
noisy には珍しい、クリュ・ブルジョワ・クラスのワインをご紹介します。しかも今回は熟成バージョンです。
もうワインショップとして生きていこうと思った頃から、余りに美味しく無いものが多いボルドーの安ワインはほぼ眼中に無く、2000円位までのボルドーワインは、
「これは行けるな・・」
と思ったもの以外は扱いませんでした。
何よりも酸が伸び伸びとしておらず、フレーヴァーも有るのか無いのか・・特にこのブルジョワ級以下はまともに思えるものが非常に少なかったです。
最もその頃のワインの輸入の状態は今ほど整備されておらず、赤道を超えるにも関わらず冷蔵コンテナを使うことは稀だったと思われますし、冷蔵コンテナ使用と言いつつも、実際は使用されていないか、一部使用に留まるか、使用していても使用していないのと同じ状態になってしまう運用でしか無かったとも言えます。
そんな中でも、ブルジョワ級やエクセプショネル級の中に光を放つものも有りまして、その一つが今回のベレール・ラ・グラーヴです。今回は「シャトー蔵出し」で届いておりまして、古酒ながらもピッカピカです。テイスティングしたのは1990年もの、28年もの古酒です。
まずは色合いを見て行きましょう。レンガ色が入ってきていますが、28年も経過したようには見えませんよね。フレーヴァーもしっかり生気が有り、ピュア感が結構に有ります。若いなぁ・・と言う感じはしませんが、まだまだ熟成する可能性も秘めていると言うニュアンスです。
ジロンド川の傍に有る格付けシャトーほどの深みは無いにせよ、良い感じに熟していることが伺われます。遅熟なカベルネ・ソーヴィニョンが多いですから、これが完全に熟すのにはもう少し時間が必要かな・・と言う印象で、花が咲いたようなフレーヴァーが出てくると完熟でしょう。まだそれに至っていないと言うのは少し驚きです。むしろ今回同時にご紹介のブティーユ、1985年ものは完熟してるんじゃないかと思われます。
艶めかしい熟したニュアンスと、とても健全な味わいが良かったです。5千円くらいなら合格でしょう。
因みにセラートラッカーの評価ですが、
1983年 90Points (Av.88.5Points) 12/25/2017(90Points)
1985年 83~90Points (Av.88.3Points)
1986年 84~94Points (Av.88.3Points) 12/24/2016(94Points)
1988年 91Points (only 1user)
1990年 85~92Points (Av.88.1Points) 3/18/2018(92Points)
と、中々のものになっていました。特に、1990年ものは今年の3月18日にレヴューされたもので92ポイント、
「シャトー・カントナック・ブラウンに似ている・・」
とコメントが有り、
「ん・・まぁ、そんな感じかな」
と同意できるものでした。92点は付け過ぎかも・・と思いますが、何せ30年近く経過していますと、
「個体差はそれなりに激しいはず・・」
ですので、批判されるものではありません。
また今回はマグナムの古酒も有ります。こちらはより「安全」ですので、古いボルドーを飲んでみたい方や、記念のヴィンテージが有る方には面白い存在かと思います。
なお、
「蔵出し古酒で外観も綺麗ですが、澱は有ります。」
ので、決して急いて飲まないようにお願いいたします。必ず澱下げを行い、注ぐ時も澱が立たないようにご注意くださいませ。ご検討ください。