● 2022年のヴァーゼンハウスをご案内させていただきます。(グラン・ドルディネール赤は2023年になります。)またアイテムが非常に多いので、数は多くはありませんがご案内は2回に分かれるかと思います。

Noisy wine ではファーストヴィンテージの2016年ものを2019年春にご案内させていただきました。驚きと困惑、礼賛が入り混じる大きな渦が巻き起こりました。有る者は凄いと言い、また有る者は良く判らないと・・そしてまた有る者は、このドイツのワインのどこが良いんだ・・本当に旨いのかと。
ですが、たった2~3カ月寝かせただけで・・もしくは半年、1年寝かせたことにより、ヴァーゼンハウスの二人が生み出すブルゴーニュワインそっくりの味わい・・いや、本来のブルゴーニュワインが失いかけている、失ってしまった・・ブルゴーニュならではの劇的にエレガントで飲み心地の良い味わいのピノ・ノワール、ピノ・ブラン、シャルドネの本質を、彼らがふたたび私たちの前に届けてくれたのです。
運良く昔のブルゴーニュワインの味わいを経験していた noisy は、その・・誰もが手に取ることをしなかった不思議な味わいのワインに、後光が差しているのに気付けました。そして設立してたった3年目に脅威的なメディア評価を得て、世の中のワインファンたちに広く知られるようになったんですね。

2016年のファーストヴィンテージから7年目の2022年もの、8年目の2023年もののご案内になりますが、ファーストヴィンテージの頃のリリース直後の今一つ掴みどころの無かった味わいは全くありません。
そして、ヴァイスブルグンダー(ピノ・ブラン)、シャルドネと言う白ワインは、ブルゴーニュが完全に失ったエレガントで心地の良い姿を見せます。シュペート・ブルグンダー(ピノ・ノワール)もまた、樹齢が上がって来たことも有りますし、評価が高いことも有ってメタヤージュの契約、より良い畑の取得も順調に行き始めたこともあるのでしょう・・2022年ものは、
「おそらく過去最高!」
と言える仕上がりをnoisy は確認しています。(アドヴォケイトはそうでは無いようですが・・)
2022~2023年のヴァーゼンハウスは、集中し凝縮しているが何事も過剰では無いです。美しさを表現するに充分な凝縮感と、美しく伸びやかでピュアな酸の味わいと、ブルゴーニュの大地にそっくりのミネラリティを、
「何の化粧も施さず、劇的にエレガントな味わいを表現している」
と感じました。

左のマップを見ていただくと判り易いと思いますが、2つに分かれているヴルカンを生み出す畑の近い方は、フランスはアルザスのコルマール(地図の左上辺り)からわずか20kmほどかと思える直線距離です。そしてやや大きく薄い赤の円の部分がヴァーゼンハウスのドメーヌの場所ですが、コルマールから直線で35km ほどしか離れていないんですね。
言ってみれば、
「アルザスからはライン川をはさんだ対岸」
と言うロケーションです。
そして、アルザスには・・まさにブルゴーニュそっくりの土壌が有ることが知られています。モンラッシェで有名なジュラ紀バトニアン階の魚卵状石灰岩、ロマネ=コンティのジュラ紀バジョース階ウミユリ石灰岩ですね。
ですから、ここまでブルゴーニュに良く似たエレガントな味わいに仕上がるヴァーゼンハウスのワインは、ライン川をはさんだアルザスの土壌と似通っているとするなら、
「どうしてバーデンのピノ・ノワールが少し熟させるだけでヴォーヌ=ロマネど真ん中を思わせるような味わいを見せるのか?」
「どうしてバーデンのピノ・ブランやシャルドネが、劇的にエレガントなモンラッシェ似の味わいになるのか?」
「どうしてメディアが始めてたった3年の造り手のワインに飛びついたのか?」
を証明するひとつの理由なのかもしれません。
今回の2022年もののご案内では上級キュヴェの数がとても少なく、下級キュヴェはまぁまぁ納得できる数でした。また上級キュヴェのマグナムを少しいただけました。
出来得る限りのテイスティングをさせていただき、ご案内させていただきます。徐々にこの・・
「バーデンと言う隠れた玉手箱」
の詳細、その本性を見つけて行きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
■ インポーター情報
弊社取り扱いドイツWasenhaus(ヴァーゼンハウス)、一昨年、訪問した際に樽から試飲して感激の溜息が漏れたワイン達が到着します。本人曰く全房の良さが前面に感じられる2022年待望の入荷となります!昨年、訪問した際に2022年を樽から試飲しましたが腰が抜けました。
陰鬱な気配のバーデンに差し込む光のような2022年のアドバンテージが前面に出ております。かつて太陽を求めていたブルゴーニュにおける記録的な年とはこのような形だったのではないでしょうか。明度がはっきりと焦点を結びながらもヴァーゼンハウス、究極のピノ・ノワールが放つ妖艶な全房のテンプテーション。小さな区画の上級キュヴェは相変わらずの入荷数量となります。
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万全を期して多くの方にご案内し是非とも一度でも飲んでいただきたい、これ以上の存在は無いと思えるような「飲み心地」を持ち、葡萄のピュアなエナジーが身体に浸透して行く様を楽しむべきシングル・セパージュの競演が楽しめる・・しかもブルゴーニュそっくりのエレガントさで・・唯一の生産者、「ヴァーゼンハウス」の新作をご紹介させていただきます。
重要なことを2つ・・書かせていただきます。
ひとつは・・前回の2020年もの(グーテデルは2021年)ご紹介は今年、2023年の2月でした。ですので前年のご紹介よりも3カ月ほど早いと言う状況です。ですので、
「(ほぼ)仕上がっていて美味しく飲める、もしくは飲み始めて良いキュヴェと、瓶熟をもう少しさせるべきキュヴェに分かれる」
ことが言えます。
2020年ものの時も2~3カ月早まっていますので、同様に・・飲み始めて良いものと待つべきものに分かれましたから、それをお伝えしていました。さらにそれが3カ月早まったので、
「当然ながら少しなりとも瓶熟させるべきキュヴェが増えた」
と言えますが、反対に、
「樹齢が上がったこと、収穫量が減ったことによるワインがもつエキスの密度の上昇が有り、むっちりとした膨らみと細やかな表現が増大した」
ことも上げられます。
ですので、基本・・
「下級キュヴェから飲み、上級キュヴェは最低8カ月以上瓶熟させる」
と良いと判断しています。
2つ目ですが、これはもう・・仕方が無いんですね。為替の影響で17パーセントほど値上げになり、収穫減により入荷数量が激減しています。特に上級キュヴェは・・
「中~上級キュヴェは、ほとんどの入荷数量がバラ」になっています。
ですので、2020年ものまでは、全てのキュヴェ(ほぼ?)のテイスティングをさせていただきご紹介させていただきましたが、今回の新作につきましては、上級キュヴェはほぼ飲めておりません。ヴァイスブルグンダー・ムーリンは無理を承知で飲ませていただきました。
そんな訳ですので、そのテイスティング結果からも、
「上級キュヴェは最低8カ月の瓶熟成を要する」
と申し上げておきたいと思います。
まぁ・・noisy 的には、円安もそろそろ天井かと読んでいますが、キッカケが・・どうなりますか・・そうやっているうちに円にネガティヴな要素が新規に生まれてしまいますと、さらに円安が進まないとも限りませんから・・。ただし、為替とか株とか・・は、人間心理でだいぶ動きますから・・
「円が強くなれ!」
と皆が思っていれば、ワインは安くなるはず・・??
脱線してすみません。希少なヴァーゼンハウスの新作、これ以上無い素晴らしく心地良い飲み口の超健全なシングルセパージュワインです。ご検討くださいませ。
■ エージェント情報
2021年ヴィンテージはこれまでのところ、ドメーヌ史上最小の収穫量となりました。Grand Ordinaire. Spätburgunder Kanzel. Weissburgunder Am Kreuz とリースリングといったキュヴェの多くは、これらの区画のブドウの量が非常に少なかったため、生産することが出来ませんでした。
従って2021年ヴィンテージのスタイルは寒冷な気候を反映しており、アルコール度は低く、とてもフレッシュ。赤は非常に繊細で、生き生きとしており果実味を持ち、すでによく凝縮しています。白はおそらく、これまで生産した中で最も興味深いものとなりました。
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大変にお待ちかねの方が多い・・飲みたいと思っても中々入手できないヴァーゼンハウスの新ヴィンテージをご紹介させていただきます。

まず、グーテデル(グートエーデル)のみが2020年で、それ以外は2019年になります。そしてその出来は・・
「素晴らしい!・・繊細系の極致の味わい!・・ブルゴーニュワイン以上にブルゴーニュしてる!」
と申し上げます。しかも、
「2019~2020年は数量が非常に少ない。」
です。なのでほぼ限定数になります。どうぞよろしくお願いいたします。
その上で・・
非常に重要なことをお伝えします。
今回で4ヴィンテージ目になりますが、2019~2020年もののご案内は、
「今までで一番早いご紹介!」 になります。
ファーストヴィンテージも春でしたよね?・・2018年もののご紹介も同様です。でも今回は1月末ですので、まだ厳冬期です。
思い出してみて下さい。ファーストヴィンテージが前年末頃の到着でありながら何故に春のご案内になっていたか・・。それは、
「完全には仕上がっておらず、誰も正確な判断ができなかったから!」
・・なんですね。エージェントさんのお話しでは、ファーストヴィンテージのお披露目を2019年3月中旬に行った結果、ほぼ誰も買わなかった・・と言う経緯が有ります。目利きのプロたちがテイスティングしても、「良く判らなかった」結果なのでしょう。それでnoisy のところに話しが来た訳でして、noisy ももし今までの経験が無ければ、「ノー」と言っていたかもしれない訳ですね。
2019~2020年のヴァーゼンハウスは、「非常に素晴らしい!」です。おそらくまた海外メディアからも高い評価がされることと思います。
しかし!・・今から飲んで良いキュヴェと、美味しく飲めるけれど今飲むべきでは無いキュヴェと、まだ育ち切っていなくて今飲んではいけないキュヴェが有ります。 下のキュヴェは総じて美味しいです!・・グーテデルなんぞ・・ボトルを抱えて飲みたい!シュペートブルグンダーも、ヴルカンも同様です!・・でも最上級クラスのキュヴェが有る程度仕上がって飲めるようになるのは5月の連休を過ぎてから・・でしょう。
日本でもヴァーゼンハウスは、巷での印章はそれなりに分かれていると思います。コンディションも有るでしょうし、好みも人ぞれぞれですし・・。でも、一番の問題は、仕上がっていない・・飲むべきタイミングがいつなのか、盲目の状態で開けていることにあると思っています。
その辺につきましては、各コラムに記載させていただきますので、
是非それはお守りいただくようお願いいたします。勿論ですが、絶対に6月からしか飲んではいけない・・と言う訳では有りません。しかしながら、上級キュヴェをそのように飲まれる場合はご自身の責任において・・そして、「少なくともポテンシャルを取りに行く飲み方」・・それは難しいかと思いますが・・この文章の始めの部分にも書きましたが、
「仕上がって無いキュヴェのテイスティングはプロでも簡単に騙される!・・もしくは理解できない!」
ものだと思って臨んでください。
それでも2019~2020年のヴァーゼンハウスは超繊細系の見事な味わいをしています。上級キュヴェも本当に素晴らしいです!この1月初旬頃、先にシュペートブルグンダーの下級キュヴェを飲んだエージェントのM君から、興奮冷めやらぬ様子でメールで一報が来ました。
「・・2019年ヴァーゼンハウス・・ルロワでした・・」
と書いて有りました。
ま~・・人の取り方は様々ですから良いっちゃ良いんですが、noisy 的にはやはり樽の効いてないD.R.C.かな・・と。でも白系については一瞬ルロワ、ドヴネも脳裏をよぎりました。
しっかり落ち着かせて・・出来ましたら繊細な味付けの、素材の持ち味を生かしたお料理と合わせると素晴らしいお食事の時間を過ごせるでしょう!・・白(シャスラ)のグーテデルも勿論、そのように飲むと、
「・・あれ?・・これってもしかしたら半端無いんじゃ・・」
とご理解いただけると思いますが、そんなに畏まる必要も無く、自宅で少しはっちゃけて、ノリノリで飲んでも滅茶美味しいはずです。
ムーリンやベーレンなどのトップキュヴェは、決して早く飲むべきでは無いと申し上げましたが、もしご自身のテイスティング能力に相当なご自信をお持ちのようでいらっしゃいま
したら、止めるような野暮は致しません。しかし、全力でポテンシャルを取りに行く飲み方をし、もし判らなければボトルに栓をして一度撤退、また翌日以降、同様にトライする・・と言うようにしていただけましたら幸いです。決して焦燥な判断はされないようにお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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ヴァーゼンハウスの新ヴィンテージをようやくご案内させていただきます。3年目の今回は2018年ものを基本に、ベースの白のみが2019年です。
見っけたぞ~!・・と、ちょっとウキウキした気分で・・でもお客様に判って貰えるかな?・・まぁ、駄目でも数が無いから手売りすればなんとかなるか・・みたいな感じで始まったものが、実際に蓋を開けたら噴火が続いてもうビックリ・・の1年目、そして昨年の、
「テイスティングして駄目駄目な出来だったらどうしよう・・」
「テイスティング結果が良くても売れなかったら・・厳しいな・・」
から、
「・・良かった・・飲んでもらえた!」
と、シミジミ嬉しさを感じた2年目でした。
そして今回の3年目ですから、もう、今までの流れから・・いや、全ての入荷アイテムをテイスティングしているのも有ってか、信頼感も感じ始めていますので・・
「勝負の年かな・・しっかりテイスティングして、ちゃんとご紹介しよう」
と意気込んで昨年の2020年12月の最終週にはテイスティング分を購入し、同時期に入ったユベール・ラミーのテイスティングの終了を待って、ヴァーゼンハウスを飲み始めました。
ま~・・白から始めたんですが・・クーテデル・・旨いですね~・・アルコール分は低めなのに、しっかり「身体に染み入って来て膨らみ、ナチュラルな表情をしっかり感じさせてくれる」みごとな味わいに、ホッとしつつ・・飲み進めたんですね。ユベール・ラミーとは真逆でして・・はい。でも、ラミーも大好きですが、ヴァーゼンハウスも大好きなんですね・・。
こりゃ・・さっさと1月後半~2月辺りにご案内しようと準備していましたら・・ストップが掛かっちゃいました。
「しっかり落ち着くまで待ちたい・・」
との輸入元のご意向だったんですね。
ま~・・判りますけどね~・・おいしさを知っちゃったのにお預けを喰らっちゃったヨダレだらだらなゴールデンの気分でしたが、仕方が無いので残りの分のテイスティング予定を先延ばしして、今回のご案内になった訳です。
2018年のヴァーゼンハウス・・万全です。ブルゴーニュそっくりなのに・・ブルゴーニュとは違う・・いや、「最近のブルゴーニュとはちょっと違う」と言うのが正しいでしょうね。
2019年グーテデル、リーズナブルで滅茶美味しいです。アル分の低さは無視してください。穏やかな飲み口になっている・・と言うだけです。超上質な日本のワインにも通じるものが有りますが、敢えて言うなら「ミネラリティの総量」が多い分、美しさが異なっていると思います。
2018年のヴァイスブルグンダ―ですが・・これはもう文句無しで・・
「滅茶苦茶美味しい!」
です。
充分に有って、しかも過分にはならない素晴らしいエレガンスを、まるで見事なシャルドネのごとく、そして全くのスッピン美人を感じさせてくれます。驚きの旨さです。
2018年のシャルドネ(他品種も少々)のフィルツェンもとても美味しいです。冷ややかなテクスチュアと透明なミネラリティを多分に感じさせる「縦伸び系」のスレンダーな味わいで、コルトン系の美味しさを感じさせてくれます。
2018年のシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)は・・
「・・これほどまでにキュヴェ毎の表情の方向性が異なるのに、穏やかな起伏が見せる包容力、多彩さ、ピュアさ、ナチュラルさに感動を覚える」
素晴らしい味わいでした。
しかも2018年ものは、今までのトップ・キュヴェで有った「ベーレン」に加え、「カンゼル」「ムーリン」と言うほぼ同格のキュヴェをリリース、それぞれに異なる見事な表情で楽しませてくれます。しかも「ムーリン」(今まではヴァイスブルグンダ―のみ)は・・実に奥行きの深い表情を、どれだけ神経をとがらせながら・・息を止めたままのように上質に造りこんだ姿が感じられ、驚くほどの精緻さと微細さを感じさせてくれます。
そのうえで、
「ヴァーゼンハウスはブルゴーニュワインが失ってしまって、まだ取り戻せない先祖の姿を感じさせてくれる!」
はずなんですね。先祖伝来の土地・・と言っても良いかもしれません。それを二人のドイツの若者が造り上げている・・そして日本人がそれを美味しいと言う・・まるで忘れられたバーガンディだと・・。
是非飲んでみて欲しいと思います。中々大きく量は増えませんが、キュヴェが増えた分だけ、多くいただけました。ご検討くださいませ。
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【ブルゴーニュワインが失ってしまった美しさがそのままに復刻!!瑞々しくもエレガントな心洗われる見事な出来です!】● 「ヴァーゼンハウス」
と聞いて、何を想像されるでしょうか。どんな印象をお持ちでしょう?勿論、様々な捉え方をされた昨年初リリースの2016年ものだったと思います。
noisy は、これほどに魂を揺さぶられたのは久しぶりの出来事でした。そりゃそうです・・まるで時が止まったか、いきなりタイムマシンにでも乗せられてしまったかのような強烈ながらも心をシクシクと突かれるようなノスタルジックな感じに包まれてしまったからです。
勿論、「美味しく無い」とか、「詰まんない」とか、「良く判んない・・」と言うような声も多く在るに違い無いと思っています。それでも相当に・・この狭いワインの世の中を騒がせたような話しを多く聞きました。
初めてリリースしたワインがヴィニタリーで評判を得て、エージェントさんもやっとの思いで契約までこぎつけ、ウキウキ気分で日本に入れてテイスティングして・・「???」な感じを持ちつつも、そんなはずはないはず・・とお披露目をやっても、これまた余り芳しい話しになって来ない・・。
「どうなっちゃってるの?」
みたいな状況からのスタートだった訳です。
それでも結局は何のことは無い・・単に、
「超繊細でアルコール分が強く無いエレガントで偉大なブルゴーニュそっくりのピノ・ノワールが旅の疲れが出てバランスを崩していただけ」
だったと言うことに、輸入されて3~4カ月後には皆さん、気付いた訳なんですね。
なので、その後のエージェントさん(オルヴォーさん)は、問い合わせが殺到して大変だったそうです。
確かに、本当に心を洗われるような素晴らしい表情を見せるヴァーゼンハウスのワインでは有りますが、noisy にとっても結構な「賭け」でも有ったのは事実では有りますし・・何せ、
「1万円のドイツのピノやピノ・ブランを誰が買うの?・・」
とか、
「全部で18本しか輸入のないそのワイン、テイスティングするの?」
とか・・です。
なので、1年経ってもまだまだ心配です。
「2017年は・・どうかな?」
と。
なので2017年ものも、しっかりテイスティングさせていただきました。そして確信を得ました・・。
「ヴァーゼンハウスはブルゴーニュの心を持ち、いにしえのその超エレガントなブルゴーニュワインを再現出来ている!」
と。
この、とても香るクセに全くえげつなく感じさせ無いエレガントさは、全てのキュヴェに共通しています。そして液体の瑞々しさは半端無く、まさに「ピュア」そのものだと言えます。
あの、大昔のD.R.C.も、デュジャックも、その流れを汲むラルロも、もしかしたらトルショーも・・です。まぁ、トルショーは早々にドメーヌを閉じてしまいましたが、今のブルゴーニュワインは、
「強い性格」
をしていると感じます。
そして、このヴァーゼンハウスのワインを飲むと・・本当に心にグサッと・・刺さるんですね。
ベースのクラスの「バーデン・ヌーボー赤」 「グーテデル・バーディシャー白」などは、自然派大好き、もしくはビオ大好きな方々までをも虜にするような魅力に溢れています。軽くて飲みやすいのに・・たっぷり沁みて来ます。これで充分かもしれない・・とさえ思うかもしれません。そんなカジュアルな味わいなのに・・です。エレガントさ、フィネスに満ちています。決して汚れの無い、美しい味わいです。
中級~上級キュヴェはもう、言うことは無いでしょう。もし、90年代中盤までのデュジャックに思い入れが有る方なら、きっと思い出すに違い在りません。
決して濃くは無く、強く無く、圧縮とか凝縮、密度などとは無縁の味わいで有るとも言えます。
しかし、「ちゃんと有り、ちゃんと主張はしている」んですね。そしてその姿が見事に「けな気」で、可憐でも有り、でも決して何ものにも負けない芯のしっかりした見事な味わいを見せてくれます。アロマも本当に素晴らしい!・・そして何よりも、
「ブルゴーニュそっくり!」
です。
そして、白も滅茶美味しいです。中抜けした感じでしか記憶の無いブルゴーニュのピノ・ブランとは少し違いますが、それでも何故かブルゴーニュをしっかり感じさせてくれますし、今回は非常に希少な「シャルドネ」も入って来ました。
多くのお問い合わせをいただいています。是非お早めにお買い求めください。もう、一推しは間違いありません。どれでも美味しい!・・お勧めします!
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いや~・・素晴らしい造り手を見つけました。驚くべきは・・・何と・・
「2016年がファースト・ヴィンテージ!」
なのに、
「そのワインがぶっ飛ぶような品質!」
なんです。
そして、「ピノ・ノワール」と「ピノ・ブラン主体」なんですが、
「ブルゴーニュの大御所たちもビックリ・・もしくは驚愕(するはず)!?」
の仕上がりなんですね・・。
noisy も、最初は例の如く・・
「・・(またM岡君が意味不明なこと言ってるよ・・いい加減、勘弁してくれないかな・・)」
と思っていたんですが、下から二番目のピノ・ノワールをテイスティングしていて思い出したのが、
「・・あれ?・・これって・・70~80年代の日照がきつく無い年のD.R.C.に似てないか?・・」
ってことなんですね・・。
大体においてテイスティングしていてD.R.C.を思い出すなんてことは余り有りません。まぁ、良いところ、シャルドネのテイスティングで、あの何とももの凄~いD.R.C.のモンラッシェが引き合いにされることは有りますが、アンリ・ジャイエ系の味筋で引き合いには出したとしても、ピノ・ノワールの場合は非常に少ないはずなんですね。(まぁ、ミュヌレ=ジブールはプティD.R.C.だとずっと言ってきましたが・・)
で、なんでそう思ったかと自身で色々と思い返してみたんですが、そもそも昨今のブルゴーニュは何せ「地球温暖化」の影響を受けて、
「日照不足に悩むことは無い!」
訳で、天候で生産量が落ちることは有っても、日照に恵まれた年で有れば、優れた造り手の生み出すワインは、
「潜在アルコール度との闘い」
になる訳です。
「アルコール分14度以上のブルゴーニュ・ピノ・ノワール」
なんて、エレガント系のブルゴーニュワインが目指す道には程遠いと言う可能性が有りますが、ヘタをすればそのようになってしまう訳です。事実2009年のブルゴーニュワインには、そんなピノ・ノワールが散見され、noisy も・・
「(・・何だこれ・・)」
と思ったことが思い出されます。
ところが、ドイツで最も暖かいと言われるバーデンは、アルザスの中心辺りにある「コルマール」の南東にあり、このヴァーゼンハウスに畑まで直線距離で80Km ほどと思われるようなロケーションですから、
「今まで色が出ない・・ピンク色なピノ・ノワール(シュペートブルグンダー)で、冷ややかだけれど酸っぱいだけだったバーデンワインが、エレガント系のブルゴーニュ的ピノ・ノワールの味わいに適した色合い、味わい、アルコール分を実現できる土地になった!」
とも言える訳ですね。
実際、ヴァーゼンハウスのピノ・ノワールは、ものの見事に12.5度です。(因みに2016年ブルゴーニュ・ル・シャピトル・ルージュ/シルヴァン・パタイユ、2017年ブルゴーニュ・ピノ・ノワール/ユドロ=バイエは13度でした)
このような状況において、下から二番目のキュヴェを飲んで70~80年代のD.R.C.を思い出した・・・と言うのは、そのエレガンスと複雑性、高貴さ、スタイルが思い起こさせた・・と言うことなんじゃないかと自己分析しています。
と言うことは、
「こりゃぁ・・見逃せないワインだ!」
と思ったとしても、あながち嘘とは思えないはずなんですね。
そして彼らが生み出すピノ・ブラン主体の白がまた・・素晴らしいんですよ。でもこちらは、
「気高いブルゴーニュ・シャルドネを思い起こさせる凄いワイン!!」
では無いんです。ピノ・ノワールとは全く異なる立ち位置の白ワインなんです。それは・・
「超リアル・フルーツを想像させるような疑似体験を演出してくれる完全バランスの白ワイン!」
です。
これはもう・・滅茶苦茶素晴らしいんですが、今までブルゴーニュの白ワインを飲みこんで来たファン達が泣いて喜ぶ・・いや、赤はそうだと思いますが・・と言うよりは、
「ワインを余り知らない女性や、ワイン好きだけれどブルゴーニュの高貴なシャルドネは良く判らない・・」
と言うような方たちが、まず間違いなく・・
「こんな美味しい白ワイン、飲んだこと無い!」
とおっしゃるに違いない味わいなんですね。自然派ワイン大好きな方々にも大受けするかもしれません・・(いや、酢酸・揮発酸の影響は全く有りませんよ)。
とにかくビックリの連続でしたが、彼らの素性を知れば・・納得できる部分も大きいです。何より、今もあの「モンティーユ」で仕事をしていますし、ドメーヌ・ルフレイヴやコント・アルマンなどの大御所で修行もしています。
そしてファースト・ヴィンテージなのに、
「すでに世界中で大注目を浴びている!」
と言う事実です。
乗り遅れなくて良かったかも・・と思い始めています。下から二番目のキュヴェは在庫がもう2ケースを下回ってしまいました。なのでさっさと・・購入して飲んでみるべきです。その上のキュヴェはもう少し有りますが、いずれにしましても少量です。
久々の大注目の新人、仰天のドイツはバーデンから現れてしまいました!是非とも皆様には飲んでいただきたいと切に願っています。
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■エージェント情報
Baden(バーデン地方)Staufen im Breisgau(シュタイフェン・イン・ブライスガウ村)にある醸造所。バーデン地方は、ドイツにある13のワイン産地の最南に位置する生産地域。北はタウバー川、南はボーデン湖に達しドイツで3番目に広い産地です。またドイツで最も温暖な地域であり、年間日照時間が1.700時間以上・年間平均気温が11度。ドイツで最も太陽に恵まれたワイン産地。シュタイフェン・イン・ブライスガウ村は、ドイツの南西部にあり、フランス国境も近いです。アルザスのコルマールへは車で約1時間、ブルゴーニュのボーヌへでも約3時間で行ける場所です。
蔵の名前「ヴァーゼンハウス」は、クリストフが育った家と農園に付いていた名前。町から外れた、牧草地や畑に囲まれた、ヴァ―ゼン(畑や草原の意味)の家という意味。
クリストフは「ヴァ―ゼンハウス」で自然、農業とブドウ畑に囲まれて育つ。両親は農業・酪農に関わっており、その影響で子供の頃からオーガニックやビオディナミに触れていた。
またアルバイトで近所のブドウ畑で収穫を手伝う事もあった。2011年から2013年はオーストリアの首都ウイーンに留学して農業大学に通う。ワイン好きだった彼は、ブドウ栽培にも興味があり、大学でブドウの栽培やワイン醸造に関しても少し勉強していた。卒業後はドイツの実家に戻り農業の手伝いを始める。2013年の夏、クリストフはバイクでのスペイン旅行を決める。しかし、出発の数日前に彼の人生に大きく影響を与えるワインを飲むことになった。ブルゴーニュの生産者「*Bernard Van Berg(ベルナール・ファン・ベルグ)」のワインを飲んだクリストフは、すぐに生産者に会いたくなりバイクでブルゴーニュを訪れた。
*Bernard Van Berg
ベルギー出身の有名な元プロ写真家。元々趣味だったワインを自ら造るためにムルソーに移り住み、ワインの醸造を行っていたが、現在はワイン造りを行っていない。
2013年、クリストフはベルナール・ファン・ベルグを訪問。スペイン旅行は取りやめすぐに研修を始める。ベルナール・ファン・ベルグで約一年間研修する。ベルナール・ファン・ベルグは規模が小さく仕事量が少ない為、ベルナール氏の紹介でビオディナミを実践するルフレーヴでの研修も同時に行う。
2014年、ベルナール氏の紹介でワインを勉強に来ている学生が集まる寮で暮らすことになり、そこでアレクサンダーと出合う。
2015年、ボーヌのワイン醸造学校に通う。ベルナール氏の所にも定期的に通いながら、ポマールのコント・アルマンでも研修を行う。
アレクサンダーは、ドイツ・ドレスデン出身。元はランドスケープ・アーキテクト。仕事の関係でワイン生産者達と交流していた。ワインへの興味が大きくなり、彼は仕事をやめ、2012年からクリストフとは違うボーヌの栽培・醸造学校に通う。同時にピエール・モレで研修。翌年からドゥ・モンティーユで働き始める。学生寮で出会ったクリストフとアレクサンダーの友情は深まり、その後、ドゥ・モンティーユ家のシャトーで、1年間二人で暮らしていた。二人は沢山のワインを飲み交わし、語り合い、そして互いを刺激し合っていた。またその間、アレクサンダーもクリストフの地元に何度も遊びに行っていた。そして、クリストフが地元に戻り、まずはネゴシアンとして一緒にワイン造りを始める事を決心する。
クリストフの地元にはブドウ畑が多く存在し、元々ワイン文化が根付いていたところ。しかし戦後の貧しさの影響で、品質ではなく、大量生産ワインへシフトしてしまい、ワイン造りの文化は衰退していた。素晴らしいテロワールを無視するかのように、多くのブドウが協同組合などへ安価に流れていました。
クリストフ曰く
「テロワールはブルゴーニュに似た粘土石灰で、ブドウ品種はピノノワールやピノブランが多く存在している。ブドウ畑は家族代々守られたものも残っており、有機栽培やビオディナミ栽培が進んでいる地方なのです。良質なブドウや畑を比較的格安に入手できるなどなど、多くの可能性と将来性を秘めた場所だと信じている」
2016年の初頭に急斜面で機械が入れないブドウ畑も手に入れ、自社畑のブドウと買いブドウで念願のワイン造りをスタートさせた。現在クリストフはヴァ―ゼンハウスに常駐して栽培と醸造を行っている。アレクサンダーは現在でも、ドゥ・モンティーユで栽培責任者として勤めているが、ヴァーゼンハウスの収穫・醸造には蔵に戻る。栽培・醸造に関しては二人で相談しながら、二人で判断・決定している。
2018年末の時点での自社畑は約2Ha。ピノノワール、ピノブラン、シャルドネ、シャスラ(ドイツ名Gutedel)、エルブリング(Elbling)自社畑のブドウから、Bellen(赤・白)、Filzen(白)、Mohlin(白)が醸造される。自社畑は有機栽培で、ビオディナミも少しずつ取り入れる。斜面が急で列も狭い畑なので、トラクターや機械は一切使えなので全て手作業で行う。素晴らしい畑だが作業や管理が大変なので入手出来た。
ビオディナミの調合剤は友達が作る500や501などを使用。すべての自社畑をすぐにビオディナミ栽培に切り替える事はしないが、将来的には完全ビオディナミ栽培へ移行する予定。その他のキュヴェは購入したブドウから造られる。購入するブドウは、友達・知人の畑から多く、栽培はビオディナミがほとんどで、最低でもオーガニック。
ファーストヴィンテージとなる2016年の生産本数は約9000本。湿気が多くべト病も多かったヴィンテージで、予想よりも収穫量はかなり減ってしまった。しかし、収穫できたブドウはとても上質でバランスも良かった。成熟度も高く凝縮したブドウになった。
■エージェント雑感
ベルナール・ファン・ベルグ、ルフレーヴ、コント・アルマン、モンティーユ、ピエール・モレ…。ブルゴーニュを代表する数々の名ドメーヌで研鑽を磨いたクリストフとアレクサンダーの二人がフランス国境にほど近いバーデンの地でごくごく小さな規模で念願のワイン造りをスタートさせました。
ファーストリリースとなった2016年のワインは今、ドイツのみならず最先端のワインシーンで最も注目を集めるワインのひとつです。ブルゴーニュで言えば20年前のフィリップ・パカレの登場がそうであったように10年にひとり、世界各地のワインシーンを新たに塗り替える生産者の一人として『恐るべきデビュー!』と称賛されています。
ブルゴーニュで出会ったクリストフとアレクサンダー。現在、クリストフはヴァーゼンハウスに常駐し栽培、アレクサンダーはドメーヌ・ドゥ・モンティーユの仕事をしながら週末にバーデンに戻りヴァーゼンハウスの仕事をしています。ドイツ南西バーデンと言ってもアルザスのコルマールまで車で1時間ボーヌまでもおよそ3時間という距離が彼らの仕事を可能にしているのです。
ごくごく小さな自社畑と、ほぼ人たちで栽培を手掛ける買い葡萄ですがすべてのワインは非常に少ない生産量です。今回ご案内いたします6アイテムのうち5アイテムを試飲しました。
ドイツ…というよりは世界的に見ても非常に高いレベルでのピノ・ノワールの登場です。どうぞお見逃しのないようお願いいたします。