● ハイツ=ロシャルデ、アルマン・ハイツのドメーヌもの、新ヴィンテージが入って来ました。今年早々に2016年のポマール1級クロ・デ・プチュール等をご紹介させていただきまして、飲まれた方はおそらく結構に・・ビックリされたことと思います。
「・・えっ・?こんなに凄い新人、知らなかった・・」
と、貴重なモノポール、クロ・デ・プチュールを飲まれた方はそう思われたに違い在りません。
それに、
「まだ早いよ・・」
とちゃんと書いてお知らせしたのに、ポマール随一のリューディ、14年の1級リュジアンのみを飲まれた方は、
「・・えっ?・・(絶句)」
となったまま、固まってしまったに違い在りません。もっともその後、noisy の文章を再度読み直して、もしかしたら「なるほど」と思われたかもしれませんが・・。
さらにはその両方を飲まれた方は、
「・・あれ・・ど~ゆ~こと?」
と、まるで同じ人が造ったようには思えない・・けれど、芯の部分では同じ・・だけれど、表情の出方のまるっきりの違いに戸惑いを覚えられたかもしれません。
さらに・・さらには、ハイツ=ロシャルデの軽快ながらもまさに「フィネス」と言うべき高貴さを表わすムルソーやシャサーニュなどの「シャルドネ」をすでに飲まれていた方が、それらを飲まれたとしたら、
「ハイツ=ロシャルデはシャルドネの人だとばかり思っていたが、ピノも余りに美味しいでは無いか!」
と思われたに違い無いんですね。
昨年末エージェントさんに泣きつかれたので、ようやっとハイツ=ロシャルデのワインに在りつくことが出来たnoisy では有りますが、ちっとも恩に着てくれないので、2017年ものは酷い入荷状況です。とてもテイスティング出来たものじゃありません。
だって、昨年末のギリギリのタイミングで1級ワインを40本も?・・緊急に仕入れたのに、2017年ものの最初の割り当てオファー数は、
「全部で7本!」
でした。
勿論ですが・・ブチ切れました・・。世界的に知られ売れるようになったから・・と言う判断での割り当てなのでしょうが、余りに酷すぎませんか?
なので、散々嫌味を言ってやりましたら・・「再考します・・」とのことで、今回の仕入れ状況になった訳です。それでも酷いのは余り変わりませんが・・。
ですが、彼のワインを飲んで、「ブルゴーニュ的フィネス」を感じました。決して濃度や凝縮度に拘るのではなく、
「如何にして自然なアロマや味わいを消さずにワインに残すか?」 今の時代、これが出来る人はまずいらっしゃいません。実際にやってみると、
「・・薄い」
「味気ない」
と言う方向にベクトルが向いてしまうからです。
アルマン・ハイツとて、わざわざ軽く仕上げている訳では無いことは、2016年のポマール・クロ・デ・プテュールを飲まれた方ならお判りでしょう。有のワインはアルマン・ハイツとしては濃密な味わいですし、感動を覚えるほどの妖艶さ、エロティシズムを感じさせてくれるものです。2017年もそのように仕上がっています。
2017年のアルマン・ハイツのシャルドネも、妖艶さと言うベクトルには全く向かってはいませんが、「超繊細なナチュラル・アロマとフィネス」と言うベクトルの量が、物凄いことになってしまっています・・。あの超密植のユベール・ラミーとは、驚くほど方向性が異なるにも関わらず、
「・・この方向性も本当に素晴らしい!」
と感動を覚えてるに違い在りません。
ほんの少しのテイスティングしか出来ませんでしたが、それでもハイツ=ロシャルデの超フィネスなワインを扱えることになったのは、運命のいたずらみたいなものなのかな?・・と思っています。是非ともこのブルゴーニュ的フィネスの具現したワインを飲んでみてください。
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ハイツ=ロシャルデです。何年か前にワイナート誌で見かけ、随分と面白そうなことが書いて有ったので気に掛けていました。
知らぬ間に付き合いの在るエージェントさんが扱い始めていたんですが、ま~・・高い!・・しかも良い畑ばかり持っているもので、そうそう手を出し辛い・・んですよね~。
だって、一通り飲んだら結構な経費になっちゃいますよ。シュヴァリエ=モンラッシェまで持ってるんだから・・(^^;; なので、日本では白が人気のようですよ。一方、赤は放って置かれていたんです・・少なくとも2019年の12月までは・・。まぁ、まともにテイスティングして販売しているショップは少ないですから、いかに新しい情報に目ざとい「ブルゴーニュワインファン」だとしても、ハイツ=ロシャルデは飲んでない方が多いでしょう。

で、noisy も、中々手を出せずにいたんですが・・年末もそろそろ掃除の準備でもしないと・・と思い始めた頃、そのエージェントの担当さんから連絡が有りました。・・そんな時の電話やメールは大抵の場合、ロクなことが有りません。「泣き」が入ったオファーです。数字が行かないと・・どうかお願いと・・(^^;;
で、そのリストを見ると、案の定、白は無いが赤は結構な数量が残っていました・・ので、早速交渉して・・いや、noisy もかなり厳しいですよ。年末に買うだけ買って、余り美味しく無くて売らずに仕舞い込むことになる危険性も飲みこんで、しかも販売は2020年になってしまう訳ですから。
まぁ・・たまには貸しておこう・・と言うことで仕入れてみた訳です。そしたらまぁ・・
「モノポールのクロ・デ・プチュール2016 の美味しいことったら!!」
ですよ。
勿論、リュジアンも良いんですが・・こちらは3年は待たないと出てこない・・と言うか、クロ・デ・プテュールとリュジアンは、造りも違うんじゃないか?・・と思ってしまうほど、味筋が異なって感じられます・・いや、詳細はコラムで書きますんで。
で・・実は年が明けて先日、またかの担当さんからメールが有りまして・・何を言うかと思ったら何と!
「すみません・・今年からハイツ=ロシャルデは完全割り当てになりました。今年の割り当てはエクセルをご覧ください。」
とばかりに書いて有ったので、よほどくれるのかと思ったら!・・もう・・ビックリですよ。
「・・えっ?」
思わず目を疑いました・・。
赤白併せて・・全部で7本・・でした。
勿論、即電話で怒鳴り散らしたのは言うまでもありません。
と言う訳で、ロクに紹介もしない内に「レア」になってしまったハイツ=ロシャルデです。いずれ白もご紹介させていただきますが・・手を出すのがちょっと遅かったかな・・noisyも・・と反省しています。
滅茶美味しいので・・是非飲んでみてください!今のところ超お勧めの生産者です!
■エージェント情報
ワイナリーの歴史を紐解くと1857年にまで遡ります。フィロキセラ害によって売りに出ていた畑をジョルジュ・ロシャルデが購入した事が全ての始まりです。
1983年にジョルジュの孫娘ブリジットがクリスチャン・ハイツと結婚し、ハイツ=ロシャルデの名でブドウ栽培を始めました。収穫したブドウは全てボーヌのメゾン・ジョセフ・ドルーアンに販売していましたが、ブリジットの息子アルマン・ハイツが醸造学を学び、2012年から家族が所有する畑の一部区画でブドウ栽培を始めました。その後、ドメーヌ・ハイツ=ロシャルデを設立し、2013年ヴィンテージを初めてリリースしました。テロワールを最大限に引き出すため、畑ではビオディナミを実践しています。
糖と酸のバランスが最大限に取れたところで収穫し、ピノ・ノワール、シャルドネ双方とも全房発酵を行います。これにより複雑性や凝縮感が増すと考えています。軽くプレスした後、ほぼ濁った果汁のまま澱と共に樽で約一年間熟成させます。毎年少しずつ畑を増やしながら意欲的にワイン造りを行っており、ブルゴーニュの未来を担う若手醸造家としてジャシス・ロビンソンも注目している期待の新星ワイナリーです。