【ナチュール系ブルゴーニュ・シャルドネの最高峰だと素直に思える、飲み心地が半端無い・・シミジミ旨さが染み入る逸品!・・今飲んでも最高に旨いです!】

例えば先だってご案内させていただいたギルベール・ジレのアリゴテやシャルドネは、
「ブルゴーニュ・アリゴテはもはやその格を大きく超越し、グレートな出来のシャルドネを脅かすし、サヴィニー1級レ・プイエ・ブランはグラン・クリュかと見紛うばかりの出来を見せる!」
と誰もが言いたくなるほど・・でしょう?
ギルベール・ジレはナチュール的にはビオロジック(有機栽培)に過ぎず、しかし・・馬や人力による耕作、葡萄の収穫も何度かに分ける・・など、ワインの造り込み以前の葡萄に対するアプローチは、単なる減農薬栽培では有り得ないだろうと想像出来ます。
そしてこのアニェス・パケのアロース=コルトンの最高峰とも言える「パシアンス」ですが、アニェスも実はリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。これは、必要な時は農薬も使う・・それ以外は使わないと言う栽培方法ですから、
「言ってみれば、有機栽培のギルベール・ジレの方が理論的ナチュール度としては高い!」
んですね。
ですから、
「どっちがよりナチュールなの?」
と聞かれますと、
「・・ギルベール・ジレ」
と言うことになってしまう訳です。実際、彼はとんでもなく理詰めでもあるようですし、半端無い自己的な完全主義を貫いていると思われます。
しかしですよ・・実際に飲み比べた上で、自分の正直な感想として・・
「どっちがナチュール度が高いと思う?」
と聞かれますと、おそらく10人中9人以上が・・(^^
「そりゃアニェスだよね~・・!」
と答えるはずです。

このコラムでは、
「どこがどうだからこうである」
のような noisy 的な回答は致しませんが、ほとんどの方がアニェスのこのパシアンス14を、よりナチュール度が高い・・いや、「より」では無くて、
「ブルゴーニュで最高のナチュール度に近い!」
と判断すると思うんですね。
まさにふんわりと柔らかな畑を思わせるやわらかく優しく伸びやかなアロマが伸びて行きます。アロース=コルトンと言う村名のアペラシオンで有りながらも、コルトン=シャルルマーニュ風の細やかな白い石灰の風味に、黄色や茶色を含んだ大理石のような、硬い岩の風味も混じります。
ボディはふんわり、柔らかく、真ん丸なパレットを描きますが、その輪郭のエッジすら・・見つけられない、探しきれないような白っぽくも透明な輪郭に幅を感じますし、その幅は生きているかのように動いているように思います。
余韻もまたその「余白」の美しさを感じさせる長い時間が有り、ノーズへの幸せな還りがまた、心地良い時間をさらに飾ってくれるような感じです。
飲み心地・・と言う点で、おそらくこの
「パシアンスに勝るもの無し!」
と言いたくなってしまうほど、テクスチュアやノーズ、余韻の美しさに惚れ惚れしてしまいます。
言ってみれば、ギルベール・ジレの白ワインとは・・「真逆」で有り、よりナチュール度は低いはずなのに、
「最高のナチュール度!」
と言いたくなるほどに・・心地の良いナチュール感を感じます。
まぁ・・ルロワにしてもルフレーヴにしても、ビオだからナチュール度は高いと感じるか?・・と言うような、
「感覚と実践の乖離」
は有ると思うんですね。ルロワはともかく、ルフレーヴは「パキッ」としていますから・・あ、最近は飲んでないので変わっているとしても、感覚的に感じるアニェス・パケのナチュール感にはまったく届かないでしょう。
「飲んでいてとんでもなくハッピーなシャルドネ!」
で有ることは間違い在りません。ぜひ飲んでみてください・・
「いつの間にかそっくり割り当てになってしまったパシアンス!」
です。超お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【パケのオーセ=デュレッス・ブランの最高峰です!・・流石に旨い!・・瑞々しく薫り高く流れるような飲み口のエレガントなシャルドネ・ナチュール!】
旨いですね~!・・ちょっと他のキュヴェとも・・頭抜けて質感が高いです。
それに他の生産者さんと比較しても、危険性の無いノン・アヴァンギャルドで、ここまで嫌味の無いナチュール感をそこはかとなく感じさせてくれるシャルドネも無いと言えるかと思うんですね。
新樽率は30%と言うことですが、樽の大きさが通常のものよりも大きく、樽材からの影響を余り受けないようにしているのかな・・と思いますが、それも大きな寄与をしたナチュール感だと思います。2020年、葡萄が良く熟しまして・・でも水不足に悩まされた訳ですが・・
「そんな感じは一切無い!」
と言い切れるエレガントなシャルドネです・・そもそも・・
「・・こ・・濃い」
とは思わないでしょうし、勿論、
「・・ちょっと・・薄いかな・・」
と言うことも有りませんで、
「ドンピシャな濃度!」
からの
「エレガントなシャルドネの美味しさ」
を表現されています。

基本的にアニェス・パケさんは、できうる限りSo2は使いたくない人・・だと思います。勿論、使わなくてはならないと感じたら使う人でしょう。
ですが、この「パシアンス」は葡萄を選び、良い果汁を選択して造っているのでしょうから、そのSo2の使用量はとことん低い・・もしくは使わないに等しいレベルだと伺えますから、
「飲み口が良くて良く香り、流れるように余韻まで突入・・美しい姿を保つワイン」
ですし、
「飲んだ後が非常に楽・・と言うか、アルコールを摂取した後のような感覚が薄い」
と感じます。
良くある高級シャルドネの、
「・・どうだ~!・・凄いだろ~~?」
みたいな、ちょっと尊大に見せるような感じが全く無い、美しいシャルドネです。これは旨いです!・・ですが実は限定で割り当て品だったりします。お早めにご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【なんと上値94ポイント!・・ジャスパーさんって自然派もOKだったんですね。これ、相当完成度が高いです!村名オーセとの味わいの違いを是非感じてみて下さい!】
そもそもジャスパーさんってビオはダメなんじゃないかと・・思いこんでいましたので、上値94ポイントなどはあり得ないと思っていた分、ビックリしました。
しかし、極太ボトルに入ったパープルなエチケットは、他のアニェスのワインとは別格の存在感を見せます。
それでも価格はどちらかと言えば「知れたもの」程度で、6千円程度のシャルドネにはちょっと見えませんよね。
さっそく開けて見ると・・
「同じ村名オーセ・ブランを長い貯蔵しただけ・・とは思えない!」
凄い味わいでした!
まぁそうですよね。これだけ外観にもこだわったのなら出来は良いはずですが、飲んだ感じ、きっと同じポテンシャルの葡萄を使用したのでは無いんじゃないかと思います。
少し黄色とウス緑がより濃い外観。コルトン=シャルルマーニュっぽいミネラリティが漂うものの、蜜っぽいニュアンスが入り込みます。スピードも速くふんわり感が高いです。
口に含むと・・複雑ですね・・相当に口内を立体的にさせられます。酸の構成がほぼ球体。その中心に白く粉っぽいミネラリティが存在していて、酸を押しのけて柔らかなミネラリティが顔を出します。

中盤以降の酸の味わいが凄いですね。これはちょっと・・普通のシャルドネでは余り感じたことは無いです。もっと締まっていて、線が細くて、緊張感が有って・・と言うのはそれなりに多いですが、柔らかくて、線が太くて優しくて丸くて・・って、どちらかと言うと、
「赤ワイン的な味わい?」
なのかもしれません。
どのようにこのワインが造られたのかは、上部の写真の下に書いてあります。取りあえずは同じ葡萄だとするなら・・
「それは信じられないほどの違い!」
だと感じます。
アニェスは、「食とのマリアージュ」を大事にしている・・それはワインを飲んでも伝わって来ます。村名オーセ・ブランもそうでしたが、その方法がまるで異なるのが面白い・・
こちらは、
「複雑で豊かな球体感たっぷりの酸の美味しさ!」
で、食とのマリアージュに挑戦しているのでしょう。
魚介系も良いですが、肉系も相当行けるかも!・・しかも、揮発酸由来のものは有りますが・・かなりマッチングして溶け込んでいて、おそらく余り気付く方は多く無いと思います。
なので、
「結構、誰にでも美味しい!と言ってもらえるか?」
と思います。非常に豊かな味わい、アロマのシャルドネでした。是非飲んでみて下さい!一推しです!