
まぁ、「美味しい」じゃなくて「面白い」って言うご紹介の仕方もどうかとは思うんですけどね。ある種、人それぞれ好みは有れど、ある程度の人が美味しいと言ってくれるだろうことが前提のセレクションになっていますので、この際、
「面白いです!」
とご紹介することにしました。
中々このような比較はできないですよ。それにピノ・ネーロですからね・・。同じヴィンテージで同じ造り手が違う性質の畑で同じように造ったワインが、
「どのように違うか?」
は、非常に興味をそそるところかな・・と思うんですがいかがでしょうか。
ただ、
「美味しきゃ良いのさ・・」
と言う方には、
「2本比べなきゃ判らないでしょ?」
と言う点で、ネガティヴになってしまいますね。
で、どうですかね・・色を見ていただきましょうか。「石灰」と書いて有る方は、やや茶っぽく、ややよどんだ色合いで透明感は「粘土」の方に軍配が上がりそうですね。
ただ「粘土」の方が「ガラス系のミネラリティ」が多い・・とも言えるかもしれませんね。
で、飲んでみるとこれが滅茶違うんですよ。でもこの際、一旦「ピノ・ネーロ」は置いておきましょう。

「石灰」の方は、我々が慣れ親しんだ「ピノ・ノワール」をどこかに感じることが出来る、愛らしい仕上がりです。キーワードは
「白っぽい色」
かな・・と思います。石灰って・・白っぽかったり、灰色っぽかったりすると思いますが・・違うかな・・。でも色彩からもそれが見え、ベリーやチェリーがエレガントに感じられる味わいで、やはりブルゴーニュワインよりは太いボディですね。それでもエレガントだと感じられるかと思います。
一方の粘土ですが・・これ、切り分けが非常に難しいんですけど、「粘土」+ 「ガラス系」だと思うんですね。上にご紹介させていただいた「石灰」は、「石灰」+「粘土」だと思うんですよ。調査した訳じゃ無いので判りませんが、そんなニュアンスです。
ですんで、一応そんな切り分けをすると、味わいの違いも納得できるかと思いますが、
「こちらの粘土はまるでメルロ的な味わい」
です。
おそらくまったくのブラインドで飲んだら「メルロ」と言ってしまいそうです。丸みや大きさをある程度感じられる赤い果実に、少しワイルドなアロマ、ほんのりと粘性・・ですが、酸の襞が感じられるようなニュアンスです。上記の「石灰」には無い部分で、「石灰」にはその代わり、「伸びやかさ」が感じられました。
言ってみれば「粘土」の方はボルドー的で、「石灰」の方はブルゴーニュ的な味わいかと・・思います。
いや・・これは比べて飲んでみないと・・判らないですよね。でも一度飲まれてみると、noisy の言っている意味が判るかと思います。
とても面白い・・いや、美味しいピノ・ネーロです。ぜひ比較されてみてください!お勧めです!