【素晴らしい出来のオーセ=デュレッス・ブランの村名!ムルソーが持つ粘性粘着を弱めた硬質でタイトなオーセ・ブランながらもナチュールなアプローチがしなやかさと深さを与えています!】

フランス語と言うのは noisy には難しいもので、
「単独の子音は発音しない」
などと・・学生の頃の仏文科の同級生に言われたもので、すっかりそれを信じていると・・どうも・・違うようだ。まぁ・・第二外国語で仏語を履修しておけば良いものを、
「この歳になって今更全く縁も所縁もない外国語を一から勉強など出来るもんか!」
とばかりに、第二外国語は必修科目だったので・・少しは見覚えのある漢字を使う中国語を選択してしまったんですね。今の世界情勢になってみれば、
「先見の明が有った」
と言えなくもないですが、そもそもワイン屋なのに仏語は判らないし、中国語にしても「中国很大(チュンクォヘンター?)」と、物凄い発音(四声)で発生するくらいしかできないので、そんな程度では何の意味も有りはしません。
この畑はオーセの西の果てに近い、サン=ロマンとの境界に近いところにある村名の畑のようですが、
「les Hoz」
と書きます。まず・・ここで引っかかってしまう訳ですよ。結構に悩みます。そもそも・・
「Auxey-Duresses」
にしても、日本語だと皆さん、「オークセー・デュレス」とおっしゃってますが、フランス人の方は本当にそう発音しているでしょうか。Google の自動翻訳で出来る発音は、
「完全に・・オーセデュレス、もしくはオーセデュレッス」
と聞こえます。
なので、この「les Hoz」を Google自動翻訳や、他の無料で発音を聞かせてくれるサイトで聞いてみると、
「レ・ゾズ」
と・・最後の「z」をしっかり発音しているんですね・・。

数十年前に記憶に刷り込まれてしまった「単独の子音は発音しない」と言う呪文は、どうも嘘だったらしいと・・hotel も「オテル」に聞こえますしね・・まぁ、noisy に刷り込んだその友人も、習ったばかりのことを確認もせずにそう言っただけ・・なのかもしれませんし、noisy がそのように言われたと覚えているだけで、決してそのようには言ってなかった可能性も有りますから・・まぁ・・若気の至りと言うことなんでしょうね。
2020年の上級キュヴェ、パシアンスNo13の出来が良く余りに美味しいので、流石にパシアンスと比較してしまうのは可哀そうでは有るんですが、それでも・・
「アニェス・パケのワインが持つ優れたナチュールな味わい!」
はこのレ・ゾズにも生きています。・・あ、因みにエージェントさんは「レ・ゾ」と言っているようですので、ネットで検索する時は、レ・ゾの方が良いかもしれません。因みにパシアンスと言うのは「困難・忍耐」を意味するようでして、相当に苦労して葡萄、もしくは絞ったジュースを選別しているようです。つまり、
「キュヴェ・レ・ゾズはパシアンスにはなれなかったジュース」
と言うことにもなるかと思います。
流れるような飲み口でナチュール感が生きています。ほんのりと酢酸のニュアンスは有りますが強くは無く、柑橘系の果実、そしてその果皮、ほんのりとそのドライフルーツのニュアンスを感じます。余韻もそこそこに長く・・美味しいです。
価格も実は相当頑張っていて、本来ですと5千円はこえて値付けするところではあるんですが、飲んでいただきたい気持ちで抑えています。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしい出来のオーセ=デュレッス・ブランの村名!ムルソーが持つ粘性粘着を弱めた硬質でタイトなオーセ・ブランながらもナチュールなアプローチがしなやかさと深さを与えています!】
良いんじゃないでしょうか!・・中々の仕上がりでした。彼女が描く、
「食の世界とのマリアージュ」
の意味を、このワインが何となく教えてくれているような気がします。
揮発酸のレベルはかなり低いですが、確実に在ります。ただし判らないかも・・しれません。もう・・味わいの一つになってしまっているんですね・・ただし、まだ完全に溶け込み切ってはいないです。
東にあるムルソーのワインたちと比較しますと、「ねっとり」した部分、そして「大理石そのもののガチガチな部分」を持ってはいません。なので、
「ムルソーから粘りと大理石のニュアンスを除き、白っぽいミネラリティとナチュールらしい青々敷く伸びて行く葡萄のツルや柔らかいフカフカの土のニュアンスを加えた感じ」
がこのオーセ=デュレッス・ブランだと言えます。
ジャスパー・モリス氏は87~89ポイントとまぁまぁの評価でした。noisy的には2ポイントほどは低いか・・と思いますが、彼のスタイルだとこれでも相当褒めている方なんだろうと思います。

色合いはムルソーに似ています。ただしよく見ると、ムルソーの西や南のミネラリティが厳しい畑ほどの硬質感は写っていないように思います。すでに柔らかさが見える・・んじゃないかと思いますがいかがでしょうか。
やはりビオ系ですから、アロマはふんわりしつつもスピードが速く、ノーズへの到達はすぐです。適度な拡がりを見せ、ノーズに還るアロマもまた柔らかさを持っています。余韻も異常に長く押して来ますし、オート=コートほどの揮発酸の最後の切れ上がりは無く、ある意味自然な収束を見せます。
で、この「余韻の長さ」は・・なんでしょう・・相当に長いですよ。食とのマリアージュはこの柔らかいテクスチュアがいきなりの衝突を避け、優しく包み込んでくれるんじゃないかと思います。
もし可能でしたら・・そうとう長い間エルヴァージュした、「N12」との違いを見ていただくと良いかと思うんですね。あれはワイン自体の完成度も高いですが、
「食とのマリアージュへのアプローチ方法が異なる!」
と感じています。
素晴らしいオーセ白でした。是非飲んでみて下さい。お勧めします!