● 例えば noisy も、その昔は結構に色々やっておりまして、イタリアを含む海外から出て来た「一山幾ら」みたいな出物をブローカーから仕入れ、あれこれして販売させていただいておりました。届いて梱包を開くと、もう間違い無く、
「オッデーロのバローロ、バルバレスコの古酒」
が入っていました。
まぁ、ガイアとか、アルターレとかは有名でしたが、フォンターナフレッダとかは知っていましたが、オッデーロは余り有名では無く、また、アイテムそれぞれの数も無いので、飲んだり飲めなかったり・・したものです。
でも、濃密な味わいと言うよりは、エレガント系だと言う理解ではいましたが、時代は、「濃密」「パワフル」を求めていた背景でしたので、まだ若造だったnoisy もまた、さして記憶には深くは刻まなかったんじゃないかと思います。
今回は、エージェントさんから条件をいただきまして、売れない・・いや失礼・・人気薄かな?・・と思われるオッデーロのクリュ・バルバレスコを飲んでみましたら、これがまた非常に琴線に触れる見事な味わいでして・・・
いや、すべからく皆さんが「好みだ」とおっしゃるとは思っていませんよ。でも、noisy 的には好きなんですよね・・こんな何とも美しい表情のワインが・・。
で、
「こんなスーパーエレガントなワインには、絶対に海外のメディアはまともな評価などしていないはず!」
だと思って調べてみましたら・・なんと・・!・・何たることか!
加調されてさらに塩分の利いた脂ギトギトの料理がおいしいと思ってしまう、noisyも含めた多くの日本人の割合が増えている中、このような美しいワインが海外で正当な評価をされていたことには、嬉しい驚きが有りました。
しかし条件が出るほど・・と言う販売状況になってしまっているのは・・どう言うことなんでしょう?・・いや、noisy としましたら助かりますけどね。是非コラムを読んでみて下さいませ。

■現存する『バローロ最古』の造り手
「ヴィーニャ・リオンダ」「ブルナーテ」「ブッシア」「ヴィレッロ」「ロッケ・ディ・カスティリオーネ」とバローロの重要なクリュ の良い区画を所有する伝統的バローロの老舗が復活。1878年、初めてのボトリング
現存するバローロ、バルバレスコの造り手の中で最も古い歴史を持つと言われる「オッデーロ」。今も 1700 年代に建てられた当時のカンティーナで醸造している。
初めてボトリングしたのは 1878 年。それ以前はダミジャーナで販売していた。
『60 年代にジャコモ・オッデーロがアンジェロ・ガヤの 父ジョヴァンニやリナルディ等と共に DOCG の元に なるバローロの法規制を作った』
第2次世界大戦後、荒廃したランゲの畑は農民に手放されていったが、ジャコモは畑を買い足していくことを決意。そのお陰で現在でもラ・モッラ、カスティリオーネ・フ ァレット、セッラルンガ、モンフォルテ、バルバレスコと幅広い地域の最良の畑を所有している。
『各地域の最良の畑を所有しているのは僕達だけ。 長い歴史のお陰。同じ醸造方法で各地域の最良の 畑の葡萄を醸造するからテロワールが解る』
彼等の所有する畑は「ブルナーテ」「ヴィーニャ・リオンダ」「ブッシア」「ヴィレッロ」と各地域の最良の畑ばかり。他の造り手ではあり得ない豪華さ。 そして、特殊なのがバルバレスコ。法律ではバルバレスコの葡萄をバローロ内で醸造するとランゲ・ネッビオーロになってしまう。
『バローロで唯一醸造を許されているバルバレスコ がオッデーロのバルバレスコ・ガッリーナ。法規制前 から造っているから例外で認められている』
1997年より有機栽培に転換。所有畑は 35ha。90 歳を越えた先代から 1997 年に栽培・醸造を受継いだ娘の「マリアクリスティーナ」が 全ての畑を有機栽培に切り替えた。
『先代の時代は農薬が推奨された時代だったが、 少しずつ減らし、97 年から徐々に有機栽培に移行。 現在、全ての畑は有機栽培となった』
畑ではコンポストと硫黄、極少量の銅のみが使われる。除草剤、防虫剤は一切使用しない。
『ティニョーラ(害虫)にはホルモン剤を使用。ホルモンを麻痺させることで交尾できなくなり、その結果、害虫の数が減っていく』
彼等の畑は各地に点在し、1 つ 1 つは非常に小さいので隣の畑の影響も受けやすい。隣の造り手とも協力し合い有機栽培を推進している。

『僕等の大きな特徴はネッビオーロのクローンの多様性。古くから所有しているので 16 種類以上のクローンが混在している』
有機栽培の次に畑で取り組んでいるのが葡萄樹の循環型自主生育。ツルをできるだけ切らずに自由に伸ばすことで葉を増やし、光合成を助成。
『ツルを切る事で葡萄を凝縮させる造り手が多いが、僕等のスタイルではない。グリーンハーヴェストもほぼしない。過度な凝縮は必要ない』
有機栽培によって厳しい環境で育つ葡萄は自然と収量を落としてくれる。グリーンハーヴェストは収量制限ではなく、風を通す為に行う程度。
凝縮感ではなくバランス
一時期はバリックを試したり、ステンレスタンクでの発酵も試みたが、現在はセメントタンクでの発酵に戻し、バリックは廃棄された。
『セメントで自然酵母のみでゆっくり発酵。温度管理はしない。マセラシオンは葡萄の状態に合わせて 20-30 日』
「マリアクリスティーナ」とその子供達によって伝統的 オッデーロの味わいは復元された。 古いスラヴォニアの大樽を主に、「フォラドーリ」や「ロアーニャ」も愛用するオーストリア産ストッキンガー社 の大樽を使用。
『ストッキンガーは樽材が厚く、目が詰まっているので酸素供給率が低い。タンニンも少なく、香、口中の甘みがほとんど出ない』
そして「DRC」「パカレ」も愛用するフランス産グルニエの大樽も良い結果を出している。
『1年目の樽はバルベーラと相性が良い。2-3 年はランゲ・ネッビオーロ。その後、4年目からバローロに使用する』
透き通った色調の彼等のワイン。過度な凝縮や抽 出を嫌い、パンチングダウンを行わない。最低限のルモンタージュのみで発酵を続ける。
『全てのバローロの醸造は同じで良い。テロワールの違いだけが味わいを造り出す。何故ならオッデーロ はバローロ最良の畑を所有しているから』