
イ・マンドルリのワインについて色々書いて来ましたが、飲めば飲むほど・・今までの自身の感覚を修正しなければならない羽目に陥ることを強制されているような気になってしまいます。
まぁ、トゥア・リタのサンジョヴェーゼ100%のペルラート・デル・ボスコは普通に理解出来ます。完全に守備範囲内です。
でも、
「サンジョヴェーゼ100%でビオで大樽で・・結果がこれなの!!?」
になってしまいますから・・もう、ワインとしては大賛成!で、滅茶美味しい!・・と思っている心と、
「・・いったい・・どうしてくれるんだ!」
と言う怒りに近い感情?がせめぎ合ってしまいます。
もう、普通以上に完全な仕上がりなんですよ。でもビオだから・・どこか、僅かにでも破綻した証拠を嗅ぎ取ってやろう・・とするじゃないですか・・テイスターとしたら・・。でもどこにもそんなものは無いんですね。検出限界です。
解放の大樽仕込みからの大樽熟成・・これはまだ判りますよ。でも大樽で熟成した結果の「酸化」が中々見当たらないんですね。だから、大樽系だよと中々素直に言えないんです。
そして、ワインから伝わって来る「ほんわか」とした柔らかで温かいニュアンスは、セメント槽的だとは判ります。しかし、非常にピュアで・・ビオだと思って臨む心を超えてピュアです。酸も美しいし、全体としても丸く優しい・・エレガントでも有ります。
どこか平板なところを感じやすいサンジョヴェーゼでは有りますが、
「・・あれ・・これ、サンジョっぽさも有るけど・・100%なの?」
と・・思わず口走ってしまうかもしれないほど、充実した上でのエレガンスが有ります。タイトさは感じません。

上の写真は2016年もの、下の写真が2012年ものです。その差はほんのりと熟し、僅かなブケが出て来た2012年に対し、そのブケのトッピングとそれ由来の複雑性が伴わない2016年・・と言うだけのようにも感じます。どちらも非常に美味しく、楽しく飲ませていただきました。
普通にグラスの底が見えるサンジョヴェーゼなのに充実しているんですね。そして、何度も言いますが、とてもピュアです。そこにそこはかとなく「ナチュラルさ」が忍び寄って来る感じです。
こんなに真ん丸な・・球体を感じさせるサンジョヴェーゼには、中々お目にかかった記憶が探せないのことに苦労してしまいました。おそらく皆さんも、
「こんなサンジョヴェーゼ、初めてかも!」
と思っていただけると思います。
これがスヴェレートのサンジョヴェーゼなのか?・・テロワール由来の出来事なのか、それともマダレーナさんの個性なのか、まだ判断できないでいます。是非この素晴らしいヴィーニャ・アッラ・スーゲラ・・・あ、スーゲラと言うのは「コルク樫」のことですね・・皮がコルクになる樹木です・・おそらく畑に植わっているのかと思います・・、是非味わってみていただきたいと思います。超お勧めです!