● いや~・・ビックリしました!・・2022年もののシュヴィニー=ルソーですよ・・。思わずフィネスさんの担当さんに電話してしまった位ですから・・はい。
シュヴィニー=ルソーってピュアで一途、ナチュール感もふんわり感も有って美味しいんですが、何と言いますか・・
「どこか漂っている愛想の少なさ」
が、飲むタイミングにより感じられるのがね・・と思っていた訳です。

ところがですね・・これもフィネスマジックなんでしょうかね。いや、フィネスさんのワイン、新入荷で入って来て何年かで大化けすることが結構にして有るんですが、それを noisy は勝手にそう呼んでいるんですね。
「美味しくなってからリリースする主義のシュヴィニー=ルソーが仕上げてすぐの2022年ものを数アイテムリリースしてきた!」
ので飲んでみると、
「レ・シャン・ペルドリ2022年の、信じられないようなパフォーマンス!」
に・・驚かされたんですね。左の写真をご覧ください。この色彩!・・村名の訳が無い・・そう見えませんか?・・ルーミエさんの1級をややタイトにドライに・・もしくはシルヴァン・パタイユが乗り移ったか?・・(^^;;
まぁ・・本来は、1級オ・レイニョとラ・ターシュに接した畑です・・ラ・ロマネもロマネ=コンティもすぐそこですから、村名格がオカシイ位の畑な訳です。でも、一向に凄いレ・シャン・ペルドリに出会わない・・一番うまいのはシュヴィニー・ルソーでしたが・・
で、その村名レ・シャン・ペルドリはとんでもなく旨いし、村名ヴォーヌ=ロマネも素晴らしいので、今回リリースになった2022年ものの1級も飲みたかったんですがすべて2本ほどの入荷・・・実際には確かめきれませんでした。
ですが、
「2022年のシュヴィニ=ルソーは絶対に買い!」
と言う気持ちを萎えさせる証拠はどこにも無く、ほぼ同時期に飲ませていただいた2018年もの、2019年ものも・・今までの「愛想の少なさ」が感じられず、
「・・あれ?・・これって・・ドメーヌが変わったか、フィネスマジックか?」
と・・完全には結論が出せずにいます。
今回は2019年もののレ・ルージュ・デュ・バのエシェゾーも開けさせていただきました。お楽しみいただけましたら幸いです。
■ ドメーヌより
2022年は太陽の年と言っても過言ではないヴィンテージで、春から暑く乾燥し、夏はさらに暑く日照量が多かった。ただ、暑さの影響でいくつかの区画では日焼けなどの被害もあったが、我々の畑では葡萄の根が深くまで伸びているので夏の水不足のストレスを受けることがなく、成熟は素晴らしいものになった。色調は濃く深いガーネット色、良く熟した赤い果実のアロマと新樽由来のバニラ香、口当たりは力強いが丸みがありスパイシーな果実味、飲みやすくて食欲をそそるような味わいでとてもバランスが取れている。早くから飲めるが長く熟成することもできるだろう。
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シュヴィニー・ルソーです。noisy も20年ぶりに再会したドメーヌです。なので、
「どんな造り手さんだったか?」
が今ひとつピンと来ておらず、お客様も少しどうして良いか・・どんなワインなのか今ひとつ判らずに狼狽?しているかのような感じに思えていました。
ですので、ここは気合を入れて・・何とエシェゾー2018年まで開けて・・確信を持ってご紹介させていただきます。
脱線の上、超昔の話しで恐縮ですが、たまたま昔のデータをみつけて見ていて・・大昔にル・テロワールさんが輸入し、最後に会社を整理する時の処分ものだったかと思いますが、・・なんとヴォーヌ=ロマネ・シャン・ペルドリ2000年を、3060円で販売していました・・いや~・・今なら「是非とも売ってくれ!」と言いたいほどとんでもない価格です。
白はリュリー、ムルソー、赤は数種類飲ませていただきました。兎に角入荷してきているヴィンテージがバラバラで、テイスティングも相当に「リキ」を入れないと正確な判断がし辛かったシュヴィニー・ルソーですが、ここへ来てヴィンテージも揃いはじめまして、ようやくnoisy的にも理解が深まった・・その上での判断が出来たと思っています。
独断的に・・言い切ってしまうとこんな印象になります。
「古き良き時代のブルゴーニュワインを現代によみがえらせたような、ピュアで繊細・・新樽の強い効果に重きを置かない煌びやかで美しい果実酸の美味しいエキス系の味わいでリリースしているドメーヌ」
と言えるかと思います。まぁ、そうは言っても新樽を使用していない訳では無く、90年代のように、全てのキュヴェに新樽を用いるようなスタイルでは無い・・と言うことですね。
そしてそもそも自然派ですから、アロマが素晴らしい・・スピードも速く繊細で伸びやかです。クラシカルな味わいですが、自然派のアプローチで非常に美しいです。
例えば、エマニュエル・ルジェは御大の教えを守っていますから、醸造前の低温の漬け込みと「新樽」由来の効果をバッチリ・・最大限に利用した、「リリース時からも官能的なあじわい」を持っていますが、シュヴィニー・ルソーは全くの真逆です。
どこまでも純な果実の美しさを基調とした、ブルゴーニュの葡萄の美しい表現に手を加えることなく、その上で自然に任せた醸造をしていると言えます。
そう・・そんな造り手が、今のブルゴーニュにどれだけいるでしょうか?・・ほとんどいないと言っても過言では有りません。
「エシェゾーはどこまでも純粋で、汚れ無き美しさを持っている!」と書くつもりでいますが、それを信じられますか?・・中々難しいでしょう?・・そう、どこまでも美しくたなびく味わいなんですね・・。ルジェとは真逆のスタイルですが、「時間と言う魔術師」の作用で、最終的にはかなり似てくるのも間違いないでしょう。
「どのタイミングで飲むか?」
で、大きく印象が変わってくるはずです。
面白いのはマリアージュにおいてです・・どうしても新樽の大きな影響を得たブルゴーニュワインに慣れている我々は、
「すでにその新樽系の味わい、香りをイメージした上でのマリアージュを考えてしまっている。」
「新樽系の影響の少ない、美しい果実を表現した昔のブルゴーニュワインは、そのイメージとは全く別のマリアージュをする。」
と言えるのが、このシュヴィニー・ルソーを飲みながら食事をすると伝わって来ます。
ですので、合わないと単純に考えてしまうような、例えば「魚とピノ・ノワール」でも、見事なマリアージュをする場面にも出くわします。
それに、飲み進めるにしたがい、食べ進めるにしたがって・・
「シュヴィニー・ルソーのワインも滅茶苦茶美味しくなってくる」
ことがお判りになるかと思うんですね。
ワイン単体での素晴らしさは、抜栓直後はルジェのワインには全く適わないでしょう。ですが、食事と一緒に飲み進めて行くと・・「・・あれっ?」と・・気付くはずです。
「・・このワイン、もしかしたら・・もの凄いワインじゃないだろうか・・」
と。
素の姿はおそらくエマニュエル・ルジェと大差ないと思います。しかし、抜栓してグラスに注いだシュヴィニー・ルソーのワインの姿は、エマニュエル・ルジェとは全く違う振る舞いを見せます。
グラン=ゼシェゾーまでは開けられませんでしたが、
「心底ピュアで純な、クラシカルだが今でも美味しさを理解できる見事な味わい!」
と言いたいと思います。
現在のワインの志向を見ると、いつかこんなピュア・ブルゴーニュが世界を席巻することになるやもしれません。言ってみれば、ヴァーゼンハウスをさらに凝縮・集中させたようなスタイルです。美しさは全く同様・・でしょう。
是非一度、この美しさ、ピュアさ、クラシカルな美味しさに触れてみて下さい。お勧めします。
フィネスさんが初めて輸入された期待のヴォーヌ=ロマネ本拠のドメーヌ、「ドメーヌ・シュヴィニー=ルソー」をご紹介させていただきます。すでにネットの世界では評判になっているようで、どこのサイトを見ても「完売」か、カートに商品の数を入れられないと言う、凄い状態です。
まぁ、このような場合は大抵、Noisy wine は「ネットのワイン屋の中でドンケツ」のご紹介になってしまうのが常でして・・何せ、ただでさえテイスティング・アイテムの大行列の交通整理をしなければならない状況の中に、「新しい扱いの生産者さん」のワインがその行列を伸ばしてくれますので、そうなってしまうんですね。いや、むしろ、それで「完売」のオンパレードに出来てしまう・・と言うワイン屋さんの底力に驚いています。
Noisy wine もこの「シュヴィニー=ルソー」は初めての扱いになりますが・・いや・・ホントかぁ?・・(^^;;
実はかれこれ四半世紀前ほど遡りますが、今はラシーヌを経営されていらっしゃる合田泰子さん、塚原正章さんが、その前にやられていた伝説のインポーターさん、「ル・テロワール」さんの時代に、noisy も扱わせていただいていました。
最も・・ドメーヌ名が少し変わっておりまして、その頃は「ドメーヌ・パスカル・シュヴィニー」と名乗っていらしたんですね。なので、昨年の晩夏位に担当の K君から「シュヴィニー=ルソー」の話しを聞かせて貰った時には、しばらくの間、思い出せなかったんですね。遠い記憶を探って、
「・・・シュヴィニ―?・・ルソー・・?・・シュヴィニ―・・。・・あ、パスカル・シュヴィニー!!」
と、やっとの思いで記憶の蓋をこじ開けることが出来ました。
酒質は、その頃のパスカル・シュヴィニーをハッキリとは思い出せませんでしたが、
「濃厚・濃密・新樽100%」
の時代に迎合することなく、エレガント系・エキス系のドライなヴォーヌ=ロマネ等をリリースしていた・・と思います。
久しぶりに飲んだパスカル・シュヴィニーは、やはり昔扱った頃のイメージと似たニュアンスが有ったのでしょう・・
「決して濃い系では無い・・果実味たっぷり型でも無い。集中しているが、決して意図的に濃くしようとはしない。エレガンス重視の重さを感じさせない味わい」
でした。
また、ナチュラルさはその頃には無かった、もしくはnoisy にまだ感じ取る能力が無かった・・のかもしれませんが、1990年代の比では無いほどに有機的でナチュラル感も有ります。そして決して「アヴァンギャルドな攻めたナチュール」では有り得ず、ピュアさをたっぷり感じるものです。
その上で、古き良きブルゴーニュワインのニュアンスも感じます。「葡萄に無理強いしない」「無理に抽出しない」「化粧を濃くしない」を見事に守っていると感じました。
それでいて、アイテムのリリースは順番では無く、「リリースして良いと思ったら出荷する」そうでして、今回のラインナップをご覧いただきましても、見事にバラバラですよね。
今回は全9アイテム中、トップ・キュヴェのグラン=ゼシェゾーのみテイスティングできませんでした。8アイテムのテイスティングをさせていただき、その、
「超エレガントなヴォーヌ=ロマネの世界」
を感じさせていただきました。是非ご検討いただけましたら幸いです。
なお、非常にエレガントな味わいですので、
「ワインのサービス時の品温」
にご注意くださいませ。
決して冷えて冷たい状態で飲み始めないように・・特にバックヴィンテージは、15度以上まで品温を上げてから、もしくはこの冬の時期には、温めた室温に馴染ませてから飲み始めてください。どうぞよろしくお願いいたします。
■造り手情報

第2次世界大戦後の1947年にルシアン・シュヴィニーがヴォーヌ=ロマネの「Aux Champs Perdrix(オー・シャン・ペルドゥリ)」の区画に葡萄を植えたのがこのドメーヌの始まりで、3代目となる現当主のパスカル・シュヴィニーは父ミッシェルから1984年にドメーヌを引き継ぎました。
ドメーヌ名はパスカルの父方の苗字「Chevigny(シュヴィニー)」と母方の苗字「Rousseau(ルソー)」を掛け合わせたもので、現在はコート・ド・ニュイを中心に約4haの葡萄畑を所持しています。リュットレゾネで栽培を行っていますが、HVE 認証という葡萄栽培から瓶詰に至るまで、より厳しく環境のことを考えて活動している生産者に与えられる認証を得ており、高い品質のワイン造りを目指しています。
ワインの販売については、ドメーヌで瓶熟させながら飲み始めても良いなと思ったヴィンテージをリリースできるように努めています。

葡萄の収穫は手摘みで除梗100%、アルコール醗酵は自然酵母で櫂入れと液循環を行いながら最高30℃で10~15日間行います。熟成は樫樽でブルゴーニュ・クラスは12ヵ月、それ以外は約18ヵ月間行います。新樽比率はヴィンテージにもよりますが、ブルゴーニュで約25%、それ以外は約80%ほど、グラン・エシェゾーのみ100%にすることもあります。瓶詰前にコラージュのみを行い、ノンフィルターで瓶詰されています。