
昔はね~・・もっと樽が強くて、樽に果実が少しやられて弱めで・・だけれど熟すとちょうど良い感じになるのがムルソーだったんですが、昨今はもう、全く状況が判りましたよね。
四半世紀前頃のnoisy のムルソーに対するイメージは、
「樽」
でした。
まぁ、その頃は輸入のコンディションも今ほどでは無かったですし、その辺りも影響はしていたとしても、何でもかんでも「新樽」を使わなきゃワインじゃない!・・みたいな風潮が蔓延った時代がそれに続きましたから。誰の性でもありゃしないですが・・(^^;;
この「ブルゴーニュ・シャルドネ・スー・ラ・ヴェル」を飲むと、造り手のセンスの良さに加えて、ブルゴーニュのシャルドネの偉大さを感じてしまいます。
このスー・ラ・ヴェルですが、最初に名前を聞いた時は、
「モンテリーの1級スー・ラ・ヴェルに近いのかな?」
と思ったんですが、モンテリーのは正確には「スュ(ル)・ラ・ヴェル」ですので全く異なる畑です。
村のど真ん中の東に在るA.C.ブルの区画です。ここは、西側半分は村名ムルソーを名乗れるようなので、おそらく上下に渡って畑を所有していて、混ぜる場合は格下げしてA.C.ブルでリリースするのでしょう。
いや、それを聞かないと・・理解できませんよ。これだけムルソームルソーしてるのにA.C.ブルだとするなら、それ相応の理由を見つけなければなりませんから。
樽っぽさは無いんですが、酸化を上手に使用したクラシックなスタイル・・いわゆる王道のシャルドネ、ムルソーです。・・あ、すみません、A.C.ブルです。ほぼムルソーだと思って良いと思います。柑橘、凝縮していて、目が詰まっています。滑らかでほんのりオイリー。石灰もちょっと感じますし、同じくらい、もしくは少し少なめなくらいの粘土も有ります。まぁ、これだと村の中央部位の位置感覚がズバリです。これ以上に石灰系ミネラリティが強ければもっと西側の畑、さらにシャリシャリし始めたらもっと南西の畑・・粘度が強ければヴォルネイ側の畑、オイリーさや蜜っぽさが増えて行けばピュリニーとの境に近い感じ・・などと個人的には思ってます。
パキッパキに、ガンコに感じられるようなミネラリティでは無いので、その分、優しい味わいだとも言えます。これ、安いので・・是非飲んでみてください!お勧めします!