【ユッタ・アンブロジッチのさらなる成長を感じさせる見事な味わい!・・ほんの僅かに甘みを感じさせますが豊満でキレの良い太く大きいワインです!】

結構な複雑性を持ちながら、それをひとつにまとめ上げた見事な感性を感じる味わいです。
他のキュヴェがほぼ甘みの無い、非常なほどのドライさなんですが、このワインのみ・・ほんの、ほんの僅かに甘みを感じさせます。
おそらく様々なキュヴェをブレンドして、早めに仕上がらせるために、完全発酵前のキュヴェをブレンドしたものと思います。そのために非常に飲みやすいんですが、セカンドプレスとは言え、質の高い葡萄を使用しているのでしょう・・その複雑感、セカンドプレス故の太さが、実に良い感じになっています。果実感もリアルに増大しているように思います。
他のキュヴェがリアルな酸をむき出しにしている分、相当飲みやすいと思われるんじゃないかと思いますよ。
そもそも30年ほど前には、noisy もアチコチの試飲会に出かけて行きました。各お国の商務省?・・みたいなところの主催のお取引相談会・・みたいなものだったり、エージェントさん主催のものも有りました。そんなところで・・ずいぶんとオーストリアのワインも飲ませていただいたんですね。
ですが・・ま~・・気に入るものに出会うことは・・残念ながら・・全く無かった!・・
何と言いますか・・砂糖?果糖?を水で薄めたようなものがほとんどでして、もっと言ってしまえばドイツワインをちょっと緩くしたような・・すみません。たまたま出会わなかったのかもしれませんし、余りに良いものに出会わないので、意識的に避けてしまうようになってしまっていたのかもしれません。

そんな時に・・このようなワインに出会っていたら、その後の展開もまた違ったのかもしれませんが、ドイツワインもお隣のオーストリアワインも、まだまだ甘口全盛の時代で、天候も今のような・・
「夏場は40度!」
みたいなことは有りませんでしたし、まだまだ・・年によっては葡萄の熟が足りずに糖分を添加する・・と言う手法に逃げていた時代でした。
基本はこのワインも、アンブロジッチの他のワイン同様に、張りの素晴らしい美しい酸に満ちた味わいです。繊細さと言う点では一歩下がりますが、よりパワーを感じさせる太い味わいに仕上がっています。
しかも1000MLも入っていますから、アンブロジッチの美味しさをたっぷり・・感じられます。飲んでみてください。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです
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【様々なキュヴェをブレンドした、普段飲み用のリッターワインです!決して初心者向きだとは言えませんけど!】
結局エージェントさんに良いように騙されて、日本に入って来た「ユッタ・アンブロジッチ」のキュヴェ全て、10本をも開ける羽目になったnoisy ですが、実際のところは非常に楽しい時間を過ごさせていただきました。
ピュアで自然で美味しい、まだ見ぬ世界へ足を踏み入れ、ひとつひとつ自身で確認出来ると言うのは醍醐味でも有ります。
しかしながらその世界が、素晴らしい世界なのか、どうしようもない世界なのかは体験してみないと判らない訳ですし、一歩、二歩、三歩と足を進めて行くうちに、
「・・や~めた。詰まらないから元の世界に戻ろう!」
と言うことだってあるんですね。今まで散々経験してきたように。
でも、ユッタのワインは、決してそうはさせませんでした。とても面白い、楽しい、美味しい世界だったんです。
この「アイン・リター・ヴィエン」は、そんなユッタのワインの「普段飲み用」のお得ワインです。様々なキュヴェの残りなどをブレンドして造られています。アルザスにも有りますよね。「エデルツヴィッカー」と呼ばれるワインです。
非常にお買い得ですので、お気軽にどうぞ・・・と言いたいところなんですが、noisyはへそ曲がりですから、そんなことは言いません。
これ、真の姿は結構なまでに難解なワインです。普通にドライで美味しいよ・・と言いたいんですが、それでは本当のことを言ったことにはならないかと思います。
そりゃぁそうです。甘みもへったくれも全く無い、ものの見事に超ドライな味筋です。酸のバランスは、ゲミシュター・サッツやら単一品種ものまで混ざっていますので、非常に複雑です。アロマは滅茶ピュア。時間とともに表情は変化し、
「あっちに行ったりそっちに行ったり」
します。
なので、余り神経質な方には向かないかもしれませんが、知恵の輪を得意としたり、物事を深く考える方、もしくはその正反対に、全く何も考えず、ただひたすらワインを飲まれる方・・に向くかなぁ・・と感じます。
だって・・正にその通りなんですよ。10アイテムのユッタのワインを飲みましたが、そのアイテム数に比例するほど多彩だし複雑性を持っていますんで・・。
リーズナブルで普通に旨いが、余り深く考えないこと!・・を求められるワインかもしれません。超ドライでオーストリア・バランス(前述か後述します)のリッターワイン、ご検討くださいませ。