
エリオ・アルターレと言えば、丘の頂上の最も良いと思われる畑に植えたバルベーラで造る「ラリジ」が有名です。濃密で脳幹直結の、ズキンと来るような果実の味わいです。
このニコラ・アルターレのバルベーラは低域から高域まで・・グラデュエーションを持っているかのような、バルベーラ本来のピュアな味わいを感じさせてくれる、これまた素晴らしい出来のランゲ・バルベーラです。
低域もちゃんと在りながらも大きな張り出しは無く、中域にかけて横へと膨らみ、高域に掛けてまた徐々に帯域を狭めながら、果実、花、蕾、緑の弦を感じさせてくれる優れものです。
また色彩もそれなりには濃く見えますが、充実してはいても濃いとは言えないレベルです。瑞々しく、ピュアでナチュラル感がしっかり在り、そして・・
「超ドライ!」
なんですね。甘さには、まったく頼らない構成・・素晴らしいです!
もちろん、エキス系で美しい系です。エレガントさはありますが、ドルチェットのドリアーニほどではありませんで、果実感をしっかり持っている分・・エレガントさと言う部分は抑え気味です。

しなやかでテクスチュア良く、伸びやかです。普段飲むのはこんなワインが良いんですよね・・と思っていたら、間違えて2本も開けちゃいました。エチケッタが似ているので・・持ち帰った時には気付いたんですが・・美味しいからまぁ・・良いか・・と。赤い味わいがしっかり在り、ドライなのにしっかりバランスの取れた旨味を持ち、非常に瑞々しいです。
そして・・ワインが冷えた場合ですね。冬のこの季節、どうしても品温が下がります。
甘さと言いますか、残糖分がそれなりに在りますと冷えてもそれが支えてくれますので何とかなる訳ですが、少ないとなりますと・・冷えるのは厳しい訳です。
ところがですね・・このランゲ・バルベーラが持つ「酸の構成バランス」が優れるために、冷え目の状態でも美味しく飲めちゃうんですね・・。
素晴らしい出来だと思います。まだニコラ・アルターレを飲んだことが無ければ・・価格もリーズナブルです。飲んでみてください。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【今回ご案内のニコラ・アルターレのワインで、今飲んで一番美味しいのはこれ!】
これは良いですね~・・元気いっぱい!若さが漲る!・・でもちゃんとしてる・・(笑
余り言いたくないんですが、ちゃんとしてる若者たちと、ちょっとどうなの?・・と思ってしまう若者たちとの落差が激しい感じがします・・。
そうは言っても・・
「それって年齢、関係ねえんじゃね?」
と言われてしまえば、
「・・確かに・・(自省の念を含めて)」
と言わざるをえず自爆してしまう訳ですが・・。
どうも・・マニュアルに無いことはできない・・とか、しなくて良い・・と思ってしまうのか・・、周りの人とうまくやろうとか・・は思わない方が増えているような気がします。(自身も含めて・・ですよ。)
色々と観察していれば、一つくらいは何かに気付くものです。勿論気付かずにスルーしてしまって・・
「・・あ・・ああ・・」
みたいなことは多々ある訳ですが。
ですが、このニコラ君、こんなワインが造れるのね~・・と、嬉しくなってしまうような味わいなんですね。

ま~・・マニュアルなんかないでしょう。プリンチピアーノで修行したようですが、「気付き」が無ければこんなに素晴らしくピュアでナチュラルで外向的な味わいの「プリン」とした弾ける果実が美味しいワインなんて・・造れるわけがないと思ってしまうんですね。
なので、このワインは是非飲んでみて欲しいですね。ドリアーニは少しゆっくり目に、休め気味に飲み、ネッビオーロは温度を高めに持って行って楽しむか、少し熟成させた後に飲むか・・が正しいかと思います。
このニコラ・アルターレの写真を見ていると、結構にビオな栽培だと思われます。醸造はハイブリッドな感じ?・・清潔感バッチリで、でもピエモンテの歴史も大事にする・・大樽を使うなんて、中々若い方には・・特に自分で始めた方には難しいことだと思うんですね。
トライをする・・だけれどそれにはきちんとした裏付けが必要・・それを得るには普段からの観察から得るものが必要で、それを覚えていて次に生かす能力を養わなければいけないかと思うんですね。
こんなお若い方・・ちょっと応援したくなってしまいました。是非飲んでみて下さい。偉い旨いです!