
メディアの2019年ものの評価を上げさせていただきました。最近のものは見当たりませんで・・
「2021年もののルシアン・ボワイヨの評価、出てないかな?」
と散々探しましたところ、まったく見つからず、代わりに・・
「余りのエキスの出来、美味しさにびっくりした2019年もの」
の評価を掲載したと言う訳です。
これについては以前もコラムに書いており、
「デュガ=ピィに劣らず、しかも価格は半分以下」
としています。
2019年ものと今回の2021年ものを比較してみますと、
「全体のバランスは2019年ものに分が有り、エキスの純粋な美味しさと冷ややかさは2021年ものに分が有る」
と感じます。
色彩も2021年ものの方が淡く、やはりエレガンスが素晴らしいです。
そして、ブラックチェリーやブラックベリーの風味が繊細に感じられますが、やはりディテールの美しさが際立ちます。細やかなんですね・・。
やはりこの「ゼヴォセル」と言う畑は、
「1級レ・シャンポーの上部(西)、東に接し、1級レ・グーロの北に接している村名畑」
でして、そのほとんどが隣村の「ブロション」に有ります。ジュヴレにも有りますが少ないです。

そんな畑ですから、ロケーションだけ見ますと、
「ん?・・なんでここが村名畑なの?」
と言いたくなるような位置なんですね。南から偉大なル・クロ・サン=ジャック、レ・カゼティエ、コンブ・オ・モワンヌ、レ・シャンポーと続き、
「全く同様な高度に連続して存在している村名畑」
ですから、言ってみれば・・
「並みのジュヴレ村名畑では無い」
とも言えます。
ですので・・まぁ・・
「準1級?」
と言いたくなるような高質さを持っていまして、それがディテールの美しさに現れていると感じます。めっちゃ美味しいです!・・ビターでエレガントで見事にエキス系です。今飲んでも美味しいですが、2020年もののように濃さで誤魔化される部分は少ないですから、これからも遂次上昇して行くでしょう。5本だけです。お早めにどうぞ!激お薦めします。
以下は以前のレヴューです。
-----
【この美しいエキスこそがボワイヨの特徴!エレガントでめっちゃ良いです!】
どえりゃ~・・美味しいです!・・むしろディガ=ピィより好き・・(^^;;
この畑はジュヴレの最上部に在りながら、またそれは1級レ・シャンポーの真上に在りながら・・ほとんどの畑がフィサン寄り・・つまりブロションに有りますので、
「それだけで1級にはなれなかった疑惑?」
も付いて回るほど・・デュガ=ピィのレ・ゼヴォセルは人気です。
ですがどうでしょう・・この2020年もの・・デュガ=ピィは久しく飲めていませんが・・
「・・えっ?・・もしかして・・?」
と思わせるほど、素晴らしい仕上がりをしています。
何せ垂涎のジュヴレ1級畑が並ぶ・・そう、あのクロ・サン=ジャックからの北への並びです・・そこに有りながら、僅かに傾斜が・・・とか、一番高いところだから・・とか、そもそも、
「ジュヴレじゃないし・・」
等と言うイジメも有ったのかもしれません。

ですが、この2020年のように日照に恵まれ・・過ぎてしまうと、そんな高い場所の涼やかな畑が、
「実はもっとも条件が良くなってしまった」
可能性も出てくるんじゃないかと。
村名ジュヴレが滅茶美味しいので、そちらをお勧めしていますが、可能でしたらこのグラスの写真を見比べてみてください。
「これ・・美味しく無い訳が・・無いんじゃん?」
村名ジュヴレも素晴らしいですが、この色彩の持つグラデュエーション、そうは出会えないと思いますよ。言ってしまえば、最近のルーミエさんのクロ・ド・ラ・ビュシエールを思わせるようなグラデュエーションに近いように感じます。
そして飲んだらもう・・甘露です!・・つるん・・と入って来て、複雑で素晴らしい表情を見せてくれます。
村名ジュヴレでは1級並みとは・・ハッキリは言えなかった訳ですが、このレ・ゼヴォセルには・・しっかり書いてしまいました!素晴らしいです!・・でも3本だけ。お早めにご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
----
【ジュヴレのレ・ゼヴォセルと言えば・・デュガ=ピィですよね・・このレ・ゼヴォセルも素晴らしい出来です!】
デュガ=ピィ的な味わいでは有りませんが、やはり同じ畑らしく・・その雰囲気はバリバリに出ています。
このレ・ゼヴォセルと言うジュヴレ=シャンベルタンA.C.の畑ですが、その一部はジュヴレに有るものの、ほとんどが北に接するお隣りのブロションに有るんですね。なので、ジュヴレの地図上だと・・そのジュヴレのレ・ゼヴォセルは、
「1級レ・シャンポーの一部」
に見えるほどなんです。
デュガ=ピィさんのレ・ゼヴォセルが有名ですから、飲まれたことの有る方は多いと思いますが、デュガ=ピィはもっと黒い・・と言うか、少なくとも暗い色合いをしていると思うんですね。
あ、そうそう・・例えば「レ・ゼヴォセル」で検索を掛けて・・グラスの写真が出てくるような時代になる良いなぁ・・なんて思うんですが、全然出て来ないですよね。Noisy wine のサーバーには、
「・・もういい加減にしてくれないかなー!」
と思う位、各社のクローラー(検索エンジンのサイトを巡回して収集してくるロボット)が画像を拾いに活動しています。最近多いのはApple社のボット・・お行儀が悪いと言うか、四十八時連続的にアクセスして持っていきます。Apple でボットで拾いまくって、それを何に使用しているのか?・・noisy は理解していません。

ちょっと道を外れてしまいましたが、素晴らしい出来の2019年ジュヴレ村名に比較しますと、相当に「緻密」で「複雑性の高い」「冷涼な」味わいとアロマを持っています。
これはやはり1級レ・シャンポーとも共通な「涼やか感」だと思います。しかしそれだけに終わらず、アロマの伸びが素晴らしい!・・だいぶデュガ=ピィとはニュアンスが異なりますかね。
細やかな赤い果実をたっぷり持ち、高地の風の影響か低い気温の中、やっと熟したような密度の高い味わいです。非常に健康的でエキスたっぷり・・これは素晴らしい!
このレ・ゼヴォセルもジャスパー・モリス氏は評価していまして、なんと92ポイント!・・ん~・・素晴らしい・・ですが、もう少しあげても良いかな・・と思います。
因みにデュガ=ピィの2019年、レ・ゼヴォセルの評価はこんな感じです。
2019 Domaine Dugat-Py Gevrey-Chambertin "Les Evocelles"
91-93+ Points Robert Parker's Wine Advocate
91-93 Points Vinous
90-92 Points Allen Meadows - Burghound
あらら・・ほとんど変わらないですね。価格は1/2から1/2.5でしょうか。
今飲んでも素晴らしさは充分に伝わってくると思いますが、やはりこれは2~3年寝かせるべきでしょう。ご検討くださいませ。