
ピエール・エ・ルイ・トラペの今のところのトップ・キュヴェ、ヴォームリアンです。
ここは・・あのポマール随一の畑、1級リュジアンの上部・・と言いますか、脇に接する村名畑です。
リュジアンもまた、上部のリュジアン・オーと下部のリュジアン・バに分かれていまして、今までは下部のリュジアン・バがより優れているとされていました。
しかしながら昨今の温暖化もあり、地質が若干異なる(上部はチョーク質、下部は石灰粘土)としても、
「やや日照が劣る方が良い」
と言う判断も出来ます。
昨今はサヴィニー=レ=ボーヌとかショレ=レ=ボーヌとか・・でも、以前は、
「日照不足で桜の花の色彩」
なんてワインが多かったものが、
「非常に美しいルビー!」
に変わって来ています。
このヴォームリアンは、リュジアン・オーの上部に接しつつ、丘の腹に沿って伸びている畑でして、以前ですと日照に問題が有ったものの・・
「現在では好都合!・・余分な果実が無く、よりテロワールを美しく反映させることが出来る」
可能性が有ると感じます。

あの・・一瞬で大人気になってしまったギルベール・ジレの2020サヴィニー=レ=ボーヌ・レ・プランショ・デュ・ノールにも似た「複雑性」を感じさせてくれたのでちょっとビックリしましたが、透明感、半透明感のあるミネラリティがしっかり存在し、それをかき分けるかのように様々な要素が顔を出します。
果実感も充実していますが突出はしておらず、肌理の細かい複雑さを強く感じました。
現状で飲んでも飲めなくは無いですが、
「このワインは3~5年ほど寝かせるのが吉」
かと・・思います。
実は他にも2020年ものなども、他のアイテムのものも飲んでいまして、結構に・・
「何となくピエール・エ・ルイ・トラペのワインのイメージ」
を掴んでいます。
親父さんのドメーヌものに比較しますと、ややミネラリティが前面に出た形で、果実感はその後ろに回る感じ・・です。でも勘違いしないでくださいね。親父さんのドメーヌ・トラペのワインと比較して・・の話しです。他の造り手を比較しますとちょっと異なる表現になります。
ピエール・エ・ルイ・トラペのトップ・キュヴェですのでちょっと値が張りますが、結局はトラペですから・・間違い無いでしょう。ご検討くださいませ。