[ oisy wrote ] なんという「優しい」カベルネ・フランなのでしょう・・・
実はあまり他言したことはないんですが、oisyはカベルネ・フラン・ラヴァーなんです。なぜ他言したことがないかというと・・・実は自分でも気づいたのは最近なんです。
目まぐるしく日々テイスティングしていく中で、ある時ふと、良いカベルネ・フランを飲んだときに、特別「癒されている」ことに気づいたんですね。
「品種はテロワールを表現する器のようなもの」と最近あちらこちらで言いまくっているoisyですが、しかしカベルネ・フランにしかない「癒され感」というものはある・・・と感じています。
ではなににそんなに癒されるのかというと・・・一言ではなかなか表現できないんですが、あえていうなら「優しさ」だと思います。口当たりの優しさ、酸のやわらかさ、タンニンのしなやかさ、それらが相まって、実際にあるわけではないのに、液体が「とろっ」としているように感じ、そのとろみが優しく舌を包み込むような感覚。これが絶妙に疲れた心体に寄り添ってくれるような感覚を与えてくれます。
そしてこのイ・マンドルリのカベルネ・フランはその「優しさ」が今まで出会ってきたカベフラの中でも群を抜いています。心と体に沁みって、溶け込むような感覚。
「純」な果実、まるで赤ちゃんの瞳のように汚れのない液体。このイ・マンドルリの類稀なる農薬が使われることなかった土地、故のものかもしれません。
そこにマダレーナの醸造技術が加わり、この優しいカベルネ・フランは出来上がっているのだと思います。イ・マンドルリの醸造技術はかなりのものだと思います。技術というかセンスかもしれません。エグ味や渋みの一切を置いてくるプレス。不安定さを産み出しかねない自然なプロセスにおいて不安定が一切ないクリーンな液体。それを実現する清掃の徹底などは液体からも伝わってくるものがあります。
そして「テロワールを醸造する」が哲学のイ・マンドルリ。そのフラッグ・シップがエレガントじゃないわけありません。新緑の時期を過ぎて盛りの広葉樹のような、青さの無い深みのあるグリーンのニュアンスが赤い果実と出会って産み出すあまやかピュアなエレガンス。
液体は重さなど感じないような瑞々しさを持ちながら、吸い込まれるような深みと奥行きがあります。
大樽系のおおらかさと通気性のあるアンフォラによる緩やかな酸化によりカベフラの癒され感は増大。
余韻に至るまでの過程に渋みやエグ味は一切なく、あるのはただ「純」で伸びやかなワイン。
はあ〜、こんな癒されるワインがあって良いのでしょうか。とはいえ、まだ若いと言えるでしょう。今飲んで十分に美味しいのですが、このイ・マンドルリのカベフラ、瑞々しさが消え始める頃合いがもっとも優しく、エレガントになると思います。この「優しさ」は「熟成」との相性がとても良いはずです。なめらかなプリンのように、口に入れたら溶けて無くなったかのように錯覚するような、「ほぐれ」が見えはじめた時、最上級の「癒し」を与えてくれるはず・・・と思います。
どうでしょう、「熟れ」を感じるのは恐らく今からだと5年後くらいかな・・・7年待てればかなり良い感じだと思います。それだけポテンシャルあります。それまでは、柔らかいので「閉じている」と感じることは少ないかもしれませんが「出てこない」のに気づかないというもったいなさはあるのかもしれません。そんな時は2日、3日、1週間と置いてみるのも良いかもしれません。。本当にそのワインの真価が見たい時、oisyは2週間から1ヶ月は放置することもザラです。(というかnoisyから回ってくるワインがそんなのばっかりだからですが)でもそうすると不思議なことにそのワインの「ポテンシャルの際」が見えてきます。まあラインを超えて行き過ぎてしまうことも多々あるので、お勧めはしませんが・・・
oisyのようにカベフラに癒しを求める方、実は結構いらっしゃるんじゃないでしょうか・・?そんな方に大変マッチするワインだと思います。ご検討くださいませ。
[ noisy wrote ] 以下は以前のレビューです。
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【さて・・!飲めない数量なので困っています・・忘れてしまうので取り合えずご紹介だけしておきますね。でも多分売れないでしょうね・・】 6本入荷の、初めて入ったイ・マンドルリのフラッグ・シップです。カベルネ・フランですね。トスカーナのフランは、フランスのフランほど青く無いし、素晴らしいワインも多いのはご存じかと思います。
普通のロッソが18本、サンジョが12本、カベルネが12本で、このフランが6本なので、前者3アイテムを1本ずつ飲んでいますから、これでフランを飲むと・・全部販売出来ても赤字決定です・・中々つらいところなんですね。
さりとて、飲まないとモノの見事に残る・・Noisy wine のお客様は厳しいので、
「noisy が飲んでいないものを・・買えるか?」
と思われているのかもしれませんね。
なので、多分売れないので、しっかり休めてテイスティングさせていただこうと考えています。イ・マンドルリのトップ・キュヴェですし、ご紹介しないでいるとご紹介しないままになってしまうので、取りあえずご紹介だけ・・です。イ・マンドルリの他のキュヴェを飲まれて、もし気に入りましたら、この非常に少ないフランをご検討ください。