【完熟少し前の「成熟」したペルナンV.V.!もし可能なら現在も発売中の2019年ものと比較してみてください!・・球体へ返信するちょっと前!】

2019年もののこのワインのご紹介時にも書かせていただきましたが、あのマリウス・ドラルシェの2017年ものペルナン=ヴェルジュレス・・・余りに旨いので沢山仕入れたものの、ご紹介当初はそこまでの「引きの強さ」は無く、でも何となく売れているなぁ・・と言う感じでした。
しかしながら、買われたお客様が増え出すと、おそらく飲まれてビックリされたのでしょう。徐々に加速度が付いて一気に無くなってしまいました。エレガントで旨かったでしょう?・・良いですよね~・・熟し始めの風情もまた!・・そして、タイミングもまた良かったのか、あのバランスが凄く良かったと思っています。
このフラソワーズ・ジャニアールのペルナンV.V.もまた、マリウス・ドラルシェのペルナンと同様の畑からの葡萄も使用していまして、
「ドラルシェ同様の枯れた美味しさ」
も内包しつつ、2014年ものらしい複雑性と豊かさが、まだその「枯れた美味しさ」を隠し気味にしているようなタイミングかと思います。
まぁ、ドラルシェのペルナンは2017年もので、ポテンシャル的には残念ながらこのフランソワーズ・ジャニアールのペルナンV.V.に対しては少し劣っている・・と言えると思います。ジャニアールのペルナンV.V.2014は、より豊かで大きな構成を持っているがために、ドラルシェのペルナン2017ほどの「熟度」には達していない訳ですね。
ですので、マリウス・ドラルシェほどの完成度(熟度)には届いていないものの、そう遠く無く、かなり良い状態へと向かうことが良く判る味わいをしています。

色合いもまたやや濃い目ですよね。これはおそらく、このワインがブティエールだけではなく、レ・パンをセパージュしていることと、ヴィエイユ・ヴィーニュであることの両方が原因かと思います。
やや痩せた土地の石灰の強いブティエールと、おそらく粘土が豊な味わいを生むレ・パンのセパージュになるかと思いますので、
「ブティエール = 繊細で枯れた美味しさ を豊かな粘土の味わいが包み込んでいる」
感じなんですね。
言ってみれば、ペルナンにちょっとポマールを加えたような味わいで、アロマ、ブケもポマールに近い粘土の豊かさが有ります。鉄分もそれなりにあるんですがマスキングされ気味で、もしブラインドでこの2014年のペルナンV.V.を出されたとしたら、
「2015年のポマール」
などと言ってしまいそうです。
しかしながら、このペルナンにしてはやや濃い目のルビーの色彩を良くみてみると、やや透明なミネラリティの強い感じが現れているようにも見えます。色彩だけ見れば、ル・コルトンとか、シャルルマーニュ近郊の、余り強い色にならないコルトンを名乗れる畑のものにも近いように見えるかもしれません。
現状で、完熟状態へのカウントは始まった感じに思える程、滑らかさが増して来た味わいかと思います。徐々に丸くなり、もう少しトロリとして来て、官能さが増して来たら仕上がりでしょう!・・面白いタイミングだと思います。もし可能でしたらリリースから間もない2019年もののペルナンV.V.もまだ有りますので、飲み比べてみてはいかがでしょうか。美味しいと思います。やや豊かさを感じる方のペルナン=ヴェルジュレスです。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。2019~2015年のこのワインのレヴューです。
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【是非ともペルナン=ヴェルジュレスを見直しましょう!・・旨いワインが多いのに誰にも見向きもされていません!・・実はあのマリウス・ドラルシェの17ペルナンもレ・ブティエールの畑です!】
・・悪戯をしちゃいました。2017年もののマリウス・ドラルシェのペルナン=ヴェルジュレス・レ・ブティエールの写真を3枚目に載せてしまいました。
でも・・面白いでしょう?・・こちらは2019年もののペルナン=ヴェルジュレスのレ・ブティエール and レ・パンですが、ドラルシェは2017年のレ・ブティエールだけ・・です。どちらも「ヴィエイユ・ヴィーニュ」です。
「そっくりじゃん!」
と思っていただけると思うんですけど・・。
まぁ、あれだけ推してお勧めさせていただいた割りには・・それに頑張って価格を出した割りには・・大きな売上にはなってないマリウス・ドラルシェのペルナン=ヴェルジュレスでは有ります。4ケース弱しか動いてません。
ですが、
「超エレガントで妖艶!・・ブルゴーニュワインの美味しさの一つの方向性をちゃんと見せてくれる」
ワインです。しかもオート=コート並みの価格です。
こちらの2019年ものになりますと、2年も違いますし、今は為替が酷いことになってますから、マリウス・ドラルシェほどにはリーズナブルにはなりません。

でも、面白いんですよ・・非常に似ています。相当似ているけれど結構・・に違う・・んですね。
レ・ブティエールは、エレガントでミネラリティの組成が、おそらく鉄系のもの・・鉄やマンガン、マグネシウムとか・・それらが多い感じがします。ドラルシェのペルナン=ヴェルジュレスはレ・ブティエールオンリーですから、熟がより速い感じがします。
一方のジャニアールのレ・ブティエールは、北の方の畑の「レ・パン」をブレンドしている性でしょうか、より上下方向に「張り」を持つカルシウムっぽいミネラリティの柱?のようなものを感じるんですね。
なので結果的により「大きさ」を感じます。そしてドラルシェのペルナン=ヴェルジュレスのような「官能さ」も有り、熟とともにそれが増大して行くように感じられるんですね。

今、ブルゴーニュワインは高いですから、普段飲みのワインに苦労されると思うんですね。
だいぶ判っているコート・ド・ニュイのピノ・ノワールなら、
「あ、シャンボールだからね・・ちょっと硬質なんだよね・・」
とか言えると思うんですが、ペルナン=ヴェルジュレスやアロース=コルトンでは・・判りませんよね?
でもここは、
「いろんな丘」
小さな丘・・と言うか、名前的には「森」なんですが、ちょっと離れるともう異なる丘なんです。コート・ド・ニュイのようにかなり連続した丘が続くのとは、ちょっと違う。
だから有名な「コルトンの丘(森)」だけが知られていますが、その、「丘と丘」は、その谷間に生活に使用する道が有って、その脇にも必ずと言って良いくらい葡萄畑が有ります。
だからこの「レ・ブティエール」は、アロース=コルトンとは道一本隔てているだけ・・アロース=コルトン側の丘は「ボワ・ド・コルトン」、ペルナン=ヴェルジュレス側の丘は「ボワ・ド・ノエル」(他にも丘はありますが・・ノエルとはクリスマスと言う意味だそうです・・)です。
これからはペルナン=ヴェルジュレスも、きっと知られてくると思いますよ・・だって旨くて安いんだから・・はい。是非飲んでみて下さい!・・今飲んでもバランスが取れています。お勧めです!
【滅茶リーズナブルです!2017年ものからのフランソワーズ・ジャニアールは是非とも注目してください!】
2018年のフランソワーズ・ジャニアールのシャルドネが滅茶美味しいので、
「余りに昨年と違う・・これってヴィンテージの恩恵なのか、それともドメーヌが成長しているのか?」
と、判断に苦しんでいるところです。
何せ今回の入荷は、白2アイテムが2018年、赤2アイテムが2017年と2016年・・と言う、フィネスさんお得意の変則パターンなんですね。なので、
「昨年は・・あ~だったから・・」
と言うような頭の構造になってしまっているnoisy も、それに対応しなくてはならない・・しかし、長年に渡る毎日のアクションの記憶へのアプローチを、簡単に変更できるほど脳みそ年齢は若く無い・・ってことなのかもしれませんで、思考が混線しています。
ですが、この2017年もののペルナン=ヴェルジュレス、2018年もののシャルドネ同様に・・2016年以前と異なっています。
「ミネラル感が半端ない!」
んですよね。
まるでシャンボールのようなテクスチュアから・・入っていけます。そして、やはりペルナンですから、コルトンの丘の反対側なんですね。
カチッとした硬さは同時試飲の2016年のアロース=コルトンが上です。でも本来硬さを伝えるはずの透明~やや白いミネラリティのコーティングが・・このワインは「半端無い!」訳です。
2015年のこのワインの写真も掲載してありますが、写真からはさほど変化が無いように見えるかもしれません。しかし、コルトンらしいピュアな赤果実(ル・コルトンとかです・・ルナルドとかでは無く)がしっかり有った上で、ミネラリティをしっかりコートしていますので、
「美味しさは今までの数倍!」
と言いたくなるような出来なんですね。
他のコラムでも書きましたが、「今飲んで美味しいリーズナブルなピノ・ノワール」として、このペルナン=ヴェルジュレス・ルージュV.V.を推したいと思います。
「知らない造り手だからな・・」
と思わず、
「リーズナブルで美味しそう!」
と思ってくださいね・・(^^;;
ドライでピュア、ナチュラルさもSo2の少なさから感じていただけるでしょう。こりゃぁ2018年も楽しみだと・・思っていただけるはずです!ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【初のご紹介ですがリーズナブルなプライスながら高質さ、ピュアさの光る味わい!かなり良いです!】
「フランソワーズ・ジャニアール?・・似たようなお名前のドメーヌは沢山有るけど・・知らないなぁ・・」
と言うのがnoisy の最初の印象でした。かなりのドメーヌやメゾンのワインを飲んでいる noisy の記憶にも出て来ないですが、「ジャニアール」と付くお名前はアチコチに有ります(有りました)から、以前に飲んでいたとしてもドメーヌ継承などで名前が変わっていて「一致しない」だけなのかもしれません。
余り時間が無いので・・何しろこれからリアルワインガイドのテイスティングに出かけなければならない時間が迫っています。2月は本当に・・憂鬱な月です。自分の行動に、まずは優先順位を付け、しかも状況に寄り順次変更を迫られるんですね。
noisy としましては、自身のレベルにおいてでは有りますが生半可な判断でお客様にご紹介するのは苦手で、ある程度までだとはしても、ほぼ確実に「判断し説明できる」ところまで掴まないとご紹介出来ないんですね。
なので初めての造り手さんの場合は、出来る限りアイテムをテイスティングするようにし、
「なるほどね」
と言えるようになるまで、何とか結論を出しておくようにしています。
なので取り敢えずこのフランソワーズ・ジャニアールさんのワインは・・
「とってもフィネスさん的。バイヤーさんの感性が出ている選択」
ですし、
「非常にピュアで繊細。エキス系でしかも・・昨今ウケの良い、余分な酸化を余りさせないタイプ」
です。
なので、抜栓して飲み始めからどんどん美しいアロマが出て来て変化が楽しめ、しかもその抜栓後の酸化により適度な締まりや解放が有るので若い内から楽しめるスタイルです。
これが、エルヴァージュ中にかなりの酸素を供給してしまいますと(新樽などの使用率を高めたり色々・・)、若い時分にはアロマは良いんですが、テクスチュアが硬く、中々解放に向かわない・・味わいが締まったワインになってしまうんですね。昨今はこの系統は少なくなる傾向にあると思います。

ペルナン=ヴェルジュレスは、コルトンが近いですが、味わい的にはむしろジュヴレ=シャンベルタンですね。非常にピュアで、密度も濃度もしっかり有ります。
全く甘く無く、とてもドライですが集中しているので薄辛くなりません。どこか・・新樽要素を減らしたメオ=カミュゼっぽい感じがしますが・・関係有るんですかね。まぁ、フィネスさんの扱いですから、例えば葡萄やワインをフィス・エ・ペールに供給している・・なんてことも有るかもしれないと想像させるような、昨今のメオにも似た素晴らしいニュアンスでした。
ほんのりと妖艶さがただよってくるようなタイミングで、今飲んでも美味しいです。
左の写真はアロース=コルトンです。こちらもコルトンを算出しますんで、そっち系かな?・・と思いきや、むしろポマール的な大らかさ、ゆったりさを持つ、これまた非常にピュアで密度の高い味わいでした。プライス的にも村のクラス的にもペルナン=ヴェルジュレスより高いですが、ややソリッドで球体からアチコチに触手が出ているような感じのペルナンに比較し、丸さや柔らかさ、豊満さに果実のゆとりが感じられる美味しいピノ・ノワールでした。ペルナンが男性的だとするならこちらは女性的・・暖かな感じがします。かなり美味しいです。

最後は白、ペルナン=ヴェルジュレスですね。こちらも非常にピュアです。
イメージ的に誰が近いかと考えてみると、
「イヴ・ボワイエ=マルトノ」
でしょうかね。
最もイヴ・ボワイエ=マルトノはムルソーの造り手ですから、非常にタイトに締まったマンモスな量の大理石的なミネラリティが豊富ですが、こちらはさに在らず。
むしろイヴ・ボワイエ=マルトノがムルソーを離れて痩せた畑で造ったようなイメージで、適度に膨らみが有り、柑橘系の果実が繊細さを持って迎えてくれる・・そんな感じです。
昨今流行りの余分な酸化を抑えた造りがピュアさと抜栓後の様々な変化を楽しませてくれます。今でも充分美味しいですが、最低15年は持つしっかりした造りです。5千円なら非常にリーズナブルだと言えます。
今回初めてテイスティングしたと思われるフランソワーズ・ジャニアール女史のワインでした。今、ブルゴーニュワイン・・・高いですからね。かなりの好印象、これからも先を見て行きたい造り手です。是非飲んでみてください。お勧めします!