
お酒と言うのはワイン同様に非常に難物でして、まるで大手のビール会社さんが瓶や缶を詰めるラインが想像できてしまうのか、
「出来てすぐが美味しい!」
と思っていらっしゃる方がほとんどなんですね。
なので、
「日付、古いですね。もっと新しいの、無いですか?」
などと、おそらく全く何も理解していないなと思われる方が平然とそんな言葉を投げかけていらっしゃったりします。非常に・・めんどうです。そのくせ、思いつく限りの世の中でレアと言われている商品の名前を言って、
「無いんですか?」
などと宣われると、
「帰ってくれますか?」
と言いたくなります。
このお酒は2018年の6月の製造年月日がラベルに打たれた純米大吟醸酒です。製造用アルコールや糖類を使用せず、また、「生」では無くて、出荷時にも火を入れた(瓶に入れてから火入れ)お酒です。
雪女神と言う品種は知らなかったので、さっそく飲んでみました。あ、日付が古い・・とか言わないでくださいね。わざとそのようにしてるんですから・・。意味が判らない方は買わないでください。
しっかり出来てました。さすが、出羽桜さんです。しかし・・
「硬って~~!」
そう・・ワインもタイミングで締まってしまって、何も出て来ないような時期が有るように、実はお酒もそうなんですね。特に火入れ直後は・・見事に硬くなってしまいます。
「・・この状態じゃぁ・・さすがにご紹介は出来ないなぁ・・」
と言うことで、今まで販売せず、冷蔵庫にて保管していました。あ、そうそう・・その冷蔵庫の屋根が、昨年の9月に台風で飛んでしまいまして、保険も降りないし、仮に降りたとしても屋根が出来るまでには時間が掛かります。なので、突貫工事で・・雨も降る、風も吹く中、3日で屋根を造りました。本当はもう少しちゃんと仕上げないといけないんですが・・時間が無い!・・なので途中で放ってしまっています。
で、昨年の暮れにもう一度・・テイスティングをしてみますと・・だいぶ仕上がってましたね~。これなら勘違いされないで済むでしょう・・と言うことで、ようやくご紹介です。
お酒はやや芳醇な方に振った感じの仕上がりです。香りも太く、しっかり有りますが、香り吟醸タイプでは無いですね。味吟醸タイプです。芳醇では有りますが、出羽桜さんの多くのお酒同様に、甘さはほぼ有りません。酸が芳醇さを出しています。キレも良いですね。たっぷりと味わいを出しつつ切れ上がります。本格派のお酒・・と言うところでしょう。出羽桜らしい雑味の少ない太い味わいでは有りますが、むしろ「桜花」には似てないかな?・・あれはエレガント系ですから・・。
もし桜花が出羽桜のイメージだとしますと、結構かけ離れているかな・・と思います。四季桜さんにも近いかもしれません。是非一度飲んでみてください。