【このダレ無い冷ややかささえ感じる豊かな果実と果実酸、そして瑞々しさ・・今までで一番かもしれません!・・見事に硬質さを感じさせてくれます。】

美味しいです。ローヌ南部の最も秀逸なアペラシオンであるシャトーヌッフ=デュ=パプで生産量もそれなりには多く有りますが、ヌッフの白ともなりますとこれがいきなり!・・減ってしまう訳でして、昔の統計ですと、
「シャトーヌッフの全生産量の5%でおよそ1000ケース」
と言う・・凄く少ない数量です。今現在どれほど生産されているのかは知りませんが、仮に1000ケースのままだと1万2千本しか無い訳です。これがかのシャトー・ラヤスになってしまいますと、
「今や数万円」
は当たり前の時代・・。
これほどまでに冷涼感を見せ、柑橘なフレーヴァーをダレ無く、酸を美しく伸びやかに見せてくれるのは・・そして、非情なほどにリーズナブルなのはヴュー・ドンジョン位なんじゃないかとさえ・・思えてしまいます。昨今はちょっと誰かが高い評価をすると、
「異常なほどの値上がりを見せる」
のは常ですよね?
それこそかのラヤスも、5~6年前までは普通に販売していました・・高くても2万円台?・・アイテムによりましてはずっと残ってました・・(^^;; それに、ラヤスが造るデ・トゥールのリーズナブルなワインに至っては、
「テイスティングしてご紹介しても残っているのが普通」
でして、
「如何に素晴らしいか?」
と一生懸命に説明しようとしている昔の noisy の足掻きが、今もホームページのどこかで見ることが出来るはずです。

ですが、ラヤスはラヤス、ヴュー・ドンジョンとは違います。ラヤスはもう・・どちらかと言いますと「完全主義者」と言う言葉が近いでしょうか。仕上がらないとリリースしないし、仕上がったものからリリースするのでヴィンテージ通りには出て来ない・・(^^ 訳ですよね。
ですがヴュー・ドンジョンは違いますよ。きっちりと順番に出て来ます。
2021年のこのワイン、2020年ものよりも・・noisy 的には上の評価をすると思います。より瑞々しく、冷ややかで、冷ややかで豊かな酸の美味しさを楽しむことが出来ます。
ワイン・スペクテイターは93ポイントと、2020年ものと同様の評価をしていますが、2021年ものはよりエレガントだと思うんですよね。やはり海外メディアとは、noisy 的感覚は異なりますから・・クレレットかな?・・と思いますが、非常に微細な表情とスパイス的なアロマが複雑性を出してくれていまして、味わいに花を添えている感じです。
素晴らしい出来だと思います。是非飲んでみてください。僅少の入荷です。
以下は以前のレヴューです。
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【感動もののリアルフルーツ!口入れから冷ややかに、決して崩れない、ダレない素晴らしい果実感が中盤以降に還って来ます!粒子同士がミネラリティに繋がれた見事なテクスチュア!もの凄い出来です!】
ル・ヴュー・ドンジョンのヌフ・ブラン、最高傑作間違い無し!です。凄い出来でした・・感動的な美味しさです!2019年の赤もべらぼうに旨いですが、この2020年のシャトーヌッフ・ブランはまず、
「感動的に冷ややか!」
です。
夏の河川の蒸留で、ネットに入れた白や黄色の果実を冷たく冷やして、食べごろに冷えたところを・・
「・・皮ごと行っちゃって!」
みたいなノリで「ガブリ」と噛んで、そのシャキっとした歯触りの・・「後からの、喉に流し込むまでの味わい」にソックリ・・いや、滅茶近似している感覚なんですね。
グラスをノーズに近付けると、何とも滑らかながらフレッシュな、やや色付いた果実のニュアンスが柔らかに、でもスピードを持って入って来ます。ミネラリティは果実の邪魔をすることなく一体感があり、とてもシームレスです。
ですので、口入れ直後からは冷ややかでややマッタリまろやかなブルゴーニュのシャルドネ風、中盤からは流し込もうとした液体からのリアルな柑橘を伴う果実感が、「ブリブリッ」と還って来るように感じられ、ノーズへと見事に抜けて行く様が滅茶品格高く、本当に見事なんです。
こんな「果実感」は・・ちょっと滅多にはお目に掛かれ無いと思いますよ。特にローヌのワインでこれほどまでにギュッと締まっていて、でも濡れていて、無駄に拡大して行かない果実感は、
「本当に久しぶり!」
です。

勿論ですが、外人レヴュワーさんたちが大好きな「滅茶豪奢な果実感」がマンモスほどに感じられる、「超絶にお高い」シャトーヌッフ・デュ・パプ・ブランは在るでしょう。
しかしながら、そのようなシャトーヌッフ・デュ・パプ・ブランでも、ブリッとはしていても・・徐々にダラっと甘さを含んだ感覚が一気に拡大して行ってしまいます。エキスとしての果実表現の質の高い部分が出てくる前に、甘い砂糖を舐めさせられているような感覚に陥ることさえあります。・・まぁ、ただしそのような感じだとしても、熟してくると大分変わってくるんですけどね。
その、エキス感からのリアルフルーツ表現が、この2020年のシャトーヌッフ・デュ・パプ・ブランは、超絶に素晴らしいです!ダレない、締まった、冷やかな柑橘&果実なんです。
面白いのは、海外メディアは揃って・・2019年や2018年ものを2020年ものより1ポイントほど高く評価しているんですよ。noisy は全く逆です。
「明らかに2020年ものの方が素晴らしい!」
です。
これ、是非とも飲んでみていただきたい!・・日本人のブルゴーニュ・シャルドネ好きは非常に多いですが、
「・・ローヌでしょう?・・ん~・・甘いしダレるし品格無いし・・」
と拒絶されるかもしれません。
でも、
「これほど冷ややかでピュアに美味しい、果実感が美しいワインは、他では適度に熟した高級シャルドネでしか味わえない!」
と言えます。
是非飲んでみて下さい!滅茶苦茶美味しいです!超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【美しい酸!・・そしてエレガントなクリーミーさに自然を感じさせる柔らかさと冷たさ・・シャトーヌッフ白を表わしている言葉とは思えないほどの言葉もちゃんと入って来ます!】
非常に少ないシャトーヌッフ・デュ・パプ・ブランです。2018年ものよりも価格は上がってしまいましたが、
「アドヴォケイトで2018年ものの90ポイントから93ポイントにジャンプアップ!」
しちゃってますので・・それも仕方が無いのかとも思います。
2017年ものまでは、どこかに酸の緩みに近いものが有ったと思うんですが、そもそもは南仏ローヌですからね・・そんな酸の暖かさも特徴の一つでは有る訳です。
しかしながら、あまり緩くなると「ダルい」感じになってしまう反面、切っ先の尖った感じの青い酸は論外としても、ブルゴーニュ的な酸にまで似せてしまったとしたら・・それもまた「やり過ぎ」なイメージになってしまいますよね?
あ・・これ、シャトーヌッフをブルゴーニュに、ブルゴーニュをシャトーヌッフに置き換えてみると良く判りますよ。やはり産地の特徴を感じられないとなると、飲み手はどこかで萎えてしまう部分が有るのかもしれません。
そんな意味でも、「ブルゴーニュ的な酸」にまでは行かないものの、南ローヌとしてはギリギリの酸の冷ややかさを表現できていまして、
「ちょうど良い・・!美味しい!」
と素直に思えるようなバランスなんですね。
そこに自然さの溢れるアロマにスパイシーさ、植生由来の緑、仄かなスパイスとグダグダに熟してなどいない・・白から黄色、そして僅かに赤い方向にも引っ張られた果実を美しく感じさせてくれます。
これは美味しい・・と素直に思えました。もっと「ファットで豊か」なシャトーヌッフの白はあるでしょう。でも、このバランスは・・例えばブル好きなら、好意を持ってしまうに違いないですよ。良い出来だと思います。2019年ものだからでしょうかね・・健康的で自然で・・何も文句も有りません。是非飲んでみて下さい。・・もう化けちゃったのかも?・・などとも思ってしまいました!
以下は以前のレヴューです。
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【ル・クラッスメン(旧)も三ツ星評価!希少なエレガント系シャトーヌッフ・デュ・パプ・ブランです!】‥入荷が少ないため以前のレヴューを掲載しています。
全生産量の5%しか存在しない、ある意味とても貴重なヴュー・ドンジョンのシャトーヌッフの白です。ルーサンヌとクレーレットが半々と言うセパージュです。少なすぎる性でしょうか、テイスター達の評価は見当たりませんでした。
全く甘さを残さない、完全発酵系ですから非常にドライですね。南ローヌの白ワインですから、ブルゴーニュのシャルドネのような低域から高域まで美しく伸びる酸・・・と言う訳には行きません。そのようなバランスでは無く、ブルゴーニュ的な酸バランスを暖かくし、やや穏やかに感じるのが普通です。
ですがこのヴュー・ドンジョンの白は、高域の酸が美しく伸びて行くニュアンスと、低域の重みを感じさせない・・大抵の南ローヌの白ワイン場合は、ここを出そうとすると鈍重な表現になってしまうことが多いです。時間を経るごとに少しずつ低域の押し出しは強まります。しかし鈍重になることは無いでしょう・・良い感じに仕上がっています。
2015年ものは noisy のテイスティング時には、「実」と言うよりも「花」のニュアンスが多かったですが、現在では均衡しているタイミングと思われ、そろそろ飲み始めて良いと思います。ほんのりスパイスとフィルムのようなニュアンスのミネラリティが
2016年ものはまだテイスティングしていません・・と言うか、これも6本しか無いため躊躇しているところです。昔のル・クラッスメンの三ツ星評価と言うのは、非常に評価されるべきものですので、
「2016年のヴュー・ドンジョンのシャトーヌッフの赤白は見逃せない・・」
と感じています。是非挑戦してみてください。軽やかに伸びて行く高域のアロマ!・・お勧めします。