
2020年と言うのも有るかと思いますが、それでも2019年と比較してもやや濃度が有り、粘性も高く豊かな味わいがします。
2020年ものですから、少し熟して来ているのも有ろうかと思いますが、とてもまろやかでスムーズな飲み口です。
アロマもちょっと太く、アルコール分も多いのか?・・と思うと・・
「なんと13パーセント!」
と言う、ブルゴーニュ・ピノ・ノワールとしますと絶妙な度数です。
ですので、決して「マッチョ」にはなっておらず、エレガンスを失っていない・・でも、
「果皮の成分がたっぷり感じられる味わい」
です。

ペルナン=ヴェルジュレスV.V.2022年と比較しますととても「果実」が頑張っています。ペルナンは、
「エレガンスと細やかな複雑性」
が頑張っていて、3年ほどで・・あの素晴らしかった2017年のペルナン=ヴェルジュレス/マリウス・ドラルシェのようになって行くと感じます。
こちらのアロース=コルトン2020の方は・・ん~・・何と言ったらよいか難しいですが、
「LLのコルトン=グランセの少し軽い奴・・」
・・みたいなニュアンスですが、コルトン=グランセのあのスパイスっぽい感じとか、やや重い粘土のニュアンスが減った感じ・・でしょうか。
ですので、質感はとても高く、しかし濃度はそこそこに有るために、ペルナンほど将来を見通し辛いなぁ・・と感じます。
ブルゴーニュワインを長く飲んで来た方は、むしろペルナン=ヴェルジュレスの方が好きかもしれませんが、普通はやはりこちらのアロース=コルトンが上だと感じるかと思います。
リーズナブルで美味しいブルゴーニュ村名です。飲んでみてください。お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【グレートイヤー2019年のアロース=コルトン!黒果実に赤果実が混じったコルトンらしい風情・・柔らかくフカフカした上質のタンニン。非常に出来の良いヴィンテージです!】

ジャニアールの2019年アロース=コルトンV.V.です。他のキュヴェより一年遅れでリリースされているようです。
濃密で場合によっては甘みさえ感じる2020年もののテイスティングの合間に2019年ものが入って来ますと、やはりイントネーションが思いっきり違うのに気が付きます。
流れるようにすら~っと・・中盤、終盤に行くんですが、確実に中域の自然な盛り上がりが有り、ドライで集中していて、とても心地良いです。少しマッシュルーム類のブケに近いアロマに、少しこってりした肉のニュアンスが還って来ます。
余韻には質の良いフカフカのタンニンが少々感じられ、飲み行くうちにこれが甘みに変化して来る感じです。タンニンは単に「渋み」と受け取られるイメージですが、質が良いと柔らかいですし、徐々に甘みに変化するんですね。反対に質が悪いと平板で、場合によっては「紙」みたいなニュアンスに受け取れてしまうことも有りますが、かなりこちらは上質です。結構に脂の多い肉などにも、現状は対応可能じゃないかと思います。

ただしこのタンニンの存在が、このワインの飲み頃・・ワインとしての完成度を遅くしているのも間違い在りませんで、完全に溶け込んで行くには3年ほどは掛かるかな・・と言う感じです。2018年もののややソリッドながらすでに仕上がっているイメージよりも、
「自然でリキミの無い、でもパワーさに振れたエナジーを感じさせる良く熟した感じ」
が有り、
「・・2019年ってとても良いヴィンテージだよね~~・・」
と感じていただけると思います。
村名クラスのワインも、この位が下限になってきました。もう少しサラリーが上がってくれると有難いんですけどね~・・日銀さんの差配に期待しています。是非ご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【1級クラスに近い、見事な出来です!果実感がしっかり有りつつミネラリティの支えもバッチリ!】
以前のヴィンテージのグラスの写真と比較していただけましたら、まるで別物・・みたいな感じが判るんじゃないかと思います。
色合いは充実していてしっかり、赤~濃赤な色に、少し白っぽいミネラリティが多く混じっているような感じに見えます(・・少なくともnoisyには・・)
この畑は、ルイ・ラトゥールで有名になった、「クロ・ド・ラ・ヴィーニュ・オ・サン」・・勿論、メオ=カミュゼもリリースしていますが、コルトンの王と言われたルイ・ラトゥールには敬意を表して・・です。
でも・・このアロース=コルトン2018の出来ならルイ・ラトゥールのクロ・ド・ラ・ヴィーニュ・オ・サンやコルトン=グランセは不要(・・すみません)なほど・・いや、確かにルイ・ラトゥールのそれらのグラン・クリュの方が深みは有ると思うんですが、ミネラリティの存在があやふやな感じですから、むしろこちらで充分じゃないかと。
で、そのクロ・ド・ラ・ヴィーニュ・オ・サンの真下にあるのが村名の「レ・コンブ」です。そしてコルトンの丘の東南、1級もあるレ・シャイヨの真下がレ・モレです。

端正が赤黒果実が白っぽい石灰的ミネラリティをたっぷり感じさせてくれる味わいの組成がします。
なので、すでに仕上がっている?・・ような、このバランスでもとても美味しく飲めてしまいました。
そもそもコルトンの赤ワインは、一部にケワイで官能的なアロマや味わいを見せる畑も有りますが、ルイ・ラトゥールがコルトンで頑張っていたせいでしょうか、結果的に綺麗で端正な味わいが一般的・・です。勿論、ピノ・ノワールですから、熟成しますとそれなりの官能さを見せるのは間違いは無い・・でも、一般的には「端正」な味わいだと思います。
こちらのアロース=コルトンも、そんな直線的とも思えるような、一途な果実な味わいを見せてくれます。お隣のペルナン=ヴェルジュレスとは大違い・・色もより濃く出ますし、むしろパワフルです。
エレガントでは有りますが、ペルナン=ヴェルジュレス(・レ・ブティエール等)と一緒にご紹介するとなると、その言葉は使い辛い・・(^^;; むしろ、
「ゴツゴツしていない綺麗系で中域がしっかり出たジュヴレ」
と言った方が近いんじゃないかと思います。
それにしても今回の入荷ロットのフランソワーズ・ジャニアールは「当たり!」でした。果実中心の見事にふっくらな味わいです。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【少し早いか?・・ル・コルトンのような細やかな果実が心地良い村名ワインです!】
この際だからハッキリ言ってしまいましょう。ちゃんとしておかないと判り辛いですしね。
2016年までのフランソワーズ・ジャニアールは、リーズナブルだしピュアで良いですが・・2017年以降のものとはハッキリ異なります。それはやはり出来の違い・・です。ミネラリティの多さ、その輝きは2017年以降のものが良いです。
なので、この2016年・・残念では有りますが、超お勧めにはなりません。お勧めにはなりますが・・(^^;;
コルトンのグラン・クリュ、ラ・ヴィーニュ・オ・サンの下部にあるラ・コンブと、同じくグラン・クリュのグレーヴから東に下がっていたところに有るレ・モレをブレンドした村名がこのワインです。
ラ・ヴィーニュ・オ・サンの鉄分をやや軽めにしたような飲みやすさが特徴かと思いますが、ラ・コンブの重さをレ・モレの軽みで調整しているような感じでしょうか。
非常にピュアで、ミネラリティも充分です・・が前述のように2017年以降がたまげるほど良いので、この2016年は霞んで見えてしまいます。2022年以降、熟してほぐれて来た頃、相当美味しくなっているかな・・と想像します。勿論ですが、お勧めしていない訳では無く、フランソワーズ・ジャニアールのピノを今すぐに飲むなら2017年ペルナン=ヴェルジュレスの方をお求めください。さらに勿論ですが、アロース=コルトンを是非に飲みたい方をお止めする訳でも有りません。何せフランソワーズ・ジャニアールのトップ・キュヴェですから。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【初のご紹介ですがリーズナブルなプライスながら高質さ、ピュアさの光る味わい!かなり良いです!】
「フランソワーズ・ジャニアール?・・似たようなお名前のドメーヌは沢山有るけど・・知らないなぁ・・」
と言うのがnoisy の最初の印象でした。かなりのドメーヌやメゾンのワインを飲んでいる noisy の記憶にも出て来ないですが、「ジャニアール」と付くお名前はアチコチに有ります(有りました)から、以前に飲んでいたとしてもドメーヌ継承などで名前が変わっていて「一致しない」だけなのかもしれません。
余り時間が無いので・・何しろこれからリアルワインガイドのテイスティングに出かけなければならない時間が迫っています。2月は本当に・・憂鬱な月です。自分の行動に、まずは優先順位を付け、しかも状況に寄り順次変更を迫られるんですね。
noisy としましては、自身のレベルにおいてでは有りますが生半可な判断でお客様にご紹介するのは苦手で、ある程度までだとはしても、ほぼ確実に「判断し説明できる」ところまで掴まないとご紹介出来ないんですね。
なので初めての造り手さんの場合は、出来る限りアイテムをテイスティングするようにし、
「なるほどね」
と言えるようになるまで、何とか結論を出しておくようにしています。
なので取り敢えずこのフランソワーズ・ジャニアールさんのワインは・・
「とってもフィネスさん的。バイヤーさんの感性が出ている選択」
ですし、
「非常にピュアで繊細。エキス系でしかも・・昨今ウケの良い、余分な酸化を余りさせないタイプ」
です。
なので、抜栓して飲み始めからどんどん美しいアロマが出て来て変化が楽しめ、しかもその抜栓後の酸化により適度な締まりや解放が有るので若い内から楽しめるスタイルです。
これが、エルヴァージュ中にかなりの酸素を供給してしまいますと(新樽などの使用率を高めたり色々・・)、若い時分にはアロマは良いんですが、テクスチュアが硬く、中々解放に向かわない・・味わいが締まったワインになってしまうんですね。昨今はこの系統は少なくなる傾向にあると思います。

ペルナン=ヴェルジュレスは、コルトンが近いですが、味わい的にはむしろジュヴレ=シャンベルタンですね。非常にピュアで、密度も濃度もしっかり有ります。
全く甘く無く、とてもドライですが集中しているので薄辛くなりません。どこか・・新樽要素を減らしたメオ=カミュゼっぽい感じがしますが・・関係有るんですかね。まぁ、フィネスさんの扱いですから、例えば葡萄やワインをフィス・エ・ペールに供給している・・なんてことも有るかもしれないと想像させるような、昨今のメオにも似た素晴らしいニュアンスでした。
ほんのりと妖艶さがただよってくるようなタイミングで、今飲んでも美味しいです。
左の写真はアロース=コルトンです。こちらもコルトンを算出しますんで、そっち系かな?・・と思いきや、むしろポマール的な大らかさ、ゆったりさを持つ、これまた非常にピュアで密度の高い味わいでした。プライス的にも村のクラス的にもペルナン=ヴェルジュレスより高いですが、ややソリッドで球体からアチコチに触手が出ているような感じのペルナンに比較し、丸さや柔らかさ、豊満さに果実のゆとりが感じられる美味しいピノ・ノワールでした。ペルナンが男性的だとするならこちらは女性的・・暖かな感じがします。かなり美味しいです。