
そもそもボルドーのリーズナブルなワインは、雑な扱いで輸入されることが多く、また、余り上昇志向が感じられないワインに、自身の中の優先順位が「駄々下がり」してしまったことから、ネットショップ開始前からボルドーの在庫は多く無かった・・と言うような過去が有ります。
ブルジョワ級やエクセプショネル級の中には、それでも見るべきものが有るワインは散見されたのですが、輸入されたワインのほとんどは何らかのダメージを負っていたと思います。ネットショップを始めたのが1998年ですから、その頃はまだまだ、輸入環境は良くは無かったと思います。
2000年以降はだいぶ輸入状況は良くなりましたが、それでもボルドーのワインは日本での花形で有ったのもあるのでしょうが、「価格命」でしたので、コストを掛けずに輸入され、良く無い環境で販売されていました。
なので、ネットショップ開始後からブルゴーニュワインの扱いが多く、随分と変な目で見られたのを覚えていますし、リーズナブルなボルドーワインのテイスティングはしたとしても、店頭に並ぶのは本当に僅かだった訳ですね。
今回のシャトー・ブランドーはカスティヨンの自然派です。「右岸」と言われるドルドーニュ川沿いの丘陵地帯に有って、最も下流の「ポムロル」から遡ると、広大な「サンテミリオン」が有り、その上流に「カスティヨン」が有ります。以前は「コート・ド・カスティヨン」と言うA.O.C.でしたが、現在では「コート・ド・ボルドー」の一つとされ、「カスティヨン・コート・ド・ボルドー」になっています。
高級なメルロを100%使用したセカンド・ワイン?だと思いますが、メルロの深く少し粘る茶~黒い綺麗な土のニュアンスに、黒から茶、紅色の果実、質の良いソフトなタンニンが有ります。
テクスチュアがガサガサでボディが薄っぺらだと、
「これだから・・安いボルドーは・・」
などと思ってしまうんですが、プティ・ブランドーは決してそのようなことは有りません。
また、非常にドライで甘みに寄っかからない造りです。流石にファーストや、レ・デルニエール・フレール の滅茶心地良いテクスチュアには届きませんが、この位のデイリー価格のボルドーでは、相当上位に来るほどの仕上がりに感じられました。
リーズナブルですし、重要な部分には手をしっかり入れ、でも余計な事はしない・・そんな自然派のスタイルを踏襲していると感じられます。是非ご検討くださいませ。お勧めします。