【静かに燃え滾るようなロアーニャならではの素晴らしい表情!フラン・ド・ピエの葡萄の樹こそが見せるシームレス感覚!・・飲み頃に入って来ました!バック・ヴィンテージです!】

半端無い出来だった2016年を陰陽の「陽」とするなら、静寂の中で音もたてずにエネルギーを放出する「炭」のように、実は物凄い熱量を感じさせてくれる「陰(いん)」の感覚を、ロアーニャならではのさらなる「静寂の世界」で包み込んでいるバローロはカスティリオーネ・ファレットのピラです。
そもそもロアーニャでは樹齢50年以上の樹しか使用しないですから、通常のカンティーナで言ってしまえば、これも「ヴィエイユ・ヴィーニュ」です。ロアーニャの言う古木は「ヴィッキエ・ヴィーニュ」もしくは「ヴィッキエ・ヴィーニュ」で80年以上..イタリア中部の産地では有り得ない樹齢です。
しかもこの「ピラ」はプロヴィナージュでフィロキセラ以前からの葡萄のDNAを今に伝えていますし、当然のように「フラン・ド・ピエ」ですから、
「接ぎ木無し・・台木を使わない」
ので、自根なんですね。
恐ろしいことに・・「自根なんだ」と自身に言い聞かせている性ももしかしたら有るのかもしれませんが、本当に下から上まで、
「手術根が見当たらない!」
どころか、
「一直線に上昇するシームレス感覚!」
も感じてしまいます・・人によるかもしれませんが・・。

何故か今頃になってバックヴィンテージの案内をいただいたので、2015年は仕入れずに飲んでいないと言うことに気付き、慌ててオーダーを入れさせていただきました。
今はロアーニャのご案内をすると・・いや、そもそも入荷量が凄く少ないのもあるのでしょう、すぐに完売してしまいますが、2014年もののご案内後に・・
「2014年のピラが売れずに結構残っていた」
ので、おそらく2015年ものをオーダーしなかったんだと思うんですね。
「ロアーニャ、めっちゃ美味しいです!」
と頑張ってコラムを書いてもスルーされてしまうほど、その頃はまだまだ知名度が無かったんだと思います。2016年ものは海外メディアの評価もグッと上がったので、それ以降はほぼ残らない状況になったのかなと分析しています。
確かに、非常に判りやすい美味しさを見せる2016年ものでした。ですので、
「ワビサビ系の陰系の生産者が造る陽系の味わい!」
だと思います。
ですが2015年ものは・・
「ワビサビ系の陰系の生産者が造る、さらに陰系の味わい!」
です・・(^^;;・・が!
明るいところで明るいものが見え辛いように、暗いからこそ、エナジーの細かな部分まで見える訳ですね。
ですからこの2015年ものはまぁ・・良く見えます。静かに燃え滾っている備長炭!・・みたいに・・。
やや鉄分感覚を感じさせるジュヴレ的なニュアンスに、ふんわりと妖艶さが生まれ始めています。スイカとかメロンとかの緑や薄い赤、薄い黄色のエレガントな果実、赤なんだけれどもそこには非常に透明な・・言ってみれば、イチゴを葛で包み込んだような感覚を感じます。
膨らみもしっかり有りますが、「ぶわっ!」となんぞ表現できる「滾る」ものでは無いのに、「じわっ」とゆっくり・・でも確実に静かに膨らんでくれます。バローロの持つ五味~六味も分別して感じさせつつバランスにも優れ、余韻も非常に長く・・静かに消えて行きます。
その際のパレットには、全く何も「途切れる部分」が無い・・まさにフラン・ド・ピエを彷彿させる感じがします。素晴らしいバローロでした!
ただし!
決して冷やさないでお楽しみくださいね・・時折、余りにおっしゃることが意味不明なので、よくよく伺ってみると、
「冷蔵庫で冷やして飲んでいます」
なんて方もいらっしゃいまして、いやいや・・それじゃ味も香りもしないでしょう・・と・・。
ですので、
「ブルゴーニュ・ピノ・ノワールよりも1度上の品温で!」
お楽しみください。素晴らしいバローロです!お勧めします!