
実を言いますと、以前に2013年のこのワインを少し寝かせたものを2アイテム、ご案内させていただきました。
「粘土」バージョンと「石灰」バージョンでした。その違いも結構面白がっていただけまして・・リーズナブルながらも深みのある味わいのテロワール違いですね・・どうだったでしょうか。
で・・さらに実は、この2012年ものもその2013年ものが届いた時に一緒に入荷していまして・・。登録日が2018年1月になっていましたので、5年半以上も寝かせてしまっていました。カンティーナでも遅くリリースしただけ有って、ポテンシャルもしっかり感じました。
ですが、この3種類を一度にご案内することになりますと、
「・・絶対に出荷で混乱する・・」
のは歴然としていましたから・・何せ、外観はその3種類、全く同じなんですね。
「だから・・そんなことしないでよ・・」
と思うんですが、エチケッタ下部の小さな文字数個だけが異なる訳です。
なので粘土バージョンと石灰バージョンが届いた時にはシールを作って貼っていまして、この2012年ものは何も貼らないでおく・・と言うような対処をしたまま、5年以上も経過してしまったと言う訳ですね。

で、当然ながらこちらは2013年もので畑違いで2種類に分かれていたものが、2012年ものでは全て一緒になっているキュヴェです。
テイスティングしてからだいぶ経ちますので、その姿の多くは言えませんが、豊満さ、複雑性を多分に持ったバランスの良い味わいのピノ・ネーロでした。ちょうど良い感じに熟していると思います。斜めに走る涙も太く、イタリアのピノ・ノワールのふくよかな姿です。
その他詳細は・・飲んだ直後に書いている、同時期に届いた「粘土」「石灰」のバージョンのレヴューを下に貼り付けましたので、ご参考にされてください。価格も滅茶リーズナブル!・・適度に熟した自然派のピノ・ネロの熟成バージョンです。
以下は以前の・・
2013 カーゼ・リーヴァ・デル・チリエージョ(石灰7/15) アルベルト・アングイッソラ 750ML
2013 カーゼ・リーヴァ・デル・チリエージョ(粘土8/15) アルベルト・アングイッソラ 750ML
のレヴューです。
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【石灰土壌と粘土土壌のピノ・ネーロ!!こんなに違うとは・・!非常に美味しい・・もとい、面白いです!】
まぁ、「美味しい」じゃなくて「面白い」って言うご紹介の仕方もどうかとは思うんですけどね。ある種、人それぞれ好みは有れど、ある程度の人が美味しいと言ってくれるだろうことが前提のセレクションになっていますので、この際、
「面白いです!」
とご紹介することにしました。
中々このような比較はできないですよ。それにピノ・ネーロですからね・・。同じヴィンテージで同じ造り手が違う性質の畑で同じように造ったワインが、
「どのように違うか?」
は、非常に興味をそそるところかな・・と思うんですがいかがでしょうか。
ただ、
「美味しきゃ良いのさ・・」
と言う方には、
「2本比べなきゃ判らないでしょ?」
と言う点で、ネガティヴになってしまいますね。
で、どうですかね・・色を見ていただきましょうか。「石灰」と書いて有る方は、やや茶っぽく、ややよどんだ色合いで透明感は「粘土」の方に軍配が上がりそうですね。
ただ「粘土」の方が「ガラス系のミネラリティ」が多い・・とも言えるかもしれませんね。
で、飲んでみるとこれが滅茶違うんですよ。でもこの際、一旦「ピノ・ネーロ」は置いておきましょう。

「石灰」の方は、我々が慣れ親しんだ「ピノ・ノワール」をどこかに感じることが出来る、愛らしい仕上がりです。キーワードは
「白っぽい色」
かな・・と思います。石灰って・・白っぽかったり、灰色っぽかったりすると思いますが・・違うかな・・。でも色彩からもそれが見え、ベリーやチェリーがエレガントに感じられる味わいで、やはりブルゴーニュワインよりは太いボディですね。それでもエレガントだと感じられるかと思います。
一方の粘土ですが・・これ、切り分けが非常に難しいんですけど、「粘土」+ 「ガラス系」だと思うんですね。上にご紹介させていただいた「石灰」は、「石灰」+「粘土」だと思うんですよ。調査した訳じゃ無いので判りませんが、そんなニュアンスです。
ですんで、一応そんな切り分けをすると、味わいの違いも納得できるかと思いますが、
「こちらの粘土はまるでメルロ的な味わい」
です。
おそらくまったくのブラインドで飲んだら「メルロ」と言ってしまいそうです。丸みや大きさをある程度感じられる赤い果実に、少しワイルドなアロマ、ほんのりと粘性・・ですが、酸の襞が感じられるようなニュアンスです。上記の「石灰」には無い部分で、「石灰」にはその代わり、「伸びやかさ」が感じられました。
言ってみれば「粘土」の方はボルドー的で、「石灰」の方はブルゴーニュ的な味わいかと・・思います。
いや・・これは比べて飲んでみないと・・判らないですよね。でも一度飲まれてみると、noisy の言っている意味が判るかと思います。
とても面白い・・いや、美味しいピノ・ネーロです。ぜひ比較されてみてください!お勧めです!