
プイィ=フュイッセの1級畑に認定された「ル・オー・ド・ラ・ロシュ」です。アペラシオンも・・もし自店で扱っていなかったりすると・・その変更にいつまでも気付かず、ヤバイことになってしまうことも想像されます。
「・・あの、プイィ=フュイッセの1級、有ったら何か欲しいんですが・・」
などと店頭でお客様に尋ねられた時に、
「プイィ=フュイッセに1級畑は有りません!」
などと言ってしまって・・後で恥ずかしい思いをする・・なんてね・・まぁ、常に情報には気を配って、そして偉そうにしない・・と自身を戒めておかないと非常に危ない商売です。ただし記憶力は・・確実に落ちて行きますね。ワインや品種の名前が思い出せない・・いや~・・本当に困ります。この間は思いっきりブルゴーニュ沼で仕事をしていたら、いきなりイタリアワインの話しをすることになって・・中々頭が切り替わらずに参りました。切り替わるまでしばらく時間が掛かります。
で、この1級ル・オー・ド・ラ・ロシュ2021年ですが、ま~・・冷ややかです。そしてその名の通り、
「ラ・ロシュ」
です。
かのドメーヌ・ルロワのマダム・ビーズは対談で、
「クロ・ド・ラ・ロシュの特徴はどう思いますか?」
等と聞かれた時に、
「ラ・ロシュ」
と即答したようです。まぁ・・「岩」ですね。

まさに「岩」そのものを感じますが、やはり石灰岩系で、細かく砕けた感じと言うよりは、大きめの「岩」を・・言葉は良く無いかもしれませんが、岩を舐めまわしているような・・そんな気にもなります。
ロッシュ、もしくはロシュと発音するのでしょうが、やはりフランスのワインの畑やアペラシオンにこれが有れば、ことさらそのイメージが強くなると思っていて遠く無いと思います。
柑橘のフレーヴァーがドライながらしっかり有り、そこに蜜っぽさが結構しっかり感じられます。僅かに火打石っぽい感じも入り、オイリーに粘ります。中域もまだ締まり気味ですが徐々に解放、余韻は瑞々しく、ややマッタリとしてからスーッと消えて行きます。
また、このル・オー・ド・ラ・ロシュは樽を使わずステンレスタンクのみでの仕上げのようで、非常にクリーンでピュアです。高質な・・ミネラリティたっぷりのプイィ=フュイッセ1級ですが、価格も4千円を切ると言う非常なリーズナブルさが魅力です。是非飲んでみてください。