいる noisy の記憶にも出て来ないですが、「ジャニアール」と付くお名前はアチコチに有ります(有りました)から、以前に飲んでいたとしてもドメーヌ継承などで名前が変わっていて「一致しない」だけなのかもしれません。
余り時間が無いので・・何しろこれからリアルワインガイドのテイスティングに出かけなければならない時間が迫っています。2月は本当に・・憂鬱な月です。自分の行動に、まずは優先順位を付け、しかも状況に寄り順次変更を迫られるんですね。
noisy としましては、自身のレベルにおいてでは有りますが生半可な判断でお客様にご紹介するのは苦手で、ある程度までだとはしても、ほぼ確実に「判断し説明できる」ところまで掴まないとご紹介出来ないんですね。
なので初めての造り手さんの場合は、出来る限りアイテムをテイスティングするようにし、
「なるほどね」
と言えるようになるまで、何とか結論を出しておくようにしています。
なので取り敢えずこのフランソワーズ・ジャニアールさんのワインは・・
「とってもフィネスさん的。バイヤーさんの感性が出ている選択」
ですし、
「非常にピュアで繊細。エキス系でしかも・・昨今ウケの良い、余分な酸化を余りさせないタイプ」
です。
なので、抜栓して飲み始めからどんどん美しいアロマが出て来て変化が楽しめ、しかもその抜栓後の酸化により適度な締まりや解放が有るので若い内から楽しめるスタイルです。
これが、エルヴァージュ中にかなりの酸素を供給してしまいますと(新樽などの使用率を高めたり色々・・)、若い時分にはアロマは良いんですが、テクスチュアが硬く、中々解放に向かわない・・味わいが締まったワインになってしまうんですね。昨今はこの系統は少なくなる傾向にあると思います。

ペルナン=ヴェルジュレスは、コルトンが近いですが、味わい的にはむしろジュヴレ=シャンベルタンですね。非常にピュアで、密度も濃度もしっかり有ります。
全く甘く無く、とてもドライですが集中しているので薄辛くなりません。どこか・・新樽要素を減らしたメオ=カミュゼっぽい感じがしますが・・関係有るんですかね。まぁ、フィネスさんの扱いですから、例えば葡萄やワインをフィス・エ・ペールに供給している・・なんてことも有るかもしれないと想像させるような、昨今のメオにも似た素晴らしいニュアンスでした。
ほんのりと妖艶さがただよってくるようなタイミングで、今飲んでも美味しいです。
左の写真はアロース=コルトンです。こちらもコルトンを算出しますんで、そっち系かな?・・と思いきや、むしろポマール的な大らかさ、ゆったりさを持つ、これまた非常にピュアで密度の高い味わいでした。プライス的にも村のクラス的にもペルナン=ヴェルジュレスより高いですが、ややソリッドで球体からアチコチに触手が出ているような感じのペルナンに比較し、丸さや柔らかさ、豊満さに果実のゆとりが感じられる美味しいピノ・ノワールでした。ペルナンが男性的だとするならこちらは女性的・・暖かな感じがします。かなり美味しいです。

最後は白、ペルナン=ヴェルジュレスですね。こちらも非常にピュアです。
イメージ的に誰が近いかと考えてみると、
「イヴ・ボワイエ=マルトノ」
でしょうかね。
最もイヴ・ボワイエ=マルトノはムルソーの造り手ですから、非常にタイトに締まったマンモスな量の大理石的なミネラリティが豊富ですが、こちらはさに在らず。
むしろイヴ・ボワイエ=マルトノがムルソーを離れて痩せた畑で造ったようなイメージで、適度に膨らみが有り、柑橘系の果実が繊細さを持って迎えてくれる・・そんな感じです。
昨今流行りの余分な酸化を抑えた造りがピュアさと抜栓後の様々な変化を楽しませてくれます。今でも充分美味しいですが、最低15年は持つしっかりした造りです。5千円なら非常にリーズナブルだと言えます。
今回初めてテイスティングしたと思われるフランソワーズ・ジャニアール女史のワインでした。今、ブルゴーニュワイン・・・高いですからね。かなりの好印象、これからも先を見て行きたい造り手です。是非飲んでみてください。お勧めします!