● いや~・・参りました!・・と言いますか、何せこの入荷数量減のブルゴーニュワインが主力の Noisy wine ですから、
「何とかせんと・・」
と思ってはいても今更どうにもならない状況の中、気になってはいたもののお客様へのご案内だけは年間100回に届くんじゃないかと言うレベルにまで上がってしまっていましたので、忙しいのは史上最強なため、中々仕入れが出来なかったのがこの「ドメーヌ・リップ・ボワロー」だったんです。
2017年にドメーヌ承継したとのことで、日本には2018年ものから少しずつアイテムが増えて行った感じです。気になっていたので、
「誰か飲んでコメントでも書いてないかなぁ・・」
と思いつつネットを徘徊しても・・まず出て来ない・・ワイン屋さんもグラスの写真だけは上がっているのを見かけましたが、相も変わらずインポーターさんのコピーをコピーしたものしか掲載していない・・
「・・だから結局、ご同業さんに塩を送ることになっちゃうんだよなぁ・・」
などと思いつつも、
「仕方が無いか・・」
と自身をナダメながらのオーダーを、日本に入って来てから相当経過してから・・させていただきました。
そしたら・・
「・・げげっ・・リップ・ボワロー、めっちゃ凄いじゃん!」
美しくも立体感バッチリの酸、滅茶ドライで甘み無し、2020年ものでも濃いくどさが無くエレガントと言う・・
「ちょっと有り得ないバランス!」
をしていたんですね。
この「美しくも立体感バッチリな酸バランス」が生きるピュアな味わいは、
「昔のブルゴーニュワインなら当たり前だったものが、今や過去の遺物!」
としか思えないほど、心地良くもポテンシャルが高いです!
なんとこのリップ・ボワローのキャロリーヌさんは、あのジャン=ルイ・トラペ家に連なる方なんですね。なので、
「樹齢が超高いブロションの畑を承継した!」
ことが、始まりだったようです。
ですから、ジュヴレ=シャンベルタンなどは樹齢100年超??・・らしく、見事としか言いようの無い・・素晴らしい出来でした・・こんなの見逃していたら泣きたくなっちゃいますよ・・と言うか、皆さん、見逃してますよね・・。
ですので、
「少なくともこのドメーヌ・リップ・ボワローの2020年ジュヴレ=シャンベルタンだけは絶対に飲んでいただきたい!」
と思い、

などと言うバナーを急ごしらえしてしまいました!
ですが、確かに2020年の村名ジュヴレ=シャンベルタン(・メ・バ)V.V. が非常にポテンシャルを取りやすいのは間違い無いにせよ、フィサンも美味しいし、コート・ド・ニュイ=ヴィラージュもエレガントさが出た良いワインですから、
「少なくともこのドメーヌ・リップ・ボワローの2020年ものは何でも良いから飲んで欲しい!」
とも思っている訳です!
いや~・・棚からぼた餅、寝耳に水・・?・・でした。絶対に驚きますよ。「ブル好き必飲」バナー、これからも活躍できるよう、頑張ってテイスティングします。是非ともどうぞよろしくお願いいたします。


リップ家はブロション村に1620年より続くぶどう栽培家の家系で、ジュヴレ・シャンベルタンのトラペ家の親戚筋に当たります。数世紀もの長きにわたって、「ルイ・ラトゥール」や「ブシャール・ペール・エ・フィス」といったネゴシアンにぶどうを販売してきましたが、2017年、ジャン・ルイ・トラペ氏の姪にあたるキャロリーヌ・リップとその旦那さんのジュリアン・ボワローが垂涎ものの古樹畑を継承したのを機に、自社ビン詰めを志向することになりました。
ジュリアン・ボワローは、ダミー社、ビヨン社、レモン社といったブルゴーニュの名門樽メーカーでキャリアを積み重ねてきた樽職人で、最後はマルサネ社の樽製造責任者として、「ブルーノ・クレール」「フランソワ・ラマルシュ」「ルー・デュモン」等々の生産者に特注の樽を納めました。
醸造家の道を歩む決心をしたジュリアンは、「DRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)」の前醸造長ベルナール・ノブレに学んだエドゥアルド・パパン率いる、同じ村の「ドメーヌ・クリュニー」で1年間修行した後、2018年に新ドメーヌ「リップ・ボワロー」を設立し、自社ビン詰めを開始しました。
樽はもちろん自作です。
「特注樽の製造は、醸造家との共同作業です。醸造家と一緒に試飲を重ねて各々のワインの特性を完全に理解した上で、原材料となるオークの森、土壌、樹齢から、乾燥の方法や期間、そして焼き方まで徹底的に研究して、それぞれのワインに最も相応しい樽に仕上げます。私のジュヴレ・シャンベルタンは石灰質主体の土壌のためミネラル分に富み、樹齢が約100年と非常に高いため濃密なスタイルなのですが、このワインには、サントル(フランス中央部)の森の中でもとりわけ石灰質が多い区域に植生している、樹齢300~400年の超古樹オーク(注:一般的には150~200年)が理想的であり、これまで培った人脈を駆使して調達しています。非常に高密度のオークで、私の樽、とにかく重いです(笑)。焼き方は「très légère. très longue(とても軽く、とても長く)です」。
「ワインを樽で熟成させる目的は、樽の(木の)香りをワインにつけるためではありません。むしろ逆に、樽で熟成させたことを感じさせないことこそが極意です。ではそもそも樽に入れなければいいのかというと、そうではないところがワインの奥深いところです。樽熟成の作用については非常に技術的な話になるので別の機会に譲りますが、私は「ワインに魔法がかかる」と表現しています」。