【ピュア感が増し、テロワールの輪郭がよりハッキリとしてきました!不思議と見えてくるのはブルゴーニュのあの村・・・なぜなんだ!?】[ oisy wrote ]
[ oisy wrote ] やはりニグリンヌも2018ヴィンテージとはスタイルが違い・・・ピュア感は増し、素材であるブドウをよりダイレクトに感じられるような造りになってきています!
ジューシーさとバター感が混在したようなエレガンス・・!これに近い香りを嗅いだのは、最近ではビッビアーノのグラン・セレツィオーネでしょうか。まるで質の良いメルローのようではありますが、主体はカベルネ・フラン。ここまで青さの無いカベフラもなかなか無い・・と思います。
ピュア感に磨きがかかったことで、より「酸の輪郭」がハッキリとしてきました。ディティールがより明確になったことで隙間があれば見つかりやすくなってしまうものですが、エキスの積層感が高くなったことにより、そのあたりもカバーされています。樹齢が上がってきたのが大きそうです。
不思議な感覚ですね。恐らく、地理的条件や品種などを鑑みるにボルドー的な味わいであるかと思うんですが、スタイルがブルゴーニュ的なので、飲み心地が軽く、エキスに富んでいます。ボルドー的でもあり、ブルゴーニュ的でもある・・・脳がバグるような感覚です。ただその方向性は間違いなく、ブルゴーニュの生産者が目指しているスタイルと同じなんだろうなと感じます。
肌触りも良く、タンニンもシルキーで、気にするレベルにすらありません。最近だとシャトー・カズボンヌのスタイルに似ているかもしれません。ブドウに自信がないと、できないスタイルです
温度が上がるとよりこのエキスの柔らかさとピュア感は増してきます。うっすらとヴォーヌ・ロマネのカゲロウが見えてくるような赤い果実感が膨らんできます。この地理的条件と品種で・・?と思われるかもしれませんが、不思議なことに結構な頻度でチラついてくるんです・・・
一度も農薬が使われていないピュアな畑を求め、わざわざ山を開墾し、10年かけて作った畑。それがこれほど「純」なワインを産んでいるのかもしれません。
地質学の権威が人生をかけて造るワイン、最終的な形はまだこれからなのしれませんが、私たち単なるワインラヴァーの見えている景色とは全く違うものが見えているんだろうな・・・と実感します。そしてブルギニョン夫妻の見ているもの知るには追いかけ続けるしかないのだとも。このワインを飲んで、追いかけ続けていきたいと強く思いました。
樽使いが大きく変わったのは、様々な試行錯誤を繰り返しているからということもあるでしょうが、「下手な古樽を使いたくない」というのもあるのかもしれません。ここまで丹精込めて造り上げた大事な大事な畑です。古樽をどこかから調達してきたら以前に使われていたブドウの成分が樽に染み込んでいるわけです。そこに染み込んでいるワインが農薬を使われていたものだとしたら・・・それは今までの努力をパーにしてしまうものと考えても不思議ではありません。
だとすると古樽も自身のワインで使用したものを使いたいと考えるのも自然な流れです。なのでファーストやセカンドヴィンテージは新樽をどうしても使わなければなりません。初年度の樽が古樽として使えるのは3~4年目くらいからでしょうか・・・それまでは例え自身の理想とするスタイルと違ったとしても待たなければなりません。(あくまでoisyの勝手な推察ですが) もしこの考察が正しければ2021ヴィンテージはようやくブルギニョン夫妻の求めるワインができるようになった・・・ということなのかもしれません。白はジャック・セロスの古樽を使用しているそうですが、赤は特に記載がないので、自身の古樽を使用していると思われます。
素晴らしいワインです。年々確実に良くなっていますし、樹齢が増してくると恐らくもっと良くなるのでしょう。2021はラロック・ダンタンのワインにとっても大きな変化があった年だと感じます!ご検討くださいませ。