
「マクヴァン」をご存じでしょうか?・・今や絶滅の危機にあるジュラ・アルボワ地区のワインでして、まぁ・・丸めて平たく言うなら、
「ラタフィア」
みたいなものです。
ん?・・ラタフィアも判らない?・・
簡単に言いますと、収穫したブドウを潰して発酵が始まったあたりに「オー・ド・ヴィー(蒸留酒)」を加えて調整したものです。
まぁ・・白葡萄と黒葡萄では若干作業が違うかと思いますし、・・こんなように考えてください。
「葡萄=糖分と水分その他 に、アルコールを足して発酵を止める」
また、実際には非常に細かな規定もあるようです。170g/L 以上の糖分のある葡萄に、小樽仕込みの52度以上のフランシュ=コンテ産(ブルゴーニュもフランシュ=コンテ)のオー・ド・ヴィーを加えて造られます。
ですので、バリックの風味も入って来ますし、アルコール分はラタフィアより低いような気がします。このマクヴァン赤は、
「アルコール分16.5%」
ですから、スティルワインとさほど変わらない(スティルは12~16度ほど)ですし、今回同時にご案内のヴァン・ジョーヌは14%です。因みに日本の法律では、
「甘味果実酒」
と言うことになっています。

早速開けてみますと・・
「おや?」
と・・。
オー・ド・ヴィーを使用していますので、アルコホリックかと思いきや、赤い果実の心地良い香りに、ブルゴーニュワインでお馴染みの「官能的な香り」とピノ・ノワールに似た熟成香が!
そこにお茶、紅茶、穏やかなスパイスやハーブが混じり、落ち葉や腐葉土と言った茶っぽい感じ、もちろん、土っぽさもほんのりと混じってブルゴーニュ的な熟成香?・・
「ありゃりゃ・・これ、ブルピノの熟成したのと結構に似てるイメージ!」
でして、
「甘いかと思ったら・・ほぼ気にならない」
出来で・・ちょっと驚きました。
スイスイとも入るし、噛みしめるように、もしくは磨り潰すように飲んでもワインの方でしっかり対応してくれ、複雑な表情で迎えてくれます。
余韻には・・残糖なのか・・でも果糖ですからね・・ナチュラルで非常に心地よい・・甘みがしっとりと感じられます。
中には、
「・・甘く無いじゃん!」
と怒る方もいらっしゃるかも・・。甘い方が良い方は、
「白」
をお選びください。
また、ヴァン・ジョーヌのコラムでも書かせていただきましたが、
「同時にご案内のクレマン・デュ・ジュラで割る(伸ばす)」
と言うのがこの地域の「オツな」飲み方だそうです。マクヴァンとの割り合いはお好きなように・・
これ、ちょっとブルゴーニュ・ピノ・ノワール代わりに飲んでも滅茶楽しめると思いますよ。いたずらでブルゴーニュのワイン会に間違えたフリで出すのも一興かもしれません。
とても旨いので是非飲んでみてください。超お薦めです!・・