【残留So2濃度が2mgって・・マジですか?・・ロタイ・ロッソを白ワインに仕上げました・・と言うような感覚!・・そのセンスが素晴らしい!】

出来るんですね~~・・それって相当なマジックに近いと思うんですが・・いや、
「瓶詰時だけに少量So2を使う」
って、言うのは簡単ですが、出来るのかなぁ・・って出来てるんですよねぇ・・。
この鮮やかなパッションを感じさせるピンクに、一点の曇りも陰りも無いのが凄いですし、瓶詰時だけに少量So2を使う・・その結果、
「1年後の残留So2値が2mg!」
って・・そんなの聞いたことが無いレベルですよ。
普通は40mgでも少ないですからね・・80~100mgほどが普通じゃないでしょうか。それ以上になって来ますとちょっと多いですし、その倍ほどになってしまうと倉庫で足止めを食うことになってしまいます。
そんな数値ですから、
「とてつもなく美しく伸びやかなアロマ!」
なんですね。
そして、ミネラリティ由来の硬質でスレンダーなボディをしていて、テッカテカにコートされた新車のような輝きさえ感じます。
酸のボリューム感も通常のロゼワインには無い3D感覚。どことなく感じる黒葡萄の果皮のニュアンスと、その酸がバッチリ合っていて、滑らかでも有り、フレッシュさも感じるという微妙な表現をしようとしているように感じます。

残糖分もほぼ無い・・滅茶ドライな味筋でありながら、薄辛さを感じさせないライン。むしろ太ささえ感じさせますが、硬質なクリスタル、石英のニュアンスがボディをコートしていますから・・やはりスレンダーなんですね。
これ、少し熟成させても滅茶面白いはずです。サンソニエールのロゼとはちょっと真逆の感覚なのに、似たもの同士のようにも感じます。
「おぬし、何者!?」
と思ってしまうのは・・前回も同様でした。美味しいです。日本のワインでは絶対に実現が無理筋な出来だと思います。素晴らしい!お勧めします。飲んでみてください。
以下は以前のレヴューです。
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【これほどまでにしっかり充実した味わいのロゼは久しぶりでした!ピュア感は味わいにバッチリと、ナチュール感はノーズで優しく感じられます!】
実に美しい「赤」を見せつけてくる「ロゼ」です・・。黒葡萄を少し漬け込んで色合いを抽出してから圧搾、醸造したキュヴェです。赤ワインと白ワインをブレンドしたものとは異なります。
何ともエレガントな味わいですが、思いの外充実しています。線が細そうに思えるかもしれないんですが・・結構に太くなってくる感じです。でも決して、
「タンニンの存在が・・」
「抽出の強さが・・」
と言うような、軽妙さに対してのネガティヴな印象を強くするものでは有りません。
そしてやはり・・このインドミティならでは、と言うことになろうかと思いますが、
「So2を使用しないで醸造する」
ことが、このワインの全てを物語っている・・と言うか、インドミティの全てがそこに在る・・とも思います。まぁ、澱と一緒にマロラクティックを温度調整しないで自然に・・などと言うアプローチも、
「軽やかなのに充実した香りと味わい」
に寄与しているのも間違いないですが・・。

アルコール分は12度ほどなので、決して強くは無いです。なので、ボディ感はむしろ乏しいはず・・なのに、最終的にはしっかりと大きさを感じさせてくれる・・エレガントなロゼ・・と言う不思議な味わいを持っています。
フリッツァンテの項でも書かせていただきましたが、どこかピエール・ボージェを彷彿させるように感じます。まぁ、もう少し放置主義は取らない、正統派なスタイルだとしても・・です。
色落ちはしますが、赤なので・・ちょっとくすんでくる感じで無くなってしまうと思います。
「発酵が・・終わらない・・」
などとシモーネが言い出さない方が良いかな・・。その辺は何とも言い難いですが、
「発酵が進まず10年も放っておいたキュヴェをリリース」
と言うのは、反対に怖いもの見たさで興味は沸いてしまいますよね。まぁ、ナチュラルワイン大好きな方限定かもしれませんが、もしラシーヌさんがおっしゃっていることが真実であれば、
「あのシルヴァン・パタイユの2019年もまだ発酵が終わらない」
と・・昨年暮れには言っておりましたので、noisy としましては・・
「・・それって・・ワインなの?」
と・・。色々と有ります。是非ご検討くださいませ。