【矢野園さんの真骨頂ルメルシマンのブラン2021年は、進歩の新たな段階を迎えた!・・大町平新郷の畑と言うテロワールの味わいをしっかり表現していると感じます!美しいです!】

密度が備わって来た2021年のルメルシマン・ブランです。矢野さんもそのあたりは勿論・・判っていらっしゃるのでしょう。このワインの名前もその進歩を感じさせるように変更され、
「グラン・ブラン」
と・・「 Grand 」 の文字が小さいながらもエチケットに踊ります。
少なくとも6種類・・それ以上でしょうね・・収穫時期の異なるブドウをセパージュしたグラン・ブラン2021年は、明らかに2020年を凌ぐ見事な仕上がりでした。
このように、毎年テイスティングさせていただいグラスの写真を並べてみてみますと・・一目瞭然ではあります。でも2020年ものと2021年ものは、もしかしたら・・そんなに大きく異なっているようには見えないかもしれません。
しかしながら良~~~く、見てみると、集中力が増しているのが判るんじゃないかと思うんですね。
で、やはり特徴的なのは、「美しくも大きなバランスを見せる果実酸」だと思うんですね。
どうしてもフレーヴァーを出したい・・と無理をすれば、ワインに必要な・・いや、フレーヴァーこそ酸有っての物種なんですが、その「酸」を失ってしまいかねない結果を生んでしまいます。
ですがルメルシマン・ブラン2021年は本当に見事!・・これほどの美しく豊かな酸を持つ日本のワインは限られてくるはずです。

ほんのりとしたガスを内包した状態です。「ぴちっ・・ぴちっ・・」位でしょうか。熟したリンゴ、洋ナシ、アンズ・・などのプレーヴァーに、白っぽい石灰系のミネラリティが混じります。やはりわずかに重みを持ったナトリウムっぽい・・半透明なミネラリティも充実しています。中域も適度に膨れてくれ、時間の経過・・品温の上昇に連れ、少しずつ少しずつ・・解れて来てくれます。
しかしながら、2020年までのルメルシマン・ブランとは、そのスピードが異なるかな・・と思います。以前はもう少し「早いスピードで」変化してくれた訳です。2021年ものは充実していますから、「崩壊のスピード」が遅いわけですね。
あ、「崩壊」などと言うあまり良くないような言葉を使用しているように思われるかもしれませんが、決して悪い意味ではありません。形あるものはいつか必ず崩壊するわけで、ワインの楽しみは、ある種・・「崩壊の姿を見つめ、感じること」じゃないかと思っていますので、そんな言葉を時折使っています。ご容赦ください。
ほんのりとわずかにマッタリ、わずかにネットリさも有ります。非常にピュアながら、ビオ系の生産者にも通じるナチュールな感じも持っていますが、全く危うさを感じさせない見事な仕上がりです。
たった892本だけ造られた「ドメーヌものの」フェルム36 の白です。ん~・・たったそれだけの生産量でやって行けるんだろうかと、ちょっと心配になってしまいます。
今年こそは何とか矢野さんに会いに行こうと、胸の内で計画を立てていたんですが・・そう、5月頃の話です。まぁ、行動制限が無くなって、もし!・・それでも新規感染者が増えないようであれば、
「ん~・・北本あたりで圏央道に乗って関越に出て藤岡ジャンクションから上信越・・長野道に出るか、首都高で中央高速をまっすぐ行くか・・4時間見れば行けるか・・」
などと考えていたんですが、案の定・・物凄い感染者数になってしまいまして、「おじゃん」するしか無くなりました。ワイン屋の友人も罹ってますし・・もう、国民の10%以上が罹患しているんじゃないかと・・。
そんな中で、この、
「とても楽しめる品質の高い日本のワイン」
を、ちょっと色々想像しながら、さらにおいしく飲んでみて欲しい・・と思います!超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
-----
【2020年ものは「気品あるドライなマルチセパージュの白!しかも同じセパージュで2種類!」・・So2を微量添加したキュヴェと、ボトリング時にSo2を添加していない「BTL-SS」のキュヴェです!】

上から、「BTL-SS」、中が同じく「BTL-SS」、一番下が通常のキュヴェです。
通常のキュヴェとは言っても、瓶詰時に総亜硫酸量が10ppm のみの添加ですので・・10ppm = 0.001ppc = 0.001% の濃度・・とても少ないと思います。
事実、「BTL-SS」のキュヴェと比較しましても、僅かにBTL-SSの方がソフトなテクスチュアかな?・・位の違いでした。
なお、この「BTL-SS」の文字が非常に小さいので・・2枚目の写真の緑の部分に小さく「BTL-SS」と入っているだけなので、見分けるために、
「ボトルの裏に Sans Nature と書いた紙を貼りました」
のでご了承くださいませ。
ただし、! ご注意ください。シールはそのように書いて貼ってありますが、
「あくまでも、ボトリング時に亜硫酸無添加!」で有って、亜硫酸不使用と説明を受けた訳では有りません。その辺は必ずやご了承くださいませ。便宜上、そのようにしたと言うことでお願いいたします。

で、2020年のルメルシマンですが、今までで一番、ドライに仕上がったんじゃないかと思うんですね。黄色味がやや強めな美しい色彩、瑞々しく、非常にピュアで、そこはかとなくナチュラルさが漂う感じ・・。ふんわりと柔らかなニュアンスのアロマには、結構に硬い感じのミネラリティが感じられます。
少し粘性が有り、それを僅かなガスが中和している感じでも有りますし、そのガスの存在がまた、このワインをよりドライに感じさせてくれるようなニュアンスです。
ボディは中盤で中程度、今はちょっとゲヴェやグリが頑張っていて、他のが居眠り中?・・みたいなノーズへの還りが感じられ、そこからキュッと締まって瑞々しさを振りまき消えて行く・・そんな感じです。
2019年ものはこれよりも僅かに甘みが有り、その甘味がまた良い演出をしてくれていましたが、2020年ものはさらにドライですから、酸の美味しさを確認しながら味わっていく感じでしょうか。果実感はこれより先、涼しくなって来た頃にさらに膨らんで美味しくなってくると思います。今はちょっと、メインセパージュのシャルドネとソーヴィニョン・ブランが大人しい感じです。

それにしても矢野さん、やりますよね・・。2020年ものは「気品あるドライなマルチセパージュの白!」と言わせていただいちゃおうと思います。
そして、ノーマルとBTL-SSとの差は僅かだと感じます。前にも書きましたが「幾分BTL-SSが柔らかく優しい感じ」では有ります。
あ、そうそう・・底の方には、
「僅かな澱」
が溜まると思いますが、
「澱の部分が滅茶美味しい!」
です。
重い成分は沈殿して行きますので、底の方が甘み等が多く、エネルギッシュなんですね。なので、
「最後は澱を漉くようにして楽しむ」
か、お行儀は悪いですが・・それに失敗したらどうなるか、やってないので判りませんが、ビオファンにはお馴染みの「シェイク」をしてみるのも一興かもしれません。あ、責任は取れませんので自己責任でお願いします。ご検討くださいませ!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
-----
【オイリーさ、蜜のニュアンス、熟したフルーツが見事なブレンデッド・ホワイト・ワインです!】
いや~・・見事な色合いですね~・・まさに、そこから想像される通りの、そして「無垢」な味わいを感じさせてくれる見事な「白」でした!これは美味しい!
昨年の、二年目のルメルシマン白とも、全く異なる味筋です。ヴィンテージの背景を感じますね。温暖さの在る、でも葡萄は非常に良く熟したことが伺えます。
蜜っぽい見事な熟由来のアロマと味わいがします。スルスルッと入ってくる感じがまた良いですね。岩石由来の土壌・・大陸型では無い、日本の土地独特の味わいを上手に表現されていると感じます。
ワイン自体の出来が非常に良いので、ややをしますと、葡萄がまだ若いことを忘れてしまいますが・・まだまだ始まったばかりなんですよね。これはちょっと・・末恐ろしい感じがします。
申し訳ありませんが、こちらも1000本ほどしか生産されていません。Noisy wine にも少量の入荷ですので、お一人様1本限定にて・・また、これのみでは赤字になってしまいますので、他の生産者さんのワインと一緒にご購入をご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
-----
【二年目のルメルシマンです!・・大町の葡萄の生命、エナジーを感じる見事な味わいです!】
いいですね~・・。葡萄に力を感じます。色合いも色々な葡萄を混醸しているのが判る、
「そのような色」
をしています。ピノ・ノワールも8.5%、グリも7.6%ほど入っているようですので、その影響のある、ただ白く透き通った色合いでも、樽の色を溶け込ませたような色でも有りません。淡く複雑に色付いている感じです。
ファーストノーズはふっくらとした感じのイメージ、まだハッキリとしたものにはなっておらず成長中、もう少し休ませたいと言う感じです。味わいは、日本のワインには多いタイプの、「焦点がハッキリしない」ものでは無く、中心からふっくらと厚みのある円を感じさせてくれます。中域もしっかり膨らみ、そこから余韻に掛けて複雑かつ繊細な旨味とノーズに戻ってくる香りが非常に心地良いです。
2018年も非常に良いですね。ワインを判っていらっしゃる方が醸造している感じがします。葡萄が成長し、畑に自生する菌が安定してきたら是非自然酵母で仕込んでいただけるとナチュラル感がアップするかと思います。
まぁ、そんな勝手なことを言ってはいますが、実はそれは簡単そうでいて非常に難しいことです。昔から葡萄を造っていた土地では無いでしょうし、様々な環境は時間を掛けて育って来ます。
虫も、鳥も、猪とか鹿とかの動物も、そして土も岩も水も太陽も空気も、さらには人間でさえも、そんな菌類・・菌と言うと変に聞こえるかもしれませんが、酵母などの菌類もそんな循環的な環境で育ちます。
2018年ものは1111本のみ、造れたそうです。noisy もテイスティングさせていただきましたんで、すでに1並びの残数では有りません。
また、日本の古来の酒類の流通による価格付けがされているので、非常にマージンが低いです。1本で発送しますと完全に赤字です。なので、誠に申し訳ありませんが、同額以上、他のアイテムをお買い上げいただくことが条件になります。ご容赦ください。
それに是非、フェルム36さんのブログもご覧ください。言葉は少ないですが、豊かな自然が育む様々な写真が美しいです。ご検討くださいませ。
北アルプス山麓農場 矢野園 以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【うおっ!・・これは・・!】
何しろ入荷数は6本です・・。年間20ケースの仕入れを予定させていただきましたが、それは何と2017年ものの全生産量を超える数字でした・・。
「初年度は余りお渡しできませんですみません・・」
と矢野さんから言われてましたが、ここまで少ないとは思ってもいませんでした。
しかし・・飲んでみて判りましたよ。
「葡萄の樹は若いが葡萄のポテンシャルは一般の日本のワインのものとは桁が違う」
これは飲まれた方はすぐにご理解いただけるんじゃないかと思います。
今回の2017年ものに関しましては、味わいがどうこう・・言うつもりは有りません。勿論、美味しいですよ。ポテンシャルもたっぷりです。通常の日本のワインに慣れた方なら、
「・・ほ~!・・しっかりしてる!」
と感じられると思います。
ただしそんな生産量ですので、煽りになるのを避けたいと思っています。なので、
「純粋にワインを愛し勉強したいと思っていらっしゃる方」
「矢野さんのワインを応援する気持ちの有る方」
にお分けさせていただきたいと思っています。
ひとつ、ふたつ・・これを言っておきたいと思うことが有ります。
ひとつは、この時のテイスティングはミシェル・ニーロンの2014年ブルゴーニュ・ブランを先に飲み、続いてこのルメルシマンを飲み、またニーロンに戻っています。
「ルメルシマン、しっかり付いて行けてるんです!」
これって・・凄いことだと思います。色々有りますよ・・収穫できたすべての葡萄を一緒に仕込んだ混醸の件とか、醸造された小西さんのこととか・・でも、それで充分じゃないでしょうか。後は幸運にも購入できた方の感性にお任せしようと思います。
また、二つ目として・・
「飲まれる温度に気を付けてください。」 とお願いしたいと思います。
非常にドライで甘みは有りません。酸の美味しさが光ります。・・が、
「冷やし過ぎると正当な評価が出来ない」ことは間違いありませんので、暑いからと言って冷蔵庫でキンキンに冷やして飲まれるような飲み方は禁物です。
むしろ、高級シャルドネのように、15度ほどで飲まれてください。もしくはもっと高くても良いですよ。ピノ・ノワール並みの16度~17度でも良い・・と言うか、その位で飲んでいただきたい位です。
これからの日本のワイン・・楽しみになってきました。培養酵母では有りますが酸の構成が貧弱な緩いワインでは有りません。
あ、あと一つお願いが有ります。興味があるけど中々買えないからと言って、矢野さんに迷惑を掛けないよう・・お願いいたします。少しずつ販売量も増えて行くと思います。申し訳ありませんがそれまでお待ちくださいませ。
また、このワインに関しましては一切値引きしておりません。マージン率が非常に低いんですね。なので新着の謳い文句とは異なりますし、条件を付けさせていただきましたが、なにとぞご了承いただけますようお願いいたします。