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テルトル・ド・ラ・ムレールはサンテミリオンの東に位置するSaint-Etienne-de-Lisse(サン=テティエンヌ・ド・リス)村にわずか1.66ヘクタールの畑から生産されています。 近くにはヴァランドローやロル ヴァランタン、また2010年にグランクリュ クラッセに昇格したフルールカーディナル等の畑が隣接しています。 | |||
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醸造は自然酵母で発酵を行い、ボルドーの伝統的な方法を用い約3週間のキュヴェゾン。又温度が30度以上になった場合はデレスタージュを行い温度を下げます。マロラクティック醗酵はタンクで行い全体の65%は新樽。残りの35%はタンクで約16カ月間の熟成を行います。彼はこのワイン造り以外に2004年よりシャトー・テルトル・ロートブッフでも働いており、畑と醸造の管理もしています。また、テルトル・ロートブフのオーナーでもあるフランソワ・ミジャヴィル氏の娘ニナさんは彼の妻であり、現在はこのワイン造りにも参加しています。 | |||
●栽培について 葡萄の成長をよく観察し、病気にならないように予防すること。非常にシンプルな考え方です。テルトル・ロートブフのミジャヴィル氏とは同じ考え方でよく意見交換もしています。葡萄は過熟手前の完熟状態で収穫します。葡萄が完熟することによって、醸造時に発生する香りをよく抽出することが出来ます。 また、葡萄本来の香りは、熟成によって失われますが、醸造によって得られた香りは熟成することにより安定し、経年によってより綺麗な熟成の香りになると考えています。 畑面積:1.66ヘクタール、1.2ヘクタールはサン=テティエンヌ・ド・リス村の平地に位置しています。最も標高が高いところで80メートル。残りの0.46ヘクタールは標高50メートルの西向きと北向き斜面です。 アペラシオン:サンテミリオン 土壌:石灰粘土質。表土に粘土と細かい砂、石灰が混じります。下層はヒトデ石灰岩です。 平均樹齢:40年葡萄品種:メルロー80%、カベルネ・フラン20% 長きに渡り、私たちの舌を魅了してくれた素晴らしい2009年、2010年の後で、特異な気候条件となった2011がやってきました。収穫の日付、その品質については、当初、まったく想像もつきませんでした。温厚で乾いた冬を経て、2010年よりも10日早く開花しました。(1900年から見て、2番目に暑い4月となりました)非常に早い生育を約束された年となったのです。 しかし結果的に水不足により、結実が遅くなり、例年通りの成長速度となりました。水不足を私たちの偉大なテロワールが補助的に作用したのです、粘土石灰質土壌!) そしてこのことで、私たちはこの年が非常に偉大なミレジムとなるべく進んでいることを確信したのです。残念ながら、7月は降水がなく、涼しくなり、ヴェレゾンが7月18日となりました。葡萄の成熟は遅く、乾いた冷涼な8月、9月となりました。異例かつ複雑な成熟を迎えた年となったのです。私は株という株、房という房を見て回り、手作業で未熟果を排除しました。この丁寧な処置のお蔭で、腐敗果はほとんど出ませんでした。そしてボトリティスが落ち着いたタイミングで天気予報を見て収穫が決まったのです。2011年は9月22日に収穫を始め、24日に終了しました。2011年は、美しく溌剌としたヴィンテージです。黒系果実、カシス、桑の実、甘いタンニンを持っています。黒いサクランボやプラムの香りを伴う、十分に長い余韻へと続きます。 【メディア情報】 毎年、デキャンター誌では、テルトル・ロートブフのセラーで無名なワインを選出する試飲を行います。今年、本誌で最も衝撃的だったのは、サン=テミリオンで有機栽培を行う小さなシャトー、テルトル・ド・ラ・ムレールでした。巨星テルトル・ロートブフの直後に提供されましたが、それにも関わらずそのピュアさと透明感は輝いていました。 オーナーのエリックはテルトル・ロートブッフで以前働いていた時に(テルトル・ロートブフのオーナー)フランソワの娘で現在、妻であるニナに出会いました。2008年までは、この小さな土地(1.6ヘクタール)から生産されるワインは樽でネゴシアンに売られていました。ニナは彼の一大決心に対する評価を敢えて求めてはいません。しかしエリックのワインがニナの父親と同じワインのレベルを持っていることは明らかなのです。 Nicola Arcedeckne-ButlerMW2011 5月 |