【トーマ・モレの2022年シャルドネは素晴らしい出来!まさに王道のブルゴーニュ・シャルドネの味わいにナチュラルなアプローチ由来のふんわり感と伸びやかさが特徴。今でもめちゃ楽しめます!】

素晴らしかった2021年ものをしっかり上書きして来た2022年もののトーマ・モレのA.C.ブルです。
2021年ものは涼やかな中にもしっかりとした果実の風味、エキスの充実した味わいが有り、
「2021年はけっしてオフでは無い!」
と、飲む者に強い印象を与えたと思います。
2022年ものは、ある種の「完璧さ」を感じさせる見事な出来栄えで、ポイント付けをするならば2021年ものを上回ることは間違い在りません。ただし、ジャスパー・モリスさんは2022年ものの一連のトーマ・モレのキュヴェに対し、非常に高い評価をしていますが、A.C.ブルに関しては例のごとく「87 Points」・・だったか・・まるで見る気を感じさせない評点でしたので、彼のこのワインに対する評点は敢えて載せていません。
この2022年ものA.C.ブルですが、総合評価で2021年ものを上回るのは間違いなく、2021年ものの・・どこかシャサーニュっぽいニュアンス・・いや、シャサーニュ村のA.C.ブルの畑がほとんどであることは間違いないとしても、涼やかでややリッチでゴージャス感さえ有った味わいから、
「むしろムルソー的なハードなミネラリティを加えたかのような、さらに本格的なブルゴーニュ・シャルドネの姿!」
になっているのが印象的です。
とは言え、ムルソー風のニュアンスも、ムルソーバリバリな姿と言うのではなく、あの硬さが特徴のムルソー中央西の畑のニュアンスを30~40%ほど含んでいる感じで、そこにシャサーニュ3~4割、ピュリニー2~3割と言うようなバランスに思います。

甘く無く、ドライですが果実感もしっかり、柑橘のフルーツを感じさせてくれます。中盤以降には、ビターな味わいを含んだ拡がりの大きいパレットを感じさせつつ、やや粘り、蜜っぽさもほんのりと感じさせながら、ややグラマラスに膨らみつつ、口蓋、舌の感覚器官を優しく刺激、膨張しながらマッタリとした長い余韻で消えて行きます。
存在感のあるボリューミーな味わいですが、野暮ったく無く、またこれ見よがしな部分も無く、しっとりとしています。
まぁ・・noisyですと、87点とかと言う評点は全く脳裏にも浮かびもしない見事な出来栄えに感じますし、
「これぞブルゴーニュ・シャルドネ、コート・ド・ボーヌのシャルドネの醍醐味だろう!」
と言いたくなります。
2022年もののトーマ・モレのキュヴェは、今回3アイテムのテイスティングに留まりました。しかしテイスティング出来たどのキュヴェも、
「過去最高・・だろう!」
と言って間違いなく、そこから・・飲めなかったキュヴェを想像した場合にも、同様に相当素晴らしいだろうと思っています。
何せ、そのA.C.ブル87点のジャスパーさんは、ワンランク上の村名シャサーニュに「90~93 Points」としている位ですから・・その上値の93ポイントと87ポイントの差の大きさが、まったく理解不能・・なんですね。
2022年のトーマ・モレのA.C.ブル、今飲んで良し、5~8年寝かせても良しです。めっちゃ美味しいです!過去最高間違い無し!・・是非飲んでみてください。価格も頑張っています。どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【2021年トーマ・モレはA.C.ブルで充分!・・ブルゴーニュ・シャルドネの王道の美味しさを、感激を持って味わえるでしょう!】
はっきり言ってしまえば、2020年もののトーマ・モレのこのワインのコラムの文章と・・余りに「熱の入りよう」が違うのは・・隠しようがありませんので・・隠しません・・(^^;;
noisy的な意識を簡単に言うなら・・
「トーマ・モレがここまで出来るとは・・」
と・・ビックリしている訳です。
もう、何の文句も無いほど、ブルゴーニュ・シャルドネの王道の味わいです。ピュリニー的でもあり、シャサーニュ的でも・・あり、ブルゴーニュの高質シャルドネに必要不可欠とも言える緊張感さえ・・感じさせてくれます。かと思えば、ゴージャスだよなぁ・・と思えるようなブリッブリの果実が有りつつも、決して雑な姿をさらけ出しもしません。
格的にはまったく村名並みの仕上がりでして、1級やグラン・クリュのように、キッチリ洗練されている訳では無い・・その表情が幾分おおらかである・・と言うだけです。
いや・・これが毎年出来るなら、トーマ・モレはトップ・スターになったと言えるほどなのですが、2021年と言う収穫量がどうにもならなかったヴィンテージが、葡萄の実の一粒一粒を濃密にさせた・・もしくは、その余りの実の少なさに葡萄の樹自身の自己防衛本能が目覚め、その少ない実を異常に充実させたのかもしれません。

もしそうだとしますと、あの・・もはや時代の寵児となったユベール・ラミーが膨大な努力の元に行っている、
「超密植!」
と同様の効果を、ヴィンテージの特色と言う協力のもとに・・行ってしまったのかもしれません。
ですから、トーマ・モレがトップ・スターになったかどうかはまだ未定としか言うしかなく、ただ2022年と言うグレートイヤー予測の凄い年と、今年の2023年ヴィンテージがどうなるか判りませんが、この先2年の結果においては、そんな予想が当たるかもしれない事態になるかもしれません。
そもそもユベール・ラミーにしても、noisy としては素晴らしいワインを造るようになったし、この先もそのシャルドネワインの密度は上がって行くだろうから将来も楽しみ・・と言うことで、扱わせていただいていた訳でして、でも決して、100ポイントを連発するような凄いドメーヌになると思っていた訳じゃないんですね。
この2021年ヴィンテージの恩恵をトーマ・モレがこの先に生かせるかどうか・・占うためには、この「きっかけとなった2021年のトーマ・モレ」を知っておいて損は無いでしょう。
今飲んでも充分旨いです。リアルワインガイド第82号では、
「ドメーヌを訪問して以来、おそらく最高の仕上がり」
と編集長もそのようなことを書かれていますし、トーマ・モレ自身も、
「19年や16年は完熟感が有ってリッチだが、個人的には21年が上手く行ったと思っている」
との言葉で締めくくっています。
飲んでみるべきでしょう?・・素晴らしい仕上がりです。激!・・お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【旨いです!・・取り合えずトマ・モレを知るには良い1本!ブルゴーニュ・シャルドネの新機軸の一人でしょうか!】
色々有りましてしばらくやってなかったので・・でも、流石に見過ごせなくなって来たかなぁ・・と思って飲んでみたら・・滅茶美味しかった!
しかも、やはり最近の流れなんでしょう・・とてもしなやかで柔らか・・優しくてふんわり・・ミネラリティも「ガツン」と来るんじゃなくて、しっかり存在しているのに、
「それをそうは見せない」
つまり、ビオの流れに乗っている高貴なブルゴーニュ・シャルドネなんですね。
色合いも実に健全。美しいでしょう?・・
でもね・・結構に「自然派」してます。でも・・滅茶苦茶健全で健康的、高級シャルドネの深い味わいを持っていながら、余分な味わい・・例えば樽の要素ですね・・そのようなものは出来る限り排除しているように感じます。

そして、トマ・モレらしいのは・・
「フレッシュな・・ある種の爽快感のある高級シャルドネのフレーヴァー」
が、良く熟した果実の美味しさと共に存在していことです。
安易な言い方ですが、例えばシャンパーニュのコート・デ・ブランの高質なブラン・デ・ブランのアロマって、ある種独特で、凄く心地良いじゃないですか。
「あんな香りのようなアロマが出るブルゴーニュ・シャルドネって飲んだこと有ります?」 そうですね・・言ってみれば「ルーロ」かな・・(^^;; まぁ、全体のタッチはだいぶ違うんですが、アロマの種から言うと近いと思います。しかもルーロと違って柔らかで優しい・・それがトマ・モレの2020年のA.C.ブル!・・旨いです!是非飲んでみて下さい。超お勧めします!