
ポマール随一と言われる1級レ・リュジアンからレ・シャポニエール、レ・クロ・ノワールと下がって来た次がこのクロ・プチュールです。その南側には、「ヴォルネイ的」と称されるレ・ベルタンが接し、その上が(ポマールの)レ・フルミエで、ヴォルネイ側のレ・フルミエに繋がっている感じです。
なので、ポマール南部の畑はポマールっぽさとヴォルネイっぽさが同居したりしなかったり・・するところがまた結構に面白く、造り手に寄ってはかなり異なる味わいになっているのも楽しい部分です。
今回のこのハイツ・ロシャルデの2015年クロ・デ・プテュールは、正規輸入では無く・・ブローカーからリーズナブルなプライスで仕入れていますが、
「2016年ものと2017年ものの、思った以上の濃度!」
と、
「本当に・・MCか?」
みたいな疑惑と、
「美味しいのに何故かとても安い!」
と言うような気持ちが先走ってしまいまして、2ケース程売りに出ていたものを仕入れてみたんですね~・・。
面白いのは、結構にお客様もその辺りのnoisy の疑惑解明に乗っかってくれてまして、興味を持たれていらっしゃる方が少なからず存在されるのは嬉しい限りです。
だって、2016~2017年のクロ・デ・プテュールはMCならもっと時間が掛かるはずの「押し出しの形成」が、当に仕上がっていることが、
「おそらくMC (だけ)では無い」
と思っていたから・・その疑いを、この2015年ものがきっと晴らしてくれると考えても不思議はないでしょう?
で、1週間ほど休養していただいて、早速開けてみました。少し全体に褐色が入り始めた、結構に淡い感じの色合いです。そして、見た感じは・・
「これはMC!」
です。
色合いだけではなく、香りの立ち上がりも早く、しかも・・非常にエロティックです。樽の使い方なのか畑のミネラリティの組成のお陰なのか、ま~・・官能的なアロマです。
「あんたは・・ルジェか!」
とツッコミながら飲んでました。
舌の上に乗せると・・MC ですね・・これは。2016~2017年ものの、「塊で押し寄せる感じ」は全く無く、「少人数で少しずついらっしゃる感じ」がします。
そして、非常に繊細です。ここには・・いや、前回の2017年ものに書いた記事の続きみたいになりますが、プリューレ・ロックはいます。パカレも、もしかしたら独立直後の彼はいます。コサールはいない・・(^^;;
この超繊細な舌触り、要素の表情と、エロティカルなアロマで・・悶絶です・・。参りました・・これはかなり好きです!
ただし、爆発前であることは間違いなく、ただし、上手く開かせてあげたら、もう絶好調になってくれるんじゃないかと・・感じました。なので、手腕は問われるかもしれませんが、手腕は無くてもタイミングの良い方なら、このワインの絶頂時に開けることも可能かと・・思います。
また、結構にフルな感じの2016~2017年ものとは異なりまして、むしろ2016~2017年のリュジアンと醸造方法は似通っていると思います。なので、軽やかだけれど、歳を得る毎に押し出し・ボディが出てくるタイプです。
この超繊細な、瑞々しいクロ・デ・プテュールには、
「濃い味付けの料理は合わない」
と思います。
塩分控えめ、質の良い食材と調味料で軽めの味付けで行きたいですね。先日、ワインを送らせていただいているイタリアンのご主人が店を再開するとのことで、ご来店いただいた時に、ちょうど仕込んだばかりのトリッパとカプレーゼを持って来てくれました。
いや~・・旨かった~・・トロットロでね・・本当に繊細な味付けで・・そんな時にはこれ、めっちゃ合うんじゃないかと!・・思ってしまいましたよ。
そこそこに充実した、少し「押し寄せてくる」感じのある昨今のブルゴーニュ・ピノ・ノワールも旨いですが、こんな超繊細な・・下手に触ると壊れてしまいそうなバランスを持つピノ・ノワールが、実に愛らしいと感じさせられました。ご馳走様・・でした。
繊細な料理になった時には、思い出したように・・この2015年ポマール1級クロ・デ・プテュールを合わせてみて下さい。魚系も新鮮なら行けてしまうと思います。でもくれぐれも2016~2017年はタイプ違いですので、間違って選ばないように・・お願いいたします。
しかも2017年ものは11300円でのご案内でしたので相当にリーズナブルです。お勧めします!・・ブルゴーニュの世界、まだまだ捨てたもんじゃないと感じていただけると思います。
以下は2017年のこのワインのレヴューです。
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【ブルゴーニュワインが持つエロティックなアロマを濃密なニュイのワイン的な構造が支えています!素晴らしい!】
ほんと、良く判らないんですよね。全房だって言いながらも、全く全房だとは思えないような味筋・・。リュジアンは全房だとすぐ判るし、プリューレ・ロック的だと感じてしまう。
でもこのクロ・デ・プチュールにはプリューレ・ロックはいない。近いのはむしろルジェ?・・だろうか。まず香りの情報が半端無い。そしてこのエロスなアロマはルジェ的でもある。味わい自体の構成はジャイエに近い。でもそれはルジェ的では無い。
それにしても判らない。どうやって造っているんだろう?
「還元的と酸化的の中間を狙っている」
とワイナート誌でアルマン・ハイツは話していた。だからその意味ではこのワインは、その通りで有りえる。
この複雑で甘美なアロマの出来は、そうはお目に掛かれないと思う・・まだ完全に落ち着いた状態にはなっていないとしても。
しかし今飲むのであれば、1月にご紹介させていただいた2016年が先だろう。ポテンシャルは2016年と同等以上。この先10年ほどのスパンの間に追い越すことは間違いない。
それにしても、リュジアンと同価格にしなかったと言うことは、アルマン・ハイツ自身の中での評価がそうだと言うことも間違いなく、還元と酸化の中間で有るクロ・デ・プチュールと、より還元に・・いや、ほぼほぼ還元状態に置かれているリュジアンとの味わいの差が、良く判らない。レ・ペズロールを飲めば何か判るのだろうか。
今飲んでもとても美味しいです。香りが半端無い・・それでノックアウトを食らってしまう感じです。味わいの方は完全には落ち着いていないので、欲を言えば少し休ませるべきでしょう。
価格の方も出来るだけ頑張りました。前回の2016年ものは1万円切ってのご紹介でしたから。是非飲んでみてください。もしレ・ペズロールも飲まれましたら教えてくださいね。お勧めします!
以下は2016年のこのワインのレヴューです。
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【うお~!・・これは激旨です!・・実に官能的な魅惑のアロマを持ちつつしっかり押して来ます。2017年ものの上代は15000円です。必飲!!】
滅茶苦茶旨いです!・・素晴らしい!・・まだまだ開かないリュジアン2016より、こちらをお薦めしますよ。ポマール1級プチュールの真の実力を初めて感じていただけるワインかと思います。最も、ここはモノポールの「クロ・デ・プテュール」ですが・・。
ポマールにおいてグラン・クリュが出来るとすると、真っ先に名前が挙がるのはご存じ「リュジアン」です。ここは上部のリュジアン・オーと下部のリュジアン・バに分かれており、やや軽めでエレガントな上部のリュジアン・オーに対し、濃密さの在るリュジアン・バが勝ると評されます。
リュジアン・バから少し下がったところにこの「1級レ・プチュール」は存在します。リュジアン・バ-->レ・シャポニエール-->レ・クロワ・ノワール-->レ・プテュール と来て、国道下の1級 クロ・ミコと言う繋がりで、リュジアン・バをやや重量感のあるスタイルにした感じになっています。
香りが何とも素晴らしく・・これ、嗅いだら虜になっちゃいますよ。重心が低いところから湧き上がるようなニュアンスで、滅茶香しい上質な動物香が混じった黒赤果実。中域がたっぷりと充実して存在しますが、野暮ったい部分は無く、たっぷり感じさせてくれた中盤以降、実にエレガントで長い余韻を感じさせてくれます。
今飲んでも素晴らしいですが、この先15年は充分に楽しませてくれるでしょう!
まぁ、ハイツ=ロシャルデの赤ワインは100%全房発酵だとのことですが・・どうでしょうね。リュジアンは全房だと思いますが、こちらは少し違う方法を取り入れている可能性も有るかと感じました。
非常に高いポテンシャルを持っていますし、高いレベルで評価されるべき仕上がりかと思います。現状だけを見た評価をするとなればリュジアンよりも間違いなく、高い点が付きます。
飲んでビックリしてください。超お勧めです!・・全部買っちゃいましたので、エージェントさんにも在庫は無いはずですし、2017年ものの上代は15000円!・・しかも2017年もののnoisy の割り当ては、たった2本だそうです(その後少しだけ増えましたが・・来月のご案内を是非お楽しみに!)。ご検討くださいませ!