
相当に久しぶりのアニェス・パケです。どうでしょう・・10年近いかもしれません。
「天は彼女に二物以上を与えた!」
なんてコピーを見てしまいましたので、
「そりゃぁ・・飲まんといかん・・」
と思ったから・・だったような気がします。
実際のところ、ピュアで繊細、果実はとてもプリップリで美味しいピノだったと感じた記憶が有ります。ただ、滅茶ピュアなんですが、決して近寄りやすいスタイルなのかどうか?・・みたいな疑問も一緒に有ったようにも思います。
因みに上記のコピーは、堀晶代さんの「リアルワインガイド ブルゴーニュ」と言う2006年に出版された本に書かれています。
で、このところの新人・・結構いらっしゃいますよね~・・ビオ系だったり自然派系だったりしますが、そんな新人たちの姉御になっているようなのがこのアニェス・パケさん・・のような気がしてるんですね。結構に、
「アニェス・パケで修行」
なんて書いて有ったりするんですよ。
なので、エージェントさんのオファーが有るたびに、どうしようかと・・悩んでいたんですね~・・何せ、最初に仕入れた2007年のA.C.ブルの評判と言うか、反応みたいなものが余り無かったものでして・・。
で、10年ぶりに仕入れてみたのがこのオート=コート・ド・ボーヌのデクラセのA.C.ブル2017年なんですね。
呆れるほどに化粧ッ気の無い・・余分なものは一切足さない・・みたいな味わいの、ベリー・ピュアなベリーが、これまた非常にドライなエキスから香って来るんですね。
味わいも強い酸は無く、質素なんだけれども芯のしっかりした女性を思わせる、非常にクリーンでクレバーな感じを受けました。
ミネラリティは充分で、やや冷ややかなオート=コートの特性も感じますし、ヴォルネイをややライトに振ったような明るい味わいです。因みにムロワジー村はポマールの村中から西に3~4キロほど向かった辺りに有りますが、ポマールと言うよりはヴォルネイです。
今飲んでもピュアな味わいが弾けますので、自然派系ブルゴーニュ・ピノ・ノワールが大好きな方には受け入れられると思います。また2~3年の熟成で、大きく「押し出し」が出てくる感じですので、より大きな味わいを望むようでしたら少しセラー保存されると良いでしょう。
あっけらかんとした、芯の強い・・でも可愛らしい化粧ッ気の無い女性・・・で姉御肌を感じていただけると思います。・・今思えば、
「余り・・変わって無いよね・・でも、それが良いんだよね・・」
と、その一環したスタイルをも愛でていただけると思います。ご検討くださいませ。