【2023年ものの「山のヴァンせ ペティアン」はナチュラルでしなやか、泡も優しい・・しなやかでスイっと飲める極上の日本ワイン風の仕上がりです!】

良いですね・・やはりセンスが良いと感じます。
色彩も黄色がはっきり、強目に出ていて、美しいです。
泡は・・2023年ものは「穏やか」です。いつものように「ボトルを斜めにしてワインと空気の接触面を拡げて」抜栓すれば、少しだけ「シューッ」と言わせただけでOKだと思います。ただしボトル差がある可能性が無きにしも非ずだと思いますので、かならずシンクの上で、誰もいない方向に向けて抜いてくださいね。
見た目の泡、グラスに注いだ時には「さっ」と引けてしまい、2022年もののような泡の盛り上がりは出来ないと思いますが、
「口内に流しいれた時には結構にジワジワと細かい泡を感じる」
そんなレベルです。
パフォ-マンスは「先調子」でしょうか。口内に入って来た時には「ふっくら」としたニュアンス、そもそも黄色や白、ほんのり緑の果実が香っていますが、それと相まって盛り上がって感じられます。
そして中盤は膨らんだまま・・そこから大きくは盛り上がらず、しかし余韻に向けて静かで冷ややかでピュア、ナチュラルな味わいを徐々に減少させつつ消えて行きます。

口入時のインパクトは日本ワイン風と言うよりは、海外産のワインなどに感じられるハッキリとした果実のニュアンスが盛り上がりますが、中盤以降は日本ワイン風の静かで強く無い、しっとりとした振る舞いです。
ですので飲みやすく・・スイスイと入ってしまうのが・・むしろ玉に瑕?・・これだとちょっと飲み過ぎてしまうかもしれません。
ですが・・So2 の量は物凄く少ないと感じます。飲み終えた時の「軽さ」は素晴らしく、
「・あぁ・・ちょっと飲んじゃったかな~・・」
みたいな罪悪感が無いんですよね。当然ですが酔いは軽く、頭も痛くなることはまず無いでしょう。使用したSo2も、生成されてしまったSo2も多く無いと思います。
まぁ・・購入された葡萄で仕込んでいらっしゃいますが、そもそもの糖度もそこそこに有るかと・・日本のワインの場合、葡萄の糖度が海外産ほどまでは上がらない場合がほとんどですから、シャプタリザスィヨン(糖分添加)をしなければ比較的低アルコールに仕上がる訳です。
そのようなことは矢野さん、一切されないので、
「澱まで注いでも滅茶美味しい!」
です。ぜひ飲んでみてください。年に一度のペティアンです!
以下は以前のレヴューです。
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【こんなに上質で美味いシャルドネ・ペティアンは海外産でも中々出会えません!・・しっとりと落ち着いた・・でもめちゃ自然なナチュール感!弾ける果実の美味しさ!素晴らしいです!】

2022年はシャルドネ100%です。昨年はロゼでしたね・・。ちょっとビックリするほど質感が高く、滅茶旨いので・・これは飲んでしまうなぁ・・。
まずは色彩・・凄い透明感ですよね?・・1枚目の泡の下の色を是非ご覧ください。黄色が光って見えると思いますが、照りと言うか反射?・・深度感?・・透明感が凄い・・濃い黄色です。昨年やその前の写真を見ていただきますと、やや濁りが有ってぼやけていて、「深度感」みたいなものは感じませんが、2022年ものは以前同様にフィルターもコラージュもしていませんが、この透き通った凄い絵を見せてくれています。
そして泡です。見かけ上は決して細やかではなく、粒も揃っていませんし、比較的早く引けて行きます。
ですが2枚目の写真をご覧いただきますと・・この写真は1枚目を撮ってからかなり時間が経過していますが、グラスの縁にはまだ泡が盛り上がっています。常に供給されている状況が伺えます。
口内に入るとその泡の感じは目に見える以上に有り、ピチピチと言うより「プチプチ」でしょうか・・実に心地良く、口内で弾けてくれます。
黄色い果実、ほんのり柑橘、軽やかなミネラリティを感じます。有りがちな・・キャンディのようなニュアンスでは無く、スティルの上質なシャルドネにつながるような厚みのある、低重心なニュアンスです。

酸は若々しいと言うよりも重厚でやや滑らかです。酸バランスが非常に良く、中域の適度な膨らみとノーズへ抜ける石灰感、そこから余韻へとなだれ込んでいく感じです。
ペティアンは、その特殊な製法から・・余り重くはならず、複雑なニュアンスもあまり無いのが常ですが、このシャルドネは結構に複雑性も有していまして、しかもそれなりの重みも有るんですね。澱(酵母など)の分解による複雑性や旨味を上手く閉じ込められた性かと思いますが、2021年ものまでの、どちらかと言うと可憐な仕上がりからは脱却、重厚な味わいに仕上げていると感じます。
これは飲まなきゃ!・・2023年の夏は酷暑でしたから、このような深みのあるペティアンで涼を取りながらも上質さ、ポテンシャルを感じられるワインはピッタリかと思います。
ルメルシマン・グラン・ブラン2022年も滅茶凄いですが、このペティアンも凄く上質です。是非飲んでみてください。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【ペティアンですが2021年もののような旺盛な泡は無くスティルワイン的なロゼ!やや軽めの粘土に密集した石のミネラリティ、果実が徐々に成長して行きます!】

え~・・息子が抜栓しましてですね・・王冠を必死に抑えておりまして、いつまで経ってもシンクから戻ってこない・・でも、
「・・シュッと言っただけで泡は噴出さなかったな・・」
と言って戻って来ました。
2021年ものは結構に旺盛でしてその泡が持ち上げる澱の存在が、むしろちょっとボディ感をかもし出している感じでしたが、2022年ものは・・
「これはスティルに近い!」
と思っていただいて良いかと思います。
ただし、「万一」の場合も有りますので、必ずシンクなどでボトルを斜め持ち、お腹(胃の辺り)でボトル下を抑えつつ、栓抜きをあてた王冠をも逆手で抑えつつ、
「シュッと言わせながらガスを抜く」
ことを忘れないでくださいね。
このペティアンと言うワイン、いったん仕込んでしまいますと、造り手の方でも何か変更したくとも何もできない・・まぁ、矢野さんの場合はさらにワインが成りたいようにすると思いますのでやらないのでしょうが、
「一度仕込んだらそれっきり!」
です。
とは言ってもですね・・その万一は、どうしても「ボトル差」が有り得ますんで、たまたま糖分がビッチリ有る部分が入ったボトルなどが有りますと、結構に旺盛な泡が生成されてしまっていたりして・・
「noisy が大丈夫って言ったから!」
と拗ねられても困りますのでご注意くださいませ。

2022年ものはスティル的な味わいです。葡萄が持っているピュアな美味しさ・・メルロの「美しい粘土・・むしろ白っぽい感じ」
が良く判る味わいです。
ですがやはりそこは黒葡萄のメルロをサクッと絞った感じが微妙に載っていて、
「絞った大町メルロって・・こんなに綺麗な感じ・・ね。」
と言うのが伝わって来ます。
果実感はまだ弱めですがフラワリーなアロマが徐々に果実に移行して行く感じがします。多くは無い泡の存在がむしろこのワインの完成を遅らせている感じ・・でしょうか。
ですが2日目になりますと、断然味わいがググっと載って来ます。サクランボやベリーっぽいニュアンスが入り始め、中域の膨らみも出て来ます。まぁ・・2022年ものですからね。
リアルワインガイドが言うように、「ナチュラル感たっぷりでうま味が多い」と言う部分、意外に多そうで無いですよ・・だいぶ増えた日本のワイナリーさんでも。
軽やかに飲めますが、数年寝かせてみるのも面白いでしょう。酸化熟成は王冠ですから遅いですが、
「栓を抜いてからの熟成」
と言う・・コルクのワインとはちょっと異なる変化も楽しめると思います。飲んでみてください!お勧めします。
以下は以前のレヴューです。
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【メルロとシャルドネののんびり発酵のペティアン・ロゼは、なんと野生っぽいベリーのアロマ!ミネラリティたっぷりの辛口どぶろくロゼ!】
素晴らしいです!たった820本だけ造られた、メルロがほとんど・・にシャルドネを合わせたペティアン・ロゼです。
まぁ・・日本のワインにあまり重きを置いていない方は、
「・・どうせ酸が無いんでしょ?・・フレーヴァーも淡いでしょうし・・」
と思われるかもしれません。
矢野さんのワインを飲まれた方はお分かりかと思うんですが、ちゃんと酸がしっかり有るんですよね。そしてフレーヴァーは一般的な日本のワインでは感じられないほど潤沢で、特に2021年の山のヴァンセは、
「初のロゼ!」
で、しかもメルローが主体・・そして、
「ナチュラルな苺のフレーヴァー」
を柔らかに、ふんわりと・・確実に感じさせてくれます。
その苺は、現代の品種のような高級なもの・・「あまおう」とか「とちおとめ」とかの良く出来たフルーツ専門店さんで販売されているようなものでは無く、
「昭和の昔、デパートの地下で販売されていた苺と砂糖と牛乳をミキサーに掛けてジュースにしたもの・・」
のような、滅茶ノスタルジックな気持ちを呼び起こさせてくれるようなフレーヴァーなんですね・・。
まぁ・・昭和を知らない方々には、「何言ってんだか・・」と言われてしまいそうですが、高X屋さんとかX武デパートとかの地下で見かけて、
「飲みたい!」
と言ってもなかなか飲ませてもらえなかった・・侘しい子供の頃を思い出してしまいました。香りって・・本当に脳天直結ですから、そこからいきなり昔に引き戻されますよね・・。良い思い出ならまだしも、結構に残念な記憶がよみがえることが多いような気もします。

そして、やはりまた矢野さんの大町の畑が関係しているのでしょうか・・ほんのりカリウム
、たっぷりナトリウム!・・みたいな、ちょっと「とろん」もしくは「たぷたぷ?」・・と感じる、ほんのりとした重量感やトロミ感のあるミネラリティが、
「砂糖と牛乳を加えた苺のジュース!?」
的な感覚を助長してくれます。・・あ、でも飲んでも全く甘くないドライな味わいですので、砂糖に反応しないでくださいね。
もちろん・・矢野さんのワインですから、酸化防止剤のニュアンスはほぼ無く、でも危険性の全く感じられないピュアでナチュラルな味わいです。しかも、
「旺盛な泡がピチピチと刺激」
してくれますから、喉の渇きを抑えつつ、それなりに感じられる質感のある重量感で、満足度も非常に高く感じられます。
よくある・・
「仕方がないので発泡性ワインにした」
かのような、イージーさが無く、真剣にワイン造りに向き合っていらっしゃるんだなぁ・・と思っていただけると想像しています。
また2022年も矢野さんの新酒を楽しむことが出来ました!・・「山のヴァンセ・モン・ロゼ・ペティアン」、是非ご賞味くださいませ!超お勧めします!
注:抜栓の際は必ず台所の流しなどにて、ボトルを斜めに持ち、少しずつ中のガスを逃がすようにして、噴出させないようにしてください。ある程度収まってもダラダラと瓶口に泡が上がってくる可能性も有りますので、近くに「グラスを一つ用意」しておき、王冠を外しても上がってくるガスと液体をグラスに少量注ぐと良いかもしれません。
以下は以前のレヴューです。
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【滅茶美味しいです!・・ナチュラルで滋味深くて旨味バッチリ、しかもドライでSo2使用量もほんの僅かでしょう!超お勧めです!】

良いですね~・・矢野さんの、醸造家としてのセンスの良さも伝わって来るかのような、
「滅茶美味しいご飯を普通に食べてる!」
かのような・・取り立てて凄く無くてまず普通なんだけれど、実はそれが「真実」だったりする訳です。
例えば、ワインを余り飲まなかった方が、ワインファンが「神」とさえ崇めるようなワインを飲んでも・・結構に普通だなぁ・・と感じただけだったりします。
その方にとっては綺麗過ぎて、濃淡が判らず・・と言うパターンも有るでしょうし、最初から否定で入ってしまうと目が曇る・・いや、感覚が麻痺してしまう・・なども在ろうかと思うんですね。
例えば、ある程度ワインに舌の肥えた noisy が「2020山のヴァンせ」を飲んでも、「美味しいなぁ・・」と素直に喜んでしまうような「美味しさ」を持っている訳ですから、このワインの魅力は相当に高いと思いますよ。
ふんわりとした柔らかなテクスチュア・・ちょっとナトリウム多めのトロトロ感のある不透明なミネラリティがふんだんに感じられ、ペティアンと言うほどのガス圧では無いにせよ、その優しいガス圧と、そのミネラリティと、洋ナシや梨、グレープフルーツ的な果実感が、全てバランスしているんですね。
そして・・滅茶飲みやすい!・・楽しいです。身体への進入角度が相当に低く、いつの間にか入っている・・けれど、そのアルコールのマイナス面が感じられない・・みたいな感じです。

で、2枚目の写真・・ちょっと意味不明でムズイですか?
飲みほしたボトルを真上から撮ったもので、中心に少し何かが写っていると思うんですが、これ、「澱」です。
飲んでいるうちに、徐々に、さらに「濁って」来ます。無濾過も無濾過、ただラッキングしただけだと思いますが、ガスの存在で完全には透明にならないんですね。
なので、もう活性はほぼ無いかと思いますが、酵母や葡萄由来のやや重みのある澱が、下に沈んでいる訳です。
この「澱」もまた・・味わいには結構影響していまして・・
「半分か2/3ほど飲んだら、ボトルの口を押さえてシェイクしてみる!」
とか、
「澱の部分を多めに取って置いて、最後にその澱の味わいを楽しむ!」
のも一興でしょう!
So2 は非常に少ないですが、「全く危険性の無い」味わいです。最も、栓を抜いて3日もすれば、「どろんどろん」になっていると思いますが、さらに3日ほど置いて・・凄い状態にしてからまた楽しむ・・と言う、モロビオファン的なアプローチも楽しいかもしれません。・・いや、noisy は責任持てませんので、そんなことをするので有れば、あくまでもご自身の責任でやってくださいね。
日本のワインも楽しくなってきましたね・・。その最右翼の一人、矢野さんの2020年ヌーボー・・・どのように楽しむかは、あなた次第です。お早めにどうぞ!
以下は以前のレヴューです。
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【日本酒で言ったら「どぶ✖く」?・・(^^;; この濁りに旨味がギッシリ!豊かでおおらか、ナチュラルな味わいの中に矢野さんのセンス(想像力+緻密な計算+対応力)が漲っています!】

まぁ、どなたが飲まれても肯定される味わいだと感じました。矢野さんは謙虚でいらっしゃいますので、決して美味しいとか何とか・・はnoisy の様には言いません。どちらかと言うと事務的に、
「・・をやったら・・なったので・・~をして・・こうなりました。」
とだけおっしゃいます。
でも、ま~本当に楽しいワインです。例えば、酵母をたっぷり使った日本酒とか・・いや、ご存じないかもしれませんが・・元気の良い(良かった?)酵母のニュアンスに満ちたシャルドネです。
泡は弱く、ピチピチとはしていますが、今のところは抜栓時に吹くようなことな無いと思います。でも、いつものように気を抜かず抜栓してくださいね。勿体無いですし!
白や黄色の熟したフルーツと、やや軽めだがたっぷりのミネラリティ、ほんのりと甘みが残された味わいで中域がふっくら!・・余韻も柔らかで長いです。硬質な部分の無い、ほんわかと柔らかな味わいで、グイグイとも飲めてしまうし、長く滞留させても微細な表情にも出会えます。
いや~・・ここまで出来るんですね~・・ビックリした!・・素晴らしい新酒です!・・皆さんに飲んでいただきたいですが、限り無く少ないですので・・すみません。
また、赤メルロはおそらく市場に余り出ないと思われます。勿体無いのでnoisy もまだ飲んでません・・(^^;; すみません。
なお、流通経費が掛かると赤字になってしまいますので、申し訳ございませんが、他の造り手さんのワインを同送でお願いいたします。