【2022年もので唯一飲めたピノ・ノワールは・・妖艶で適度な濃度のある果実感、そしてフィネス!So2も検出限界でめっちゃ美味しいです!!】

シャブリにほど近い「イランシー」のピノ・ノワールです。彼女の醸造所が域外なのでアペラシオンを名乗れません。
ですがこの「レ・ベゼ」もまた、非常に「ラファエル・ギュイヨのピノ・ノワール」を感じさせる仕上がりです。
他のコラムで、一番似ているのは「ジャン=イヴ・ビゾ」と言ってしまいましたが、まぁ・・揮発酸は彼女も気にはなるのでしょうが、何かこう・・物凄い自信を持って、
「ん・・大丈夫!」
と信じているんでしょうね。
このワインもまた、その揮発酸は・・無くは無い・・有ります。ですが、すでに・・
「表情のひとつとして重要な役割を得ている状態」
なんですね。
ジャン=イヴ・ビゾは、非常にナーバスになりやすく・・年によっては結構にバリバリな揮発酸を出していました。
「エシェゾーであんなに出しちゃってて・・良いんだろうか?・・A.O.C.は取れたようだけど?」
なんて・・ね・・思ってました。
まぁ・・ラファエル・ギュイヨの場合はグラン・クリュの葡萄ではない・・と言うのも有るのかもしれませんが、
「彼女がナーバスになることは・・多分・・無い」
ような気がします。そうじゃないとこんなにポジティブなワインは生まれないと思うんですね。

そしてこの2022年もののレ・ベゼですが、自社畑のレ・ロビネットと同様に、
「残存So2もとっくに検出限界」
なんですね。
で、すでに表情の一つになり切っているその「揮発酸」が生んだ表情ですが、揮発酸としての検出の方もだいぶ難しくなってきていますから、
「・・ん?揮発酸・・どこに?」
とおっしゃる方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
ドライながらエキスの集中が有り、旨味をしっかり持った味わいです。果実感もしっかりですが、
「一般的なイランシーのピノのようなバキッとした硬さを感じさせない」
のが素晴らしいです。
イランシーのピノって・・どこか四角い顔をしていません?・・(^^;; こちらは丸顔です・・。もちろん、ミネラリティもたっぷり有りますが、シャブリとか・・あの辺のチリチリしたような感覚は有りませんで、非常に滑らかです。
そして彼女のワインらしく、やはり官能さですね。色っぽいです。
因みにこのワインは・・
「ル・ヴェゼ」
つまり・・接吻、キスのことです。「ル」が男性定冠詞と言うのも仏語の面白いところですが、「le Baiser」と言う名付けからも・・何か伝わって来そうです。
美味しいです。ぜひ飲んでみてください。よろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【かなり高質!・・ものの見事なブルゴーニュ・ピノ・ノワールです!】
見た目は2019年ものと余り変わりませんね・・。と言うか、そのように見えます。
ですが、2019年ものは2本目の写真です。ちょっと臭かったので半年寝かせたものを開けて撮ったんですね。そうしたら・・
「あれだけ臭かったのに・・その臭かった部分は見事な官能さに変化していた!」
訳です。
まぁ、僅かな違いが有るとするなら、2020年ものの方が純粋な色合いかもしれませんし、2019年ものの方が官能さを表面に映し出しているかもしれません。ただしそれはバイアスの掛かった見方かもしれません。
非常に充実していて、果皮の割合が高く、ブルゴーニュ・ピノ・ノワールとしての高質さをしっかり見せつけてくれます。エレガンスもしっかりで・・何より、
「揮発酸臭く無い!」
ので、ほぼ仕上がった状況で届いていると思われます。非常に美しいディテールです。

シャブリと同じような土壌と言うことですが、ピノ・ノワールと言うことも有るのか、シャブリチックな感じはあまりしません。
ただしミネラリティが豊富で低域から高域まで美しく連続しています。飲んでいくうちに・・時間が経って行くうちに少しずつ、その非常に高いミネラリティから漏れ出すように、さらに赤果実、黒果実の高質なニュアンスが出て来ます。その果実も、ベリーが主体では無くもっと濃い色の果実・・ですね。濃密です。カシスまで行くかな?・・と言う感じですが、その前に黒っぽい果実も出て来ますから、
「果実感だけで相当複雑」
だと感じました。
今飲んでも相当旨いですが、現状はまだ50パーセントほどの表情に過ぎないでしょう。流石にラファエル・ギュイヨの自社畑のトップ・キュヴェです。noisy 的には、
「2019年と2020年・・こんなに違うかぁ?・・見た目は変わらないのに・・」
と、ちょっとビックリしています。是非飲んでみて下さい!・・素晴らしいブルゴーニュワイン・・ブルゴーニュワインファンにもお勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【しなやかな・・滑らかな、でも結構にしっかりしているブルゴーニュ・ピノ・ノワールです!官能さも実に良い感じ!】
巷では相当、人気が有るようです。今年前半のテイスティングの時は、
「・・いや・・ちょっと臭いなぁ・・」
と、結構に主張している揮発酸に、
「このままは販売できないな」
と思っていました。
ただし、それでもそのような状態のワインがお好きな方は結構いらっしゃるので、そのような方には販売させていただき、好評を得ていました。
で、ちょうど半年後に2本目をテイスティングし、
「お、これなら大丈夫!・・結構・・旨い!」
と確認させていただき、本日のご案内になっています。
おそらく、サン=ブリ近辺の畑だと思いますが、このキュヴェがトップ・キュヴェですね。この下のキュヴェに比較すると、「精緻さ」「高貴さ」が図抜けています。ちょうど良い感じの甘美さと官能さが有る味わいで、アロマの上りの中に、フィルムのような柔らかく透明なミネラリティを感じます。シャブリ近辺の土壌とはちょっと異なるイメージです。
むしろ鉄分の少ないジュヴレ的な感じ・・もしくはマルサネかな?・・それを出来る限りSo2を使用しないで造った・・その結果、非常にノーブルな味わいのピノ・ノワールになった・・そんなイメージです。
出来は良いです。熟成も10年以上、可能です。是非飲んでみて下さい・・ラファエル・ギュイヨ、注目して行きましょう。お勧めです!