【グラン・ミュジニー、レ・プティ・ミュジニーそしてレ・ザムルーズに接する唯一の1級畑、レ・プティ・ヴージョのグレートイヤー2019年もの!・・正規輸入では有りません。】

グラン・クリュ・ミュジニーは3つの畑で構成されています。グラン・ミュジニー、レ・プティ・ミュジニーの全て、そしてラ・コンブ・ドルヴォーの一部分です。
ミュジニーのほとんどを占めるのはグラン・ミュジニーとレ・プティ・ミュジニーでして、グラン・ミュジニーの北東に接しているのが・・1級レ・ザムルーズです。
そして・・このヴージョに有る1級畑、「レ・プティ・ヴージョ」はその3つの偉大な畑に接しているんですね・・。
「・・あれ?・・ユドロ=バイエの1級レ・ボルニックも・・そうじゃなかったっけ?」
とおっしゃられるかもしれません。
残念ながらレ・ボルニックはグラン・ミュジニーとレ・ザムルーズには接していますが、レ・プティ・ミュジニーには接していないんですね・・。ですので、ミュジニーの北と南、レ・ザムルーズの南に接するという、
「しかも・・!」
グラン・クリュ・クロ=ヴージョの最高の部分でも有る、クロ=ヴージョ上部北側にも接している・・
「非常に興味深い1級畑!」
なんですね。
昔は結構にリーズナブルでして、安く出てくると必ずや購入していました。レ・プティ・ヴージョの下部には希少な白ワインを産するラ・ヴィーニュ・フランシュ(ル・クロ・ブラン)も有り、これらが出てくると飲みたくて仕方が無い・・(^^;;
なので安いと仕入れてご案内させていただいていたものが・・安く買えなくなって来てしまって、気付いたらほとんどご案内出来ずに今に至ってしまっています。
クリスチャン・クレルジェは以前、ミシェル・クレルジェもしくはジョルジュ・クレルジェのドメーヌ名でリリースされていまして、現在ではビオロジックで栽培しています。以前はもっと「パキっ」としたニュアンスでしたが、久々に飲んでみて・・滅茶良かったです。

この絵面ですが・・いや~・・これほど正直に?このワインの味わいを色彩に現せているのは・・写真を撮る腕が良いのか、はたまたは単なるマグレか・・。
赤が中心に白っぽさを持った茶色の存在、白っぽく濁ったフィルターを通したような透明度、決して濃く無く薄く無く、様々な要素が少しずつ合わさってこの色彩になっているかのような佇まいを感じます。
因みに正規品では有りませんでブローカー仕入れですのでお間違いの無きよう。
で、飲んでみますと・・エレガントです。ノーズも柔らかさを持った赤果実、茶色のニュアンス、滅茶薄いフィルムのような感覚のミネラリティ。
膨らみ切らない感覚も有りながら、でも、精いっぱいやってます・・みたいなところは見せず、バランスとして非常に良いが・・このようなバランスのワインは他にはほぼ無いだろう・・としか頭に浮かんで来ません。
お隣のレ・ザムルーズ的な赤果実と白っぽいミネラリティ、伸びやかさを感じるのに、
「これがレ・ザムルーズだったら・・ちょっと訴えて来る力が弱いかな・・」
と感じます。レ・ザムルーズに似てはいるものの、総体として全然違うと。
中盤以降は・・なんと、滅茶美しい茶色の全く甘く無いケーキ・・。上質なショコラと言うべきでしょうか・・グラン=ゼシェゾーとかクロ=ヴージョ上部とかのニュアンスでしょうか。
「でもこれがクロ=ヴージョだというなら、低域の押し出しを全く感じさせないよなぁ・・」
と言うような気にもなります。
アロマはのんびりと・・でも確実に高域に伸びて行きます。そこに赤果実と白く細やかな石灰。残念ながらミュジニーと接しているぞ!・・と核心を持てる感じには至らないものの、香水的な・・いや、ちょっとその手前みたいなニュアンスが、実に心地良さを感じさせてもくれる訳です。
総じて饒舌では無いものの、複雑に交差した様々な色彩の有機物と無機物が、非常に素晴らしい世界観を持っていると感じさせてくれました。
ですから、ミュジニーなんて・・とんでも無いと思いながらもその気持ちを消し切れず、レ・ザムルーズ的では有るから・・と宥めながら、いきなり現れるとても小さな赤いチェリーをトッピングした高級ショコラの質感の高さに戸惑って、軽やかに去って行くのを見送る自分・・みたいな感じです。
いや、美味いでしょ・・これは。多くの2019年ものが濃度に溺れているのに対し、この1級に過ぎないレ・プティ・ヴージョは沢山の夢を見させてくれ、満足もさせてくれます。
まぁ・・ミュジニー、レザム、クロ=ヴージョ最上部、そしてル・クロ・ブランに接している訳ですから、どうやったって・・
「白い石灰の関与」
からは逃れられないのでしょう。
良くも悪くもその存在こそが、このワインの味わいを造っていると感じました。滅茶苦茶刺激を受けるワインです。飲んでみてください・・あ、この辺りの「畑地図」でも見ながら飲んだらさらに美味しいかもしれません。お勧めします!