【イノックスタンクでの発酵が入るのでレ・コエールV.V.の100%樽発酵とは異なります。スタイリッシュで縦延び系!低域から超高域まで伸びて行くような、天空へ延びるシャルドネをモンタニーブレンドで表現!】

これも素晴らしいですね~・・半端無く・・伸びやかです。どんどんと高みに伸びて行こうとする葡萄の弦・・その先に付ける実を想像させます。
葡萄って・・まぁ・・すべての品種がそうなのかは判りませんが、枝が途中で折れるとか、切れてしまうとかしますと、その手前から枝分かれしてまた枝が伸びて・・2節目かな?・・そこに実を付けようとするんですね・・。
ですので、春に剪定して房の数を決めていたとしても、いつの間にか増えていたり・・見えないところで房が出ていたりするんですね。葡萄を育てるって・・相当にムズイです。ヴィニュロンの方々・・尊敬してます。
このレ・グラップ・ドールですが1級畑のブレンドで、モンタニーを表現したいと言うのがフランソワーズさんの狙いのようです。
ま~・・半端無いミネラリティです。イノックス(ステン)で発酵(60%)させますから、そんなニュアンスもしっかり感じます。残り40%が500Lの樽での発酵をしてブレンド。100%バリック(500L)発酵のコエールV.V.とはファーストタッチのニュアンスが異なりますのですぐ判るんじゃないでしょうか。
また、今回新規でご紹介の3アイテム中では、もっとも成長の遅いのがこのキュヴェであるのも間違いないでしょう。ミネラリティが外殻をコーティングしている感じがしますが、いずれもう少し、内部から表情を深くする要素が放出され、豊かになって行くものと思いますが、イノックス系ですから・・ツルツルとした接触感ですし、とても伸びやかな部分に大きな変化は無いとも思います。

瑞々しく艶やかでテッカテカな接触感。柑橘の表情はコエールよりも幾分大人しめです。横方向への拡がり、そこからの表情もコエールに歩が有りますが、艶やかなミネラリティ、伸びやかさ、真っすぐな表情はレ・グラップ・ドールに歩が有ります。
まぁ・・やはり女性ならではの繊細さを感じさせるワインでもありまして、インポーターさんの資料では、
「ステンレスタンクでアルコール発酵後、3分の2はそのままステンレスタンクで、3分の1はアリエ産とヴォージュ産の新樽でマロラクティック発酵」
となっていましたが、ボトル裏の説明では、
「60%をイノックス、40%を500Lのフランス・オーク樽で発酵」
と有りますので若干違いますかね。
500Lの新樽は、300L弱の新樽よりも樽からのニュアンスが少ないですし、自然な酸化のスピードも緩い・・それがこのモンタニーの1級レ・グラップ・ドールで40%をバレルファルメンテドし、イノックスの60%で伸ばす・・みたいなイメージかなと思います。
これもめちゃ旨いです!・・しっかり縦延び系です。半年寝かせると膨れ上がるんじゃないかと思います。コエールの横への膨らみと伸び、レ・グラップ・ドールの縦延びで、タイプが違いますが、どちらもマンモス級のミネラリティです。お楽しみください。超お薦めです!
以下は以前のレヴューです。
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【1級レ・コエールV.V.とは大きく性格が異なる1級キュヴェ・レ・グラップ・ドール!全方向にベクトルが向いた真ん丸で、滅茶精緻で滅茶複雑!・・これも安くて素晴らしいです!】

もう一つの1級レ・コエールV.V.は、まるで適度に熟したムxソー=ペリエールだと申しましたが、どうでしょう・・こちらはまぁ、似たような部分も無くもないんですが、
「非常に精緻でムッチリと凝縮して滅茶複雑性高い!」
です。
言ってみれば、あちらは「凄い目立つ転校生」で、こちらは誰からも推される「委員長」でしょうか・・あ、勿論、女性です。
ある意味、全く欠点が見つからないんですよ・・。ムxソー=ペリエールって、結構に凸凹はしていると思うんですよね。この部分が凄く出ている代わりに・・出て来ない部分も有ると。
言ってしまえば凄いピュリニー1級にも匹敵する素晴らしさを持っているし、時にグラン・クリュに届くか?・・みたいな表情も出してくれると思います。でも、ピュリニー1級の豊満さとか、果実の肉の部分の表現とかは・・微妙だったりすると・・。でも、だからこそ愛しいのがムxソー=ペリエールだと思うんですね。
こちらのキュヴェ・レ・グラップ・ドールは、そんなタイプとは異なっていて、
「むしろモンタニーっぽくない全方向性」
を感じます。
もっとソリッドで縦延び系で透明感のしっかり感じられるミネラリティがモンタニーっぽさだとすると、ちょっと違う感じ・・でしょうか。

ですがこれ、豊満ですし、果実も柑橘もしっかり出してくれますし、味わいのバランスは最高です!・・なので、めっちゃ美味しいんですよね。
レ・コエールV.V.の樹齢70年には届かない50年ほどだそうですが、いやいや・・樹齢50年なら完全にV.V.です。
で、レ・コエールV.V.ほどは外向性が強く無いんですね。ミネラリティがしっかり有り、しっとりと中に向いた感じの有る「コルシャル系」と捉えると判りやすいかもしれません。
まぁ・・モンタニーですから・・
「・・モンタニーって知らないし・・」
「そんな良いこと言っても・・実は大したこと、無いんでしょ?」
みたいに思われてしまうのが、滅茶残念なんですよ。
このキュヴェ・レ・グラップ・ドール、5千円もしないんですよ?・・そしてブルゴーニュの1級、シャルドネです。なので、
「滅茶高質なのはINAOのお墨付き」
なんですね。
面白いのは2021レ・コエールV.V.に92ポイント付けたティム・アトキン氏も、この2021 キュヴェ・レ・グラップ・ドールには村名カミーユよりも低い89ポイントなんですね・・んな訳、無いですけどね。高質さ、フィネス・・どちらを取ってもカミーユよりもキュヴェ・レ・グラップ・ドールが上です。ただ、それら2つよりもやや内向的なんですね。
グラスを振ると出て来ます。実に質感高く、心地良いアロマです。余りにレ・コエールV.V.が饒舌ですから騙されちゃうんでしょうね。
言ってみれば、ド・シャソルネイのサン=ロマンとオーセ=デュレッスの違いみたいなものだと思ってください。勿論サン=ロマンがレ・コエール、オーセ=デュレッスがこちらのキュヴェ・レ・グラップ・ドールです。
「どちらが好みか?」
の違いかな・・と思います。89ポイントは・・全く無いですね。今飲んで点なら仕方が無いにせよ、カミーユがもし91ポイントで正解ならその上です。なので、レ・コエールV.V.の92ポイントも低過ぎ・・と感じます。
柑橘、果実の種類も多く、おしとやかに表現してくれる「委員長タイプ」です。好きでしょ?・・是非飲んでみてください。超お勧めします!