
昔は色々と遊ぶことも可能でして、それこそ先だっての2014、2016年のアンリ・グージュのご紹介のように、ある程度良い状態にしてからご案内する・・とか、ブローカーのリストから熟して美味しそうなタイミングじゃないかな?・・と思えると仕入れてチェックしてご案内・・みたいなことをやっていました。
今ほどインポーターさんも我々も・・ガツガツしてはいなかった・・と言いますか、若干なりとも猶予と言うか余白と言うか余裕?・・みたいなものも持っていたかと思うんですね。
まぁ・・ワイン屋さんも今ほどは多く無く、隙間産業だとしても自身の道を行こうとしていた訳ですが、インポーターさんも多くなって競争が激しくなったことも有るかと思いますが、今は何にせよ結構にシビアな感じになっていると感じます。商売ですから利益を得に行くのは当然ですが、自身の利益だけを追求して行くのなら、いずれ破綻してしまうだろうと思っています。要は・・バランスかなと・・。
お客様に面白い提案が出来ないとなると自身のモチベーションも下がりますし当然ながら販売量も減るでしょう。現状は、
「今まで普通に来ていた品物が入って来なくなる・・来ても少ない」
のも有りますが、想定していた数が入らず、1本とか2本とか・・時にゼロ回答も有り..みたいなことも多くなりましたので、ニッチな路線でしかも「遊び」を入れて行くとなりますと、それこそ利益も取れないで・・と言う感じになってしまいますから、そのまま続けるのも厳しくなってしまいます。

このアングイッソラのワインは数は12本ずつ入荷したんですが、リリース直後は今ひとつだったのでお蔵入りさせていたワインです。そうは言ってもこのカーゼ・ビアンコだけはそこそこに飲めた訳ですが、他のキュヴェが今ひとつだったと言うのも有ります。
で、しばらく置いていたら・・
「・・めっちゃ旨くなったじゃないですか!」
ちょっとビオっぽい感じだったアロマはしっとり落ち着き、オレンジワイン(漬け込み系)としてほぼ・・
「完成形!」
と言って良い感じに仕上がっています。
「オレンジワインと言ってるのに、柑橘のオレンジのフレーヴァーはほぼ無い」
のが定番のオレンジワインでしょうが、ここまで熟成させますと・・良いですね~・・柑橘のフレーヴァーはまさにオレンジ。マンダリンとか・・その辺のフレーヴァーが有ります。漬け込みで生まれた全房?+タンニン由来の「渋み」も丸くなり、リアルな果実を彷彿させます。5年は置いているはずですが、ほんのりと・・
「ガス」
を感じます。個体差の可能性は有りますが、再発酵して生成されたようなフレーヴァーは無いので大丈夫でしょう。
適度に膨らみ、余韻も非常に美しく適度な「味幅」を感じさせながらの収束です。
まぁ・・この頃はめっちゃ安いですから・・でもおそらく最低でも2本位は開けてしまっているので、利益は出たとしても非常に少ないのが残念です・・(T.T
色彩も照りが有って・・まさにマンダリンオレンジ的で良いでしょう?飲んでみてください。リーズナブルなワインでも、面白い遊びは出来るものです。お勧めします!