[ oisy wrote ]● ロワールより、自然派の新たな造り手「ピエール・ゴワゼ」のご紹介です。ロワール川下流、ナントより少し内陸に入ったサン=フィアクル=シュル=メーヌに位置します。
白ぶどうはムロン・ド・ブルゴーニュ(ミュスカデ)が主体です。このミュスカデがすんごい!
一般的なミュスカデに抱く、ライトでキレの良いというタイプではなく、とろみがつくほどに密度があり、エキス的。こんなミュスカデ見たことないい!いや、もしかしたらかつてブルゴーニュで生産されていた時に、メロンの香りと言われ名前にもなった「ムロン・ド・ブルゴーニュ」。現代のミュスカデとちょっと、いやかなりギャップのある名前ではないですか・・?
でもでもこのピエールのミュスカデは・・・「ムロン・ド・ブルゴーニュ」に似つかわしい味わいなんです!ブルゴーニュでは絶滅危惧種の品種でしょうから、真の「ムロン・ド・ブルゴーユ」を体現する造り手はここにいたのかもしれません。
そして黒ブドウはなんとロワールの地でメルロー!
しかしこのメルローを使ったロゼや赤ワインが素晴らしく、ロワールの地とメルローの相性って実は良いのでは・・?と思ってしまいました。
また、白の「シェ・ピトゥー」ではなんと揮発酸の出たキュヴェをブレンドするというなんともチャレンジングなことをやっています!これはあくまで実験的な試みのようですが、しかしその独特の、初めて出会うフレーバーになんとも心惹かれてしましました・・!
それでいてアヴァンギャルドか・・?というと全くそんなことはなくて安定感抜群なんです。つまり「揮発酸をスパイスとして使いこなしている!」というとんでもないセンスの持ち主です。ネガティブなイメージの揮発酸ですが、まさか「揮発酸の新たな可能性」を示される日がくるなんて・・・(シェ・ピトゥー以外は揮発酸を感じることは無いほどに安定したワインです。)
まだ二年目ということですが、これから一体どんなチャレンジをしていくのか、楽しみで仕方がない造り手です!

■エージェント情報
大変革の真っ只中にあるミュスカデ。この地のナチュールの先達であるランドロンやド・ベル・ヴューに続く、新世代の若いドメーヌが次々と誕生しています。2020年に故郷のナントに戻り、新しくドメーヌを興したピエール・ゴワゼもその一人です。
ナント生まれのピエールは、学業を修めた後、カメラマン兼ビデオディレクターとして10年近く働いていましたが、40歳を目前に、妻と二人の子供と共に生まれ故郷であるナントに移住。ヴィニュロンに転身し、ナチュラルワイン造りを始めたのです。
ピエールの畑の8割を占めるのは、マッサルセレクションで1950年代に植樹された60年を超えるヴィエイユ・ヴィーニュのムロン・ド・ブルゴーニュ。テロワールを表現するミュスカデを手掛けています。ドメーヌのワインは2021年が初ヴィンテージですが、既に三ツ星のレジス・エ・ジャック・マルコンを始め、ナントやパリの若い星付きのレストランでサービスされて好評を博しています。