
遊んでばかりで儲からない・・ま、仕方が無いですが、2014年のレギュラーラインのピノ・ネーロです。
同時にご案内の上級キュヴェのチリエージョほどの「しっかり感」と「複雑性」は無いんですが、レギュラーならではのスッキリ感と飲みやすさは感じていただけると思います。
なおこちらは先月、8月に再度テイスティングしましたので、ちゃんとコメント可能かと思います。
石灰がきっちりと感じられるミネラリティ豊かな味わいです。果実感のしっかりさはチリエージョには適いません。
落ち葉、キノコと言ったピノ系の熟成香が、何とも艶っぽさを感じさせてくれます。そこにベリー、僅かにチェリー。若い時分の果実の強さは無いですが、果実のフレーヴァーはちゃんとあり、滑らかなテクスチュアを感じつつノーズへの還流を感じていると・・むしろそのタイミングで若々しさもほんのりと戻ってくると言う、ちょっと不思議な感覚を感じます。
若さが有るのでグラスを振っていると・・熟成香はやや退き、少し若いベリー、チェリーが復活してくる感じ・・中々に面白い味わいです。エキス感も結構にしっかり、元々ドライだった味わいに旨味、甘みが載って来た感じです。

そうそう・・確か、リリース直後にも飲んでいるはずですが、その時は・・
「・・ん~・・何か物足りないなぁ・・」
などと思っていたはずで、
「まぁ・・2千円ちょっとのピノ・ネーロだから・・ご案内しても良いかな・・」
と言うような感じだったと思いますが、そのままにしてしまって今になっています。到着からほぼ5年半ほど、そして2014年ですから収穫年から9年も経ってしまいました。
一緒にご案内のチリエージョは2012年で、そちらはややファット、こちらはエレガントタイプになります。
まぁ・・お客様はこの位のワインですと、リリース直後にほとんど消費されてしまわれると思いますので、
「ある程度熟したワイン」
「しっかり熟したワイン」
「ピークを超えたワイン」
「死にかけのワイン」
「完全に沈黙したワイン」
を、余り経験されていないと思うんですね。
noisy 的には、若い段階で飲んでいただいた方がクレームが無いですから・・(^^;; その方が良い訳ですが、それでも上に書いた5つに若いワインを足した6つの状態を飲んで確認していただくと、またワインの世界が拡がるかと思います。
おそらくお客様の中には Noisy wine で、
「水のように真っ白になり、澱とその水のような液体がしっかり分かれた・・通称ホワイトアウト状態の赤ワイン」
を・・多分、千円で買われた方もいらっしゃるんじゃないかと思います。ホントに水のようになっちゃってました。それでも、
「ちゃんと香りと味がする!」
んですね・・ま、香りは弱いですが・・・。
その水のようなワインを美味しいと思われるかどうかは別として、その5つの状態でも若い時以上に、非常に素晴らしい美味しさを感じさせてくれることさえ有ると思っています・・でも激推しはしませんよ。
そんな意味ではこのワインは「ある程度熟成したワイン」です。是非トライしてみてください。