【シャトー・シャロン並みの出来!・・しかも産膜由来の鋭角なファーストノーズを、優しく柔らかく鈍角に滑らかに仕上げています!・・素晴らしいです!】

素晴らしい出来だと・・最高じゃないでしょうか。
世界最高峰の白ワインのひとつ、シャトー・シャロンと並び賞して良いと感じました!
もしシャトー・シャロンやヴァン・ジョーヌを良くご存じ無い方なら、この・・途轍もないほどの noisy の期待と喜びをご理解はいただけないんじゃないかと懸念していますが、反対に良くご存じなら、
「・・そんなに言うなら仕入れておこうか・・」
と思っていただけると確信しています。
noisy がもし、白ワインで1本だけ・・何か選べと言われたら、良く熟したシャトー・シャロンもしくはヴァン・ジョーヌを選ぶと思います。だって・・完熟したヴァン・ジョーヌの途方も無い表現を前にしたら、
「どんなワインも霞んでしまう」
に違い無いですから。
ま、あと考えられるなら、何かしらの極甘口白かな・・などと思っていますが、noisyの臨終の際にはぜひ・・そんなワインを、そしてそれ以前の体調なら、
「五感を震わせてくれるヴァン・ジョーヌを」
とお願いするかもしれません。ポックリいかない場合ですが。
さらには、チーズに合う最高のワイン..それこそヴァン・ジョーヌ、シャトー・シャロンです。貴腐ワインも合いますが、どうでしょうか・・ヴァン・ジョーヌには適わないんじゃないかなと・・。

で、到着間もないんですが・・開けてみました。
2016年ものですから、
「そうか・・8年ものなら熟してるよね・・」
とお考えになるかもしれません。
ですが・・
「・・とんでもない!」
と・・ワインマスターには喝を入れられることになります。
このジェローヌ・アルヌーの2016年ヴァン・ジョーヌ、途轍もなく濃厚です。シャトー・シャロンの良いもの並みです。
しかしながら!・・この10年も経たないヴァン・ジョーヌ(シャトー・シャロンもヴァン・ジョーヌです)が、ファーストノーズでスピード感を持ってものすごく香らせる、
「産膜酵母由来の香り」
のエキセントリックでエッジのあるアロマを、
「ものの見事にソフトに、柔らかく、膨らみを持って優しく・・」
変身させているんですね・・
このような物凄くポジティヴに成長したと言って良い「若いヴァン・ジョーヌ」に、noisy は初めて出会ったかと思います。通常はもっと薄くて細く、その代わり・・細い部分を通ってから拡がって出てくる水のように強烈ですから、人により、
「漬物、青かびチーズ、セメダイン」
みたいに揶揄される産膜酵母由来のアロマとは、かなり受け取り方が異なると思います。実に良い感じです。
深い黄色を何層にも重ねたような美しい色彩から、
「大きく分けても7色あるんじゃ?」
と思えるような、非常に複雑なアロマです。口に含んでもそれは変わらず、口内の味蕾を全て魅了しつくし、またノーズへと甘美さを伝えます。
甘く無いのにめちゃ甘いです。蜜っぽくもなり、オイリーにもなり、変幻自在です。残念ながらお食事は「おいてけぼり」になってしまうほど、その一滴が魅力に溢れているんですね・・。
もちろんですが、たかが8年ものですので・・そう簡単に全ての表情など見せてはくれないのでしょう。しかし人間の情報処理系はすでにいっぱいいっぱいです。CPUを3~4個に増やさないと対応は出来ない・・(^^;; むしろこのヴァン・ジョーヌが少し硬さを見せる時間、
「あ・・そうだ・・食べなきゃ」
と、食事中で在ることに気付かれるかもしれません。
日本とは違い、フランスでは・・1ディッシュのみで、あとはチーズとパンと言うのが普通のお食事の様です。この半端無いヴァン・ジョーヌの場合は、むしろその方が良いんじゃないかと感じます。
その代わりヴァン・ジョーヌを開ける日は、少し高価なチーズを何種類かおごり、合わせてみることをお薦めします。チェイサーには、今回同時にご案内の、
「マクヴァンの赤」
もしくは、
「マクヴァン赤、白をクレマン・デュ・ジュラで割ったもの」
が最高でしょう。
いや・・ひさびさに震させていただいた化け物でした。ご検討いただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。