
これは凄いですね~・・感覚的にはかなり・・かなりですよ、ディディエ・ダグノーのシレックスを思い出させてくれちゃいます。単純に、一嗅ぎした時の複雑なニュアンスは、硬くて余り何も表情に出してくれない時のシレックスを凌ぐと思います。もっとも完熟に近いシレックスは途方もない表情になりますんで、
「残念ながらダグノー・シレックスには及ばない・・」
と思います。
しかしながら「サンセール・ブラン」でこれだけのポテンシャルを感じさせてくれるとすると、相当に良いです!そして、ダグノーは今、新樽の使用はしていないんじゃないかと思うんですね・・。だとするなら、
「黄色や白、淡い橙の果実、柑橘果実にシレックス土壌由来のミネラル香、そして新樽の要素が僅かに加わった、かなりの凝縮感の在る高密度サンセール・ブラン!」
と言えるとするなら、これは相当に興味を惹かれませんか?

この、淡い緑の入った美しい黄色には、シレックス土壌由来のたっぷりなミネラリティが、まるで見えるかのように映りませんか?
味わいは結構に重厚です。海外メディアを調べてみると・・アンドレ・ヴァタンさんは、
「全くに近いスルー」
でした。
いや~・・相当頑張ってるだろう!・・少しは評価してみてよ!・・と言いたいところですが、評価され始めてしまうとビックリするほど一気に値上がりしちゃいますから・・はい。
その昔、「フランソワ・コタのサンセール」がアメリカの某バイヤーの目に留まり、
「そんな価格で売ってたらダメ。私がアメリカで4~5倍で売れるようにする!」
と言ったとか・・(たぶん・・)。
その昔、フランソワ・コタのエージェントをしていたル・テロワールさんも、ワインのポテンシャルはちゃんと認識していたものの、結局は手放さざるを得なくなってしまった訳です。そこにはその某バイヤーの思惑が有ったんですね・・(おそらく)・・。
でも結局は、その某バイヤーの計画は頓挫したようで、一時超高値で有ったコタのモン・ダネも、元の価格にはならなかったものの、1/4ほどに下がっています。
ワインの価格って、人それぞれの思惑で動いてしまうものでも有りますが、やはりそこは、
「ちゃんと値踏みをする」
だけじゃなくて、
「ちゃんとポテンシャルを見る、理解する」
ことが重要だと思っています。
その意味では、このワインは全く高くないです。素晴らしい出来の2019年、サン=フランソワです。是非飲んでみて下さい!お勧めします!