● ブルゴーニュワインファンの皆さんも固唾を飲んで見守っていると思われる、期待の新人をご紹介させていただきます。フレデリック・ジェムトン氏とおっしゃるブルゴーニュ出身の・・おそらく noisy とさしては年齢も変わらないに違いない・・?白髪のナイスミドル・・??・・です。
30年務めた保険業界をリタイヤし、さすがにコート=ドール近辺に畑を買うことは出来なかったか、それとも自然豊かなボージョレのレーニエが気に入られたのか判りませんが、クリュ・ボージョレの畑、もしくは葡萄を入手し2019年より醸造することになったんですね。
そして・・何と、あのエマニュエル・ルジェさんの次男、「ギョーム・ルジェ」氏をコンサルタントに迎え、ドメーヌ・エマニュエル・ルジェの作風を大いに生かしたボージョレにしようと頑張っているそうなんです。
エマニュエル・ルジェのパスグラも当然ガメが使用されていますが、今やその・・
「パスグラでさえ、エマニュエル・ルジェを主張している!」
のは、皆さんもご存じかと思います。官能的で柔らかく、非常に良く香る素晴らしいワインになっていますよね?・・noisy も、90年代から・・だったか、ルジェのパスグラは飲んでいますが、その頃はまだ・・いや、美味しかったですが、今のようなリリース時からの「官能さ」は有りませんでした。勿論価格も滅茶安く、2千円ほどだったと記憶しています。
今やエマニュエル・ルジェさんも、いつ引退しても不思議ではない年齢になり、長男のニコラ君、次男のギョーム君が頑張ったことで、あの名作ともいうべき2017年のドメーヌ・エマニュエル・ルジェのワインが生まれた訳です。
そんなギョーム君がコンサルされたフレデリック・ジェムトン氏のドメーヌが、この「ドメーヌ・ド・ヴェルニュス」なんですね。なのでnoisyもたっぷり期待して待ってましたとばかりにテイスティングさせていただきました。

初ヴィンテージの2019年もののNoisy wine への到着は今年2021年5月末~6月始め頃でした。アイテムは今回ご紹介の4アイテムです。・・あ、因みに左の写真はサンプル入手の2020年もの・・未発表のものです・・10アイテムほど有りますが、これがまぁ・・滅茶苦茶美味しいんですよ!・・あ、すみません、今回は2019年もののお話しでしたね。
で、6月に入って2019年ものを徐々にテイスティングを始めたんです。非常にピュアで軽やかなアロマが心地良い、凄く健康的な美味しいクリュ・ボージョレでした。・・ただし、タイミングが良く無かったのか、
「ちょっと硬い・・なぁ・・余りルジェさん風にも感じないし・・」
そうなんですよ・・当初、フィネスのK君に聞いていたのとは印象が結構に異なっていました。
ですが、良く良く・・嗅ぎまわってみると、確かにルジェ風の官能さが表面に出ている白く軽やかなミネラリティの奥の奥に在ることが判ったんですね。
なので・・残念でしたが・・
「ん~・・フィネスさんには2カ月前に入荷だから・・合計で半年弱ほど・・待つかぁ・・」
と言うことで、ようやく今回ご紹介させていただくことになった訳です。
話しは飛びまして、上記写真の2020年ものですが、圧巻と言えるほど素晴らしいです。ルジェ風の「濡れたテクスチュア」がバッチリ、そして「官能さ」も出始めています。そもそもこのボトルたちはサンプルとしてフィネスさんに届いたもので、その残りを頂戴させていただいた・・と言う、ちょっとした「役得」みたいな感じですね。
なので、noisy がテイスティングしたのは、フィネスさんがテイスティングされた何日か後・・と言うことになります。
noisy 的には、2019年ものは自宅でボトルを開けて、すぐのタイミングで・・素晴らしいけれどちょっと硬かった・・それが今年の6月です。
2020年ものは今年の10月、フィネスさんで抜栓後の数日後と言うタイミングで滅茶苦茶柔らかく、濃度も出ていて美味しかった・・んです。
ですが2020年ものは、担当のK君の話しによりますと、
「到着直後と言うこともあってか、酸が少し硬かった・・」
そうなんですね。
で、同時期に飲んだ2019年もの(フルーリー、レーニエ・レ・ヴェルジェ等の今回ご紹介のアイテムたち)はとても開いていて、同時テイスティングのエマニュエル・ルジェさんのパスグラに勝るとも劣らない・・同じようなニュアンスを持った見事な味わいで、ヴェルニュスのワインがガメだけだとはとても思えなかった・・と言うのが、大方の出席者さんたちの感想
だったそうです。
そうかぁ・・と、まぁ、ある意味では noisy の想像通りでは有った訳で、流石に12本ずつしか存在しないファーストヴィンテージのワインたちを2本も消費してしまう訳にもいかないため、
「・・(良かった!)」
と、胸を撫で下ろしたところです。
ですので、ワインはやはり、
「どうやって飲むか?」
が非常に重要で、これをおろそかにしてしまうと、本来そのワインが持っている味わいを台無しにしてしまう場合も有ります。
さほど高いワインではないから・・と気を抜かず、しっかり休めて、タイミングと品温に気を付けながら飲んでいただけましたら、このクリュ・ボージョレの素晴らしさ、アンリ・ジャイエ直系、エマニュエル・ルジェ直系の素晴らしい味わいに出会うことが出来るかと・・思っています。
また、もし開けてしまったのに硬かったらどうしたら良いか?・・そんな時には、そのままコルク栓を逆刺しにして、3~5日ほど冷暗所で保存し、再び飲んでみて下さい。
次から次へと大きな話題をくれるエマニュエル・ルジェ・ファミリーです。・・が、このファミリーのボージョレへの進出は、この地区のワインを・・単に、
「ヌーヴォー専用」
と言う看板を大きく塗り替えて行くものと思っています。是非ご検討くださいませ。

ドメーヌ ド ヴェルニュス
DOMAINE DE VERNUS
地所:ブルゴーニュ地方 ボージョレ地区
2019年に誕生した当ドメーヌはボージョレ地区のほぼ中央に位置する「Regnie-Durette(レニエ・デュレット)」という集落に所在しています。ブルゴーニュ生まれの当主フレデリック・ジェムトン氏は保険業界で30年間働いた後、ワイン好きが高じてワイン造りを始める決意をしました。どこでワインを造るかはいくつかの候補がありましたが、最終的には美しい風景が広がり、類まれなる可能性があるボージョレに腰を据えることにしました。
ボージョレの山々に広がる畑の様々な標高や方角、土壌構成、葡萄の木の健康状態などを考え、ドメーヌ設立時には綿密に選定された合計7haの葡萄畑を購入し、その大多数は古木になっています。畑作業や醸造などのワイン造りに関しては、ブルゴーニュの試飲会で知り合ってから数年来の友人であるギョーム・ルジェ氏(エマニュエルルジェ氏の次男)にコンサルタントを依頼しています。ヴォーヌ=ロマネで家族経営のドメーヌを支えている彼の手腕や技量、哲学に感嘆したフレデリック氏は葡萄の植樹から瓶詰の日程に至るまですべての工程において指示を仰ぎ、ギョーム氏はそれに応えて「Domaine Emmanuel Rouget」の哲学をワイン造りに反映させています。

選別しながら手摘みで収穫された葡萄は醸造所に運ばれ、テーブルの上でさらに念入りに選別された健康な粒だけを使用。除梗は区画ごとのキャラクターによって比率を変えています。
低温浸漬でアロマと色調をゆっくりと抽出させ、ステンレスタンクでアルコール醗酵を行ってから10ヵ月間タンクもしくは樫樽で静かに熟成させます。フレデリック氏はアペラシオンや区画が持つ個々のキャラクターを尊重してテロワールの違いを楽しめる様々なキュヴェを敢えてボージョレで造ることを目指しています。