
良いですね~・・このワイン!シャルドネ好きには溜まらない美味しさを多分に持っているワインです。
ご存じの通り、ムルソーのテート・デ・キュヴェと言えば、「ムルソー=ペリエール」で有ることは間違い無いでしょう。最もぺリエールと言っても幾つかのリューディが存在します。
ぺリエールの下部に有るのがレ・シャルム・ドゥスュ、北側に接するのがジュヌヴリエール、南側に接するのがピュリニーのシャン=カネと言うロケーションは覚えておいた方が良いかもしれません。
因みに「何とか・ドゥスュ」と言うのは「何とか+上の」と言う意味です。「何とか・ドゥスー」と言うのは「何とか・下の」と言う意味なので、レ・シャルム・ドゥスュの下に有るのは・・レ・シャルム・ドゥスーと言うリューディです。
「ん?・・じゃぁ、レ・ペリエールはどうなってるの?」
と言うような疑問も有りますよね。
まぁ、写真とか地図を見ていただくと判りやすいんですが、一般に「レ・ペリエール」と言っている場合には、「レ・ペリエール・ドゥスー」「レ・ペリエール・ドゥスュ」「オー・ペリエール」の総称です。「クロ・デ・ペリエール」は、「レ・ペリエール・ドゥスー」の中にクロで囲まれた部分が有り、そこの事を言います。
味わいの傾向としましては、一般的に上に行けば行くほど「乾いたニュアンス」や「厳しいミネラリティ」が強くなると思います。
で、下から「レ・ペリエール・ドゥスー」、「レ・ペリエール・ドゥスュ」と来まして、その上に「ド・ダヌ」と言う村名の区画が有ります。エージェントさんの説明では、このド・ダヌの葡萄で造られているのがこのワインだと言うことなんですが、noisy的には今一つ信じられないんですよね。だって、
「レ・ぺリエール・ドゥスーの北側の上にレ・ショーム・ド・ペリエールと言う区画が有る」
から・・です。
ここはしっかり1級のレ・ジュヌヴリエールと接していますし、レ・ペリエール・ドゥスーの斜め上に接していますので、この部分じゃないかな・・と思うんですね。
Googleさんの3D地図でグイグイしてみましたが、勾配もきつく、道は蛇のように曲がっています。クロが有ったり壊れていたりで凄い場所です。
「この場所だから・・こんな味わいがするんだ!」
と言うことが判るんですよね・・。最もそれは、レ・ぺリエールとレ・ジュヌヴリエールを飲んだことが有る人限定ですけど。
正にレ・ペリエールのコッテリとした部分を持ちつつ、しかしレ・ペリエールほどの深さは無い・・でもより硬いようなミネラリティと、レ・ジュヌヴリエール的な肌理の細やかな石灰的ミネラリティも持っている・・と言うようなニュアンスなんですよ。
ですんで、対してシャルドネに興味が無い人は、
「ルモワスネ・ルノメの方が美味しい!」
と感じられるかもしれないですね。
でもルモワスネのルノメには絶対に感じ得ない、レ・ペリエール的な大物感と高域の伸びの良さ、フィネスの感じられる蜜のニュアンスが有るんですね・・。黄色い果実の繊細なディテールもしっかり描かれていますから、
「ある程度シャルドネを飲みこんでいる方にとっては、途轍もなくリーズナブルで旨いシャルドネ!」
で有ることは間違い無いでしょう。
それに、そんなロケーションで生まれたワインで、勿論「村名格を名乗れる畑」のワインですから、非常に長寿で有り、完熟した時の素晴らしさはまた格別でしょう。
「秀逸なレ・ペリエールには到底及ばないが、並のレ・ペリエールには、このショーム・ド・ペリエールに及ばないものも沢山有る」
と言えます。
ピュアでマッタリ、ドライですがこのミネラリティたっぷりの粘性が何とも言えない甘みを生み出すんです。判りますよね!?
滅茶美味しいです。沢山は買えませんでしたが、是非とも飲んでみてください。2011年ものを飲まれた方ならご理解いただけるでしょう。旨いです!
以下は2011年のこのワインのレヴューです。
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【こりゃぁオモロイ!!】
ショーム・デ・ペリエールというのは実は区画名です。そう言う名前の畑が、ペリエールの北上部に存在しています。
そして、ド・ダヌと言う区画がペリエールの上部にあります。つまり、ド・ダヌの北の隣にショーム・ド・ペリエールが有りますので、エージェントさんの説明文は錯綜しているかと思います。
正確には、ド・ダヌはペリエール上部、ショーム・ド・ペリエールは、ペリエールに南部で接し、ジュヌヴリエールの上部に有ります。
結構いい加減では有りますが、基本、ショーム・ド・ペリエールとエチケットされているので、ほぼショーム・ド・ペリエールの葡萄・・もしかして、ド・ダヌが混ざっている・・と言うことかと思います。
そう考えてみるとこのワインは実に理解し易い味わいです。
ペリエール的な存在の大きな、蜜とか粘性と、ジュヌヴリエール的な肌理の細やかな大理石風なミネラル?、非常にドライながら、普通のムルソー村名のような非常に目の詰まった重いミネラリティはさほど無く、より軽やかさを持ったムルソー村名的な味わいです。
非常に鉱物的ですが、黄色い果実が中心、白い果実とやや色の濃い果実がトッピングされ、中域も適度な膨らみを持ち、美しく長めの余韻を感じさせてくれます。
本来なら、ムルソー村名としてのリリースが可能だったようですが、「盛り土をした」ことによって、他の生産者の反感を買ってしまったようですので、ACブルゴーニュとしてのリリースになっているようです。
村名ムルソーと言うにはやや軽さのあるミネラリティ、1級ムルソーと言うには、ペリエール、ジュヌヴリエールの要素は感じるものの、そこまでの大きさは無く、ACブルゴーニュとするなら・・・そんなもんじゃないだろう・・と言う感じです。
言うなれば、順1級クラスのナルヴォーのミネラリティをエレガントにしたようなニュアンスで、そこに少しオイリーさをトッピングしたと考えると・・そんな味わいだと想像し易いかと思います。
価格的に言っても実に手を出し易いところにあり、著名な1級畑のニュアンスを持っていることから、かなり楽しめるシャルドネになっています。こりゃぁ・・面白いぞ・・・と思われた方はワイン会などに持ち込まれると良いかと思います!是非ともご検討ください。お奨めです!