● ブルゴーニュの最北部近く、シャブリの南東で、まだうら若き女性がビオでワインを造り始めました。評判がすこぶる良い・・と言うので、noisy も・・
「え・・?・・そんなに・・若い・・いや、売れるの?」
と、昨今は飛ぶ鳥さえお辞儀して去って行くと言う、ヴィヴィットのK君に伺ったので、
「では、それなりに・・何ケースずつか・・」
と言うと、
「・・いや、noisy さん、とんでもない・・そんなにあげられないですよ・・人気なんですから・・」
と宣う・・ので、
「・・あのね・・うちがやるとなったら、少なくとも各1本は開けるんだから・・判ってるでしょ?」
と軽くマウントを取りに行くと、
「・・いや、あ、まぁ、じゃ、ご注文だけは取り合えず2ケースずつで・・でも後で調整します・・」
と、すっと左肩を後ろに引かれてしまいました。
結局のところ3アイテムのみ、18本、18本、24本と、余りいただけはしなかったんですが、「一番多いんですから・・」と何となく胡麻化されたのは理解しつつ、仕方が無いかと・・テイスティングしてみました。結構に期待してたんですよ・・凄く売れると言うので・・
で、テイスティングしてみますと・・まぁ・・ねぇ・・悪く無い・・悪く無いと言うよりも、良いのは凄く良く判る。・・でも、
「とてもじゃないが、このまますぐにご案内したらちょっとマズイんじゃないの?」
と思えるほどに、それぞれのキュヴェが揮発酸のニュアンスをしっかり放出していました。このまま出したら・・Noisy wine では全然売れないか、もしくは相当勘違いされて対応に追われる羽目になる・・と判断しました。
その上で、
「この感じだと、半年ほどで揮発酸は他の要素に同化して匂わなくなり、且つ、複雑性も増して美味しくなるはず」
と言うのも何となく判ったので、結局半年感放置する羽目になり・・半年ほど経過したので、2本目をそれぞれ開けてみると・・
「・・お~・・旨いじゃん!」
と、大変化を遂げたラファエルちゃんのブルゴーニュワインにちょっとビックリさせられました。・・まぁ、うちの愚息も「目を真ん丸]にしてました・・はい。
半年前に飲まれた方は、「自分には・・合わないなぁ・・」と感じられた方もいらっしゃるかと思います。そして、ネットを調べてみますと、
「すでにどこも完売!」
で・・noisy もビックリ。
「・・あの状態で売っちゃうんだ・・」
です。
まぁ、確かに、Noisy wine も、「それでも欲しい」とおっしゃる方には、よくよく説明させていただいて販売させていただきましたが、絶対に、
「今になってから飲むのがお勧め!」
なことは間違い無いと思っています。
ナチュールなニュアンスは大人しくなりますが、ちゃんとしたワインに成熟しています。言ってみれば、
「やんちゃな盛りを過ぎて随分大人っぽくなったね・・」
では有りますが、いや、かなり美味しいので、
「色っぽいニュアンスにやられてしまう・・」
方が続出するんじゃないかとも思っています。
気になるお方は是非・・飲んでみて下さい!

ラファエル・ギュイヨは今年29歳になるミレニアル世代のナチュラルワインの造り手です。高校卒業後、シャトー・ド・ベル、ラ・グランジュ・ティフェーヌ、シリル・ファル、ティボー・リジェ・ベレール、ニカ・バヒア (ジョージア) 、ラマズ・ニコラゼ(ジョージア)などで研鑽。並行してボーヌのCFPPAで栽培と醸造を修めました。ブルゴーニュ生まれのラファエルは、畑は所有していませんでしたが、自身でもナチュラルワインを造りたいと思い、2016年にコート・ド・ニュイのコンブランシアンにミクロネゴスを設立。そして購入したブドウから、一度限りのキュヴとして3種類の2016年のワインを造りました。その後、ヨンヌ県、シャブリの南東にあるTreignyトレニーの村に本拠を移しました。そして、2018ヴィンテージからは、新たに同じヨンヌ県のビオで栽培を行っている知人ドメーヌからブドウを購入して、生まれ故郷であるヨンヌ産にこだわったナチュラルワイン造りをしています。