【化け物的存在感の凄みのある味わいながら、美しさ、伸びやかさが半端無い!・・ポテンシャルはムーラン・ナ・ヴァンに引けを取らないでしょう!・そしてフルーリーのプルミエ・クリュの噂の真贋は!?】

滅茶判りやすい、レニエ・レ・ヴェルジェとは違い、判りやすさとしてはもっとも難解?・・で有りながら、ポテンシャルは凄い!・・と思わざるを得ない・・言ってみれば、
「化け物?」
みたいなフルーリー・・・ラ・ディム2021年です。
そして、噂と言うか、その動きが有って・・認められたようだと言うんですが、
「クリュ・ボージョレのトップを切って、フルーリーが1級になる?」
みたいな・・感じになっているようです。
まぁ・・確かにこのラ・ディムを飲みますと・・
「すっげ~・・」
と感じさせられる訳です。でも、比較的飲み慣れているモルゴンや、クリュ・ボージョレのトップと言われるムーラン・ナ・ヴァンのようには、
「そんなに判りやすい感じではない?」
とも感じていますので、おそらく幾つかのクリュ・ボージョレが一緒に1級に指定されるんじゃないかと想像しています。
ここは花崗岩質ですから、まぁ・・カリウムなんでしょうか。2020年ものを飲ませていただいた時はシャンボールが近いかなぁ・・などと思ったんですが、2021年ものをテイスティングしますと、
「・・シャンボール?・・う~・・ん・・」
と頭を抱えてしまいます。

言ってしまえば、ムーラン・ナ・ヴァンの要素の部分的なものも有り、カリっとしたカリウム的な白さの(実際の原素は銀色ですが)ニュアンスが強いイメージです。
2020年ほどに果実の風味が強くは無いので、リリース直後から美味しく飲めた2020年ものとも若干異なります。やはり新樽は抑えめのように感じます。
その重厚な・・濃密な果実が無い・・と言うほど、見た目は変わらないですよね?・・しかし飲んだイメージは結構に違うと・・そのように思い出します。
非常にピュアで、ふんわりとナチュール感は漂いますが、ビオ的な感覚はほぼ有りません。時間が経つと確かにシャンボールっぽいんですが、開けたてはもっと石灰よりも目の詰まった、もう少し軽そうな?・・ミネラリティです。
とても華やいでいるかのような感じで、しかしまだ仕上がっていない感じの「詰まった」ような感覚、しかし時折、崩壊しているようなときには、
「ぶわっと赤い果実、花が咲き乱れる感じ」
がします。
「これ、めちゃ凄いんじゃないの?」
と思ってしまいました。
しかし、まだそのほんの少しのディテールだけでは判断しきれないかなぁ・・と言うところなんですね。ようやっと昨夜開けたので・・他にも2本ほど開けたので、noisy の脳内も取っ散らかったままなんですね。
なので感覚なんですが、
「ムーラン・ナ・ヴァンとほぼ同格は間違い無しだが、ムーラン・ナ・ヴァンの仕上がり具合には少し足りない」
と言う状況のようです。
まぁ・・ピュアでナチュラルで、ほんのりと色っぽい・・それに関しましては2021年のド・ヴェルニュスは一貫しています。
「やっぱり・・もしかして・・とんでもないほどのポテンシャルを秘めているか!」
と、個人的には結論しておきたいと思います。5年~10年経ったら凄いことになっていると思います。ご検討くださいませ。希少です。
以下は以前のレヴューです。
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【ここまで密度が高くなると、もはや「ガメ」を意識することが難しい?・・非常に熟度の高い葡萄は栽培法は異なってもラミー的な密度の高さに劣らない感覚を受容できます!】

もう・・どうだったか余りハッキリは覚えていないのですが、ユベール・ラミーを扱い始める前は、ただ硬くて酸がしっかり感じられるワインだったのが、
「・・・あれ?・・もしかして?」
と、ラミーの進める超密植化の行く末が何となく感じられ、想像出来てしまったから扱い始めたのは間違い在りません。ハッキリ言って、余り売れてないワインでした・・でもファンはそれなりにはいらしたんじゃないかなぁ・・とは思います。年々深みを増して行く味わいにドキドキしながら、毎年何かしらのキュヴェをお買いになられる訳ですね。
noisy も・・1アイテムで400本以上・・販売できた2014年を境に、売れ行きは上昇して行きましたが、入荷数量は減って行き、今の状態になっています。ラミーの販売時はもう、「てんやわんや」です。(テイスティングも多くて・・てんやわんやです。)
アンリ・ジャイエ翁は朝早くから夕方暗くなるまで畑で仕事をしていらした・・と伝説のように語られます。「ミルランダージュ状の葡萄を得るため」、余り人には作業を見せたくなかったのかも・・しれません。翁が引退を表明してからもワインは仕込んでいましたし、いつも畑にいらしたそうですが、その頃のエマニュエル・ルジェのワインを飲んでも・・ジャイエ翁のワインほどの密度の高さは感じられませんでしたし、散々「わしの息子」と翁が言ったと言うシャルロパン=パリゾのワインにも、その集中度は感じたことは有りません。
しかし・・翁が亡くなられた後からのエマニュエル・ルジェの神掛かったような見事な味わいには・・驚きと言うか、それまで感じていた noisy の感覚がおかしかったのか・・と思うほどでした。やはりアンリ・ジャイエのすぐ傍で、そのすべてを見ていたのはエマニュエル・ルジェさんだけ。ある意味、何かに縛られていたものが「解放」を得て、自分を取り戻したことにより凄さを得たのか・・とも思います。

この・・凄い色合い・・色彩・・圧巻です。そもそもフルーリーって、軽やかなワインがほとんどですよ。
ですが、このキュヴェには、フラワリーなアロマを持つ極太な芯みたいなものを感じます。
「軽やかでは有るんですが、決して軽くない!」
と言いたくなるニュアンスで、
「・・シャンボール・・かな?」
などと言ってしまうに違い無い・・見事な仕上がりです。
これ・・ギョームさんがやっているのなら・・いや~・・この先のブルゴーニュのヒエラルキーがさらに大変化するんじゃないかと思っちゃいますよ。
そもそも、「軽い」「重い」とか、「濃い」「淡い」など・・真逆にさえ感じることが出来るワインって、基本的には凄いワインだと思うんですね。
D.R.C もルロワも、ルジェもルソーもルーミエも・・みんなそうじゃないですか・・。飲んでみてください。「軽やかだけれど全然軽くない」お花畑のフルーリーです!ボージョレ大変化の新時代です!
以下は「フルーリー2020」のレヴューです。
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【激、繊細で超、瑞々しい!・・ボージョレの本質を伸びやかにまざまざと見せつけた、軽やかさが美味しいと思わせてくれる素晴らしい出来です!】
まぁ、フィネスさんのテクニカルとは少し違うことを言っていますが、やはりモルゴンはそれなりに重量級だと思うんですね。
対してフルーリーは、クリュ・ボージョレの中では南に有り、より繊細な、軽妙さを感じさせてくれる味わいなんですね。まぁ、あのムーラン=ナ=ヴァンは北に接していますが、そこまでの骨太さは無く、
「軽めだけれど繊細で優雅!」
なのが良い訳です。
しかし・・しかしです。「フルーリー」・・サンタムールもそうですが、結構に難しいワインでして・・滅多に良いものには当たらない・・。フォワイヤールとメトラ・・辺りは良いかと思うんですが、
「結構に軽過ぎたり、平板だったり、無理をする性かギシギシとテクスチュアが良く無い・・」
と思ってしまうんですね。
ですがこれもギョーム・マジックでしょうか・・ルジェ・マジックと言うべきか、
「滅茶伸びやかで軽妙甘美で、瑞々しい余韻の長さと素晴らしいバランス」
が感じられるんですよ。

余りに美味しい2020年ボージョレ=ヴィラージュの延長上にも有ると思われますが、さらに軽量化し、さらに石灰を溶かし込み、そのフラワリーさと健康そのものの果実感を心地良く感じさせてくれるのがこのフルーリーなんですね。
軽めのものを重く・・では無く、軽めのものの良いところを伸ばす!・・そんな感じなんですね。なので劇的に繊細です。余韻は滅茶瑞々しい・・そこから還って来てのフラワリーなノーズ。
いや、ルジェ本家のワインだと樽が結構に効いているので若いうちでも詳細には判り辛いんですが、
「もしかしたら・・将来、ルジェはボージョレで凄いことに?」
などと想像を膨らませてしまいます。
「・・軽いのかぁ・・それじゃぁなぁ・・」
と思われるかもしれませんが、良い部分が非常に良く伝わってくる素晴らしい表現だと思います。是非飲んでみて下さい!超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【ただ今絶好調・・らしい!・・(^^;; 軽やかでフラワリーなアロマと優雅さが魅力のフルーリー!・・結構ルジェっぽさが出て来たそうです!】
ルジェっぽさが出て来た・・なんて言われた日にゃ、そりゃぁ・・例え、
「・・ん?・・クリュ・ボージョレ?・・いらんな・・」
とは思っていたとしても、どなたでも興味が生まれてしまいますよね・・。でも実際、フィネスさんが体験したそうですから・・はい・・noisy もかなり頼りにしている担当さんです。
上の写真が今回ご紹介させていただくファーストヴィンテージのフルーリーです。下はサンプル提供していただいた2020年のフルーリー・・。noisy の実体験的イメージは、この2つは結構に異なります。
しかしながら、noisy のシュミレーション的なイメージでは結構に似通っていますので、そこのところはご承知おきくださいませ。
2019年のフルーリーは、果実より花のイメージがパンっと浮かんでくる軽やかで繊細なアロマです。ちょっと石灰に花崗岩が入ったイメージで・・コート=ドールで言えば、ユベール・ラミーのサントネみたいな感じでしょうか。ただし、ラミーのサントネに非常に良く似たイメージは、むしろ2020年ものです。こちらの方が実体験的にはソフトなテクスチュアで柔らかく、絶品だったので・・いや、昨日飲んだばかりなんですね・・だから、イメージ的には鮮烈で・・すみません。
中域も適度に膨れ、余韻が滅茶綺麗です。瑞々しい余韻が心地良く持続しますし、ノーズへの還りが実に良いです。一般的な「ボージョレ村名」とはやはりエレガンス的に各段の差が有るかと思います。

左の写真は2020年ものですが、2019年ものより色がやや濃いかな?・・と言う違いは有りますよね。
おそらくですが、ヴィンテージの違いもさることながら、ちょっと花ぶるい的な濃度も感じますし、おそらく低温での漬け込みが非常に上手く行ったのが2020年なのかな?・・と想像しています。
ただし、エージェントのK君によると、2020年フルーリーなどの輸入時の疲れが取り切れていなかった性か、「ちょっと酸が硬く、酸っぱく感じる」と言うことでした。でも、noisy が昨日テイスティングさせていただいた時分には、まったくそんな素振りを見せることはなく、ただただ美味しく・・
「こんなに濡れた、襞さえ感じるテクスチュアの密度の高いフルーリーを飲んだのは初めてかもしれない・・」
そう感じました。
ですので、今回ご紹介させていただいている2019年ものは、noisy がテイスティングした時とは大きく変わり、昨日テイスティングさせていただいた2020年ものにかなり寄った味わいになっている・・そう感じています。
ファーストヴィンテージですので、まだ noisy も完全に掴んだ訳ではありませんが、6月の初めての出会いとなった時の感覚には、さしたる間違いは無かったかな?・・と思っています。
ルジェのパスグラ並み・・と言うことですので・・はい・・仮に話半分だとしても、相当興味が湧かれたんじゃないかと思います。是非ご検討くださいませ。お勧めします。