【2021年もののネッビオーロ・・と若いのに、美味しく飲めてしまう!・・エキスの美味しさが光るニコラ・アルターレならではの味わいでしょう!】

バローロから・・いや、バローロと言っても結構に広域ですから、どこから計測するかにもよりますが、バローロから6~7キロメートルほど南に行ったところに「ドリアーニ」は有ります。飲んでみますと・・ランゲ・ネッビオーロですが、バローロとバルバレスコの中間的な印象・・かな・・と感じます。
彼のワインのアイテム中では抽出はしっかりされている方だと思うんですが、なんと・・今飲んでも美味しいんですよね・・。
多くのランゲのネッビオーロ、バローロやバルバレスコなども含めてですが、種の大きなネッビオーロのタンニンをどう処理するか?・・が問題になる訳です。バローロやバルバレスコは、その対応として・・醸造~熟成してからリリースまでの時間を長くとることで対応しました。造り手によりましては、新樽を多く使ったり、ロータリーファルメンターで種をつぶさないように醸造するなど・・もあります。
ですが、ニコラ・アルターレの場合そんな手段は全く必要とせず、
「葡萄の質を上げ、軽やかに仕上げる」
ことで乗り切っていると感じます。
ですので、エリオ・アルターレ系のバリック由来の緩やかな酸化をもたらしたやや黒っぽさの入る味わいでは無く、ピュアさを感じさせつつ、タンニンもあるが非常に優しく、かつ、質が良いです。もちろん、熟成期間もバローロなどに比較しますと超短いですから、そんなピュアな味わいにもなりうる訳なのでしょう。

そして・・複雑性ですね。ちょっとバルバレスコライクな軽やかさをかんじさせます。大樽での熟成ですから・・滑らかにはなったとしても、熟成感はそんなに出ないのでしょう。しかし、
「非常に味わい深い!」
です。ほんのりとキノコっぽい感じもしますし、若い果実のニュアンスと、時間の経過で良く熟した果実のニュアンスにも、ややジャミーさも出てきます。
そして何より・・
「とてもエレガント!」
です。
エリオ・アルターレやガイヤのバローロを初めて飲んだ時には、頭を殴られるようなショックを受けました。
「こんなに凄いワインがあるのか・・」
と感じたものです。そして、エレガント系・・大樽系のバローロを一緒に飲むと、
「・・ん・・なんて渋いんだ・・」
とも思いました・・(^^
しかし noisy もまた、そんなパワフルなバローロも好きですが、大樽系のゆったりとした味わいのバローロに・・いつの間にか、心を惹かれるようになってました。
その部分から言いましても、
「その中間・・もしくは大樽系寄り」
です・・まぁ・・大樽ですから至極当然なのかもしれません。
そのタンニンの質、その処理の見事さから、ディテールが凄く良く見えます。そして美しいし・・飲み進めますとどんどん複雑になって行きます。飲んで見てください。バローロ、バルバレスコと渡り合えるネッビオーロです。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【こんなに可愛らしい娘っ子がいたら・・お父さん、頑張らない訳には行かないよね・・中々の本格的な仕上がりです!】
ランゲ・ネッビオーロです。
「・・ん・・頑張ってるなぁ・・」
と、飲んでシミジミ感じます。味わいがシミジミしている訳では有りません。
それに、
「ナチュラルにネッビオーロを仕上げると・・そう、こうなるよね・・」
と、いとも簡単に判る味わいです。あ、決して貶している訳では無く、良い意味で言っています。
元々ネッビオーロは種子が大きいですから、潰して醸造するとタンニンが出易い・・。タンニンが出ると熟して丸くならないと渋い。
だからこそ、エリオ・アルターレは先祖伝来の大樽を父の前で壊したんですね。そして、そのタンニンを和らげるために・・緩やかな酸化を得るために新樽で仕上げた訳です。
ですが、本当にそれだけだったのか?
大樽は使い様だと思うんですね。清潔に・・雑菌が繁殖しないように・・と言う視点が必要ですから、より小回りの利くバリックを使用したと言うことも言えるでしょう。
そのエリオの兄が、このニコラのお爺さんと言うのも中々に面白い・・(^^ 時代の流れって・・たった半世紀で大きく変わってしまうんですね。

自然酵母でステンレス・・そこから大樽熟成と言う流れが、非常に良く見える味わいです。
パキッとした輪郭が有り、タンニンも柔らかく質が良いものの決して少なくは無い・・しかし、味わい、アロマとも、非常に好ましい外向さを持っています。
ドルチェットやバルベーラのグラスの写真を見ていただけますと判りやすいですが、
「ネッビオーロは淡い色合い」
ですよね?
昨今はお間違いの方が多いんですが、ネッビオーロは皮は決して厚くはなく、濃い色のワインになる訳では無いんですね。エリオ・アルターレと同じバローロ・ボーイズだったサンドローネのネッビオーロは濃いですし、サイのエチケットのネッビオーロも・・濃いので、ネッビオーロは濃い色=果皮が厚いと思われていらっしゃるかもしれませんが違います。
果皮は薄くて病害に弱い・・ピノ・ノワールと同じような性質を持っているんですね・・種子はネッビオーロの方が大きくタンニン分が豊かだと思います。
今飲みますと、比較高い温度に持っていって・・16~17度位でしょうか、ちょうど良い感じで脹らんでくれます。それより低いと少しタンニンが前に出ます。ピュアさとナチュラルさを持ち、So2 の少なさが身体への余分な負担を感じさせない・・酔い覚めも軽いです。
これは少し熟成させたら面白いと思いますよ。重厚では無いものの適度な重さと外向さが、今までの・・あっけらかんとしたネッビオーロに出会えなかったシュチュエーションを変えてくれるでしょう。ニコラ・アルターレ..飲んでみる価値はたっぷりです。お勧めします!