
マンシア・ポンセのトップ・キュヴェ、1級レ・クレイです。クレイとは・・粘土のことですね。
なので、このワインは粘土由来の粘性が有り、粘土の味わいと石灰の味わいがせめぎ合う・・複雑性を持っています。幾分、熟成には時間が掛かるようですが、今飲んでも「素晴らしさはすぐ判る」状態です。
で、古い方はプイィ=フュイッセのレ・クレイと言えば・・
「ダニエル・バローのプイィ=フュイッセ・レ・クレイ・ヴィエイユ・ヴィーニュ」
ですよね。
これはアドヴォケイトで、ブルゴーニュを代表するシャルドネとして選出されたシャルドネです。もちろん、バロー自慢のアン・ビュランと共に選ばれています。
しかし!・・バローのレ・クレイV.V.はその名前から「V.V.」を外し、レ・クレイの畑の改植を始めました。そのため・・いつの間にか・・
「ダニエル・バローのトップ・キュヴェはアン・ビュランとラ・ロシュ」
に変わったんですね。
noisy は2021年もののバローのレ・クレも昨年春に飲んでいますから・・良く判ります。もっともこのマンシア・ポンセの2022年ものと比較するのはヴィンテージ違いで公平では無いかもしれません。
もちろん・・バローのレ・クレイも素晴らしいポテンシャルを持っています・・がリリース直後は、バローの方がより「硬く」閉ざした感じがします。

この2022年もののマンシア・ポンセの1級レ・クレイは、熟した柑橘が冷ややかに香る・・そして蜜っぽさのトッピングに深い味わいが長く持続し・・何よりも、
「バローよりもテクスチュアからして柔らかい!」
です。
まぁ・・ポテンシャルはどうよ?・・と言いますと・・残念ながら少しバローの方が高いかな?・・と感じます。ですが、
「価格は四分の三で今すぐ飲んでも楽しめる!」
と言うことを考慮しますと・・どうでしょう?しかもバローは2021年の価格での比較ですから、
「もしかするとバローの半分ほどになってしまうかも?」
とも想像できます。
この、ゆったりと縦横無尽にド太く・・流れることを拒否しているかのような、物凄い「涙」をご覧ください。粘土の強さをしっかりと水分とともに取り込んだ証拠が、蜜とか、果実の熟度とかに現れていると思います。
今飲んでもポテンシャルも取りやすく、美味しいですが3~5年ほど寝かせることで花開くでしょう。
あと一つだけ・・。もしマンシア・ポンセがフィルターを止めてラッキングだけに出来たとしたら、このワインを見れば・・バローに際どく迫れるんじゃないかと想像しています。飲んでみてください。
「物凄さを秘めたシャルドネ」
です!・・お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
-----


以下は以前のレヴューです。
-----
【2021年のエレガント系スタイルと対照的なオイリーで凝縮したパワフルスタイル!・・滅茶美味しいです!】
果実をテンコ盛りにしつつも自身で自重できる奥ゆかしさも持ち合わせている感じが何とも心地良い2020年のプイィ=フュイッセ1級、レ・クレイです。
レ・クレイと言えば・・やはりダニエル・バローでしょう!・・その昔は・・と言っても1990年代から2000年代にかけてですが、かの超有名ワイン評論家PKさんの、
「ブルゴーニュを代表する白ワイン」
にアン・ビュランV.V.とともに、レ・クレイV.V.が選出されていました。バローとしてはレ・クレイの古木が実を付けなくなって来たのでレ・クレイを順次植え替えたので「ヴィエイユ・ヴィーニュ」表記を外した経緯が有り、それまではアン・ビュランV.V.とともに2大看板だったレ・クレイの立ち位置が下がったんですね。
そうこうしているうちに「ラ・ロシュ(スール・ラ・ロシュ)」の樹齢がガンガン上がって来て、今ではラ・ロシュがレ・クレイを凌駕していまして、その二大看板の一翼を得ている感じがしています。
しかも・・ついにプイィ=フュイッセに「1級畑の認定」が降りまして、ラ・ロシュもレ・クレイも1級になり、アン・ビュランは認定されずでしたから、
「・・なんだかな・・」
とは思いますが、公平な目で判断した結果なのでしょうから仕方が無いのでしょう。アン・ビュランV.V.は、バロー家がプイィ=フュイッセの端で頑張った結果、今の評価を得たのでしょう。

で、この2020年の1級レ・クレイですが、いや~・・旨いですね~・・。やはり2020年と言うヴィンテージの恩恵をしっかり得ることが出来たからでしょう。
今回は2021年の1級ラ・ロシュもご案内させていただく予定ですが、いや・・かなり違うんですよね。
この見事に凝縮し、ピュアながらも伸びの良い高質なアロマには驚かされます。言ってしまえばバローの2020年も素晴らしかったですけどね。柑橘はレモンに近いものから良く熟した蜜柑類、オイリーなニュアンスは将来的にはバターの方にも向かいそうな感じがします。
中域も適度な締まりと膨らみで高質さをアピール、余韻も非常に長く、複雑な表情を感じさせてくれます。
誤解を恐れずに言ってみれば、ムルソー的な超厳しい・・バッキバキに硬い大きな岩石を感じさせるようなミネラリティを少し砕いて白くした感じのミネラリティに、僅かに温度感を上げた感じ・・やや南に振った感じ・・もしくはそのムルソーも高温なヴィンテージだとするなら、結構に近いかも・・と言う感じが近いかもしれません。
素晴らしい出来だと思います。2021年のラ・ロシュの繊細な味わいとはまた・・結構に違いますが、豊かさ、大きさはバッチリです。ご検討くださいませ。安いと思います。