● 初めての取り扱いになりました、マルサネ・ラ・コートのドメーヌ・バールをご紹介させていただきます。「いにしえ」の大ドメーヌ、クレール=ダユを継承したのはブリュノ・クレールだけでは無いんですね・・このドメーヌ・バールもまた、クレール=ダユの姻族の血統です。
長らくテイスティングだけに留めていたんですが、やや硬くてゴワゴワっとしたテクスチュアの少し飲みにくさが有ったワインが・・、
「・・あれ?」
と・・(^^;;
それに、かの偉大なクレール=ダユから受け継いだボンヌ=マールとクロ・ド・ベーズの評価だけは爆上がりしていましたので、時々下のクラスしかチェックが出来なかったものですから気付かず・・ですが、
「グラン・クリュの質に下のクラスも追いついて来た」
と判断したんですね。
ボンヌ=マールは戦時中に植えたとのことですから80年以上のヴィエイユ・ヴィーニュで、海外サイトによりますと「ミルランダージュが付く素晴らしい畑」とのことですし、クロ・ド・ベーズはボンヌ=マールほどでは無いにせよ65年以上の古木だそうで、
「ん~・・今の内かな~・・何とか飲んでみたいなぁ・・」
と思っています。
2007年から従兄弟のピエールさんが栽培・醸造責任者となっていまして、徐々にその能力を高めて来たと考えています。今回は、2020年ものを含め、そろそろ美味しくなってきた2018年もの、2019年ものをご紹介させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
■ エージェント情報
シルヴァン・パタイユやジャン・フルニエといった新星ヴィニュロンが割拠するマルサネ村。マルサネ村にAOC呼称が与えられたのは比較的新しい1987年です。その礎を築いたのが、ドメーヌ・クレール=ダユです。
日常消費用のガメイ主体のワイン産地にピノ・ノワールの可能性を見出し、世間に知らしめてきた功績は非常に大きいものでした。クレール家の畑は現在、ブルノ・クレール、ルイ・ジャド、そしてこのドメーヌ・バールに引き継がれています。
2009年、当主マルタン・バールの甥にあたるピエール・バールが参画。その若き才能は2013年、そして昨年2018年とブルゴーニュのヴィニュロンの登竜門となっている Le Groupe des jeunes Professionnels de la Vigne (GJPV) で選出されたことからも測り知れます。
非常に落ち着きがあり、聡明なピエール・バールの造るワインは華やかな香りや、エレガントな時流に乗ったスタイルではなく極めて素直に、葡萄の良さをミレジムの個性に乗せて表現してきます。ドミニク・ローランら著名生産者がこぞって彼のワインを買い付ける点が彼の実力を証明しております。

コート・ド・ニュイ最北端に位置するマルサネは、バジョシアン階とバトニアン階の石灰岩が混ざる土壌の多様性、 そしてブルゴーニュで唯一、赤・白・ロゼのワインを生みだすことが出来る、一躍注目を浴びているアペラシオンである。
歴史:マルサネ近代化の礎を築いたドメーヌ・クレール=ダユ、その血統を継ぐのが、ブリュノ・クレールと、このドメーヌ・バールなのです。
1982年、バール家の二人の子供達であるオディールとマルタン・バールによって 自分たちのドメーヌを立ち上げ元詰めを始めました。1987年にはGAEC(農業経営集合体)に加盟。姉であるオディールが指揮を執り、経営、マルタンがブドウ栽培から醸造を担当しています。7年前よりオディールの息子ピエールもドメーヌに参画しました。
ドメーヌはコート・ドールの北端マルサネを中心に21ヘクタールを所有しています。収穫したワインの60%は自社で瓶詰めし、そこからおよそ3分の1を輸出します。残りの40%はネゴシアンに売却します。
葡萄栽培は自然環境を尊重し、除草剤、化学肥料は施しません。葡萄樹の衛生状態に対しては天気予報やウドンコ病の情報といった有効な情報ツール、そして畑を定期的に観察するおかげで、最適なレベルを保つことが出来るのです。
例えば季節の初めの葉の量に応じて、生産量を調整することで殺虫剤も減らすことが出来ます。6月の下旬まで畑を耕作し、その後、夏の間は有機農法で葡萄樹同士の生存競争をさせます。このおかげで葡萄は最高の成熟度を得ることが出来ます。
7月初旬には全ての区画で除葉します。最後に手で収穫し、必要に応じてその場で選果します。

ワイン造り:ヴィンテージによって異なりますが、5~9日間の低温マセラシオンを施します。これによって私たちのワインに果実味が備わります。
アルコール発酵は葡萄自体が持つ天然酵母で行われます。圧搾後、樽に入れる前に2週間、タンクへ移しデカンタージュします。これは熟成の際に、ワインに有益な純粋な澱だけを保護することです。
新樽比率はキュヴェによって異なり5~50%です。残りは1~4年の古樽です。マロラクティック発酵は自然な順序を経て施されます。12カ月の樽熟成後、ワインをグラスファイバータンクに移し3カ月間均一化させ、瓶詰めします。この過程で、樽香が完全にワインに馴染むのです。
私たちは基本的に濾過・清澄を施しません。私たちは赤ワインにおいては、ピノ・ノワールの持つ精妙なフィネスを拠り所にしているのです。新樽を100%使わないのもそのためです。私たちのワインは伝統的であり、テロワールを最上に体現した結果、美しい緊張感とミネラル感を備えています。
私たちは常に同じ印象を受ける様な均一化されたワインではなく、ワインに各ミレジムの個性を反映させます。